文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳

本編『文豪ストレイドッグス』は、実在の文豪をモチーフにしたキャラクターたちが、特殊能力で戦う異能アクションバトル。KADOKAWA「ヤングエース」2013年1月号の連載開始以降、小説やアニメほか様々なメディアに展開されている。本作は、映画『文豪ストレイドッグスDEAD APPLE』公開時の入場者特典小冊子をもとに加筆修正した小説『文豪ストレイドッグス 太宰、中也、十五歳』（2019年8月1日発売）のコミカライズ版。「月刊少年エース」2022年11月号より連載されている。なお、小説版を原作とするメディアミックスとしては、2019年4月12日開始のテレビアニメ第3シーズンで映像化されたほか、2021年、舞台にも展開された。

本編における太宰治と中原中也はともに22歳。太宰は「武装探偵社」、中也は「ポートマフィア」に所属しているが、かつて二人はポートマフィアでコンビを組んでいた。首領の森鴎外からは、「黒社会最悪の二人組」と呼ばれ、一晩で敵対組織を建物ごと壊滅状態にしたことから「双黒」と恐れられる存在だった。本作は、そんな二人の知られざる過去を描く。ポートマフィアで初仕事を引き受ける太宰、マフィアに対抗する少年たちの組織《羊》のリーダー、中也。ともに15歳の二人の初めての出会いと戦い、そして共闘にいたる過程が語られる。

擂鉢街ができたのは大戦末期。拷問の末に死んだ捕虜の恨みが「荒覇吐（あらはばき）」という怒れる神を呼び起こし、巨大な爆発ですり鉢状になったと噂される街である。そんな擂鉢街で、ポートマフィアの先代首領の目撃談が相次ぐ。先代首領は、現首領の森鴎外によって殺されているが、それを知るのは太宰治ただ一人。何者かが、荒覇吐の伝説に乗じて先代首領を復活させ、内紛によるマフィア壊滅を目論んでいるのかも知れない。鴎外の命令で擂鉢街に向かった太宰と護衛たちは、そこでマフィアに敵対する《羊》という組織のリーダー、中也と出会う。初対面からバチバチやり合う二人だったが、突如起きた謎の爆発により全員が吹き飛ばされた。その後マフィアに捕らわれた中也は、《羊》のメンバーを人質に取られ、鴎外からある命令を受ける。それは、太宰とともに、先代首領と荒覇吐の謎を調査することであった。互いに罵り合いながら、太宰と中也は初めてコンビを組むことになった。