文豪ストレイドッグス DEAD APPLE

『文豪ストレイドッグス』は、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった文豪をモデルにしたキャラクターたちが、それぞれの文豪にちなんだ特殊能力で戦う異能アクションバトル漫画である。KADOKAWA「ヤングエース」2013年1月号の連載開始以降、テレビアニメや小説、スピンオフ漫画、舞台ほか様々なメディアに展開されており、本作は初の劇場アニメとなった同名作品のコミカライズである。漫画の原作者、朝霧カフカが協力した完全新作ストーリーで、謎に包まれた澁澤龍彦が映画オリジナルキャラクターとして登場している。

物語の発端は、異能力者が自殺する不可解な事件。不思議な霧が発生した後、異能力者が自分の異能で死んでしまう事件が、世界各国で発生する。500人以上の死者を出したこの事件を、内務省異能特務課は「異能力者連続自殺事件」と命名。これに関与していると思われる澁澤龍彦の捜索を武装探偵社に依頼する。その夜、ヨコハマが不思議な霧に包まれる。霧の中、武装探偵社に向かった中島敦と泉鏡花は、異能力者以外のすべての人間が消えていることに驚く。静寂の中、彼らは意外な敵に襲われ、連続自殺が起きた理由を知ることになる。

本作は、漫画本編『文豪ストレイドッグス』で描かれていない、6年前の「龍頭抗争」について触れられている。「龍頭抗争」の中、中原中也がわざと敵に捕まった太宰治を救い出し、首謀者「白麒麟」と戦うといった内容である。コミカライズ版では、さらにその少し前の、中也と太宰のやり取りと中也が太宰の居場所を特定したいきさつも描写されている。これは、スマートフォン向けゲーム『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』のシナリオイベント「DEAD APPLE前日譚 DRAGON HEAD」の第2話にあたる。また、中島と澁澤の因縁といった本編では描かれていない過去も明かされている。