概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
朧少将 (おぼろしょうしょう)
少々天然ボケが入っており、友人や知人には朧少将と呼ばれる青年。本名不明で、のちに中将となる。お金持ちのため、なにも考えずに鬼姫を養うことを決め、無理やり鬼の父御から引き離して、鬼姫を連れ帰ってきた。また松雄が生まれてからは甘い養父となり、彼にちゅーされるとなんでも言うことを聞いてしまう。
鬼姫 (おにひめ)
朧少将が鬼の父御のもとから奪うように連れ帰ってきた姫。少女の頃は朧少将のことをお兄様と呼び、ほのかな恋心を抱いていた。しかし、成長すると幼い恋心を捨て、堅実に別の男性を選び、松雄を生む。松雄を産んだ後に盗賊に襲われ、盗賊を食らってしまってからは、京から姿を消した。
鬼の父御 (おにのててご)
朧少将が山中で出会った鬼姫の父親。鬼らしく強面で、威圧感のある風貌と姿をしている。朧少将に一瞬の隙をつかれて娘をさらわれてしまう。後にガマガエルの姿で朧少将の元へ現れ、娘を返してほしいと懇願する。鬼姫を心配し「人の情など知れば、かえって娘が悲しむ」と語った。
悪友 (あくゆう)
本名、官職不明の青年。作中では悪友とだけ明記されている。陰陽術を使えるが、あくまで趣味の範囲で、生業としてるわけではない。鬼姫が朧少将の家にきてから結界を張ったり、狸が人に化けていることを知る。朧少将の悪友として裏で動く。
松雄 (まつお)
鬼姫が産んだ子供で、のちに陰陽師になる。天真爛漫で鬼姫から生まれたこともあって、妖しに近いが動物に似た奇しにも怖気づかない性格で、一緒に遊ぶような子供。奇しの者と仲良くなり、桃子のもとに通うが、桃子の心無い言葉によって死んでしまった奇しのために号泣した。
桃子 (ももこ)
身分は低いが、お金持ちの家に住まう12歳の姫君。恋の相手に財力と身分を欲し、花を摘んできたのが松雄だと勘違いすると、朧少将の縁の身分だと思い、松雄を丁寧にもてなすようになる。怖がりで、松雄が花を摘んできたのが奇しであることを話すと、声を荒げて逃げた。
狸 (たぬき)
見た目はたおやかな女性。朧少将が松雄を連れた鷹狩りの際に出会った娘の姿をした狸。朧少将は最後まで狸であることに気づかなかったが、松雄と悪友はすぐに気づいていた。子供を犬に殺され、朧少将に復讐しようと考えていたが、松雄のちゅーによって心が解かれ、朧少将を見逃す。
その他キーワード
妖し (あやし)
鬼など人を襲い食べてしまうものたち。人語を話すものたちが多い。鬼姫や鬼の父御も妖しであり、特に鬼姫は奇しや妖しを呼ぶことができる。鬼姫曰く、「呼ぶと勝手に寄ってくるもの」だそう。
奇し (あやし)
鬼などの妖しよりも低級で、人の悪意のこもった言葉に反応して死んでしまうほど弱い存在。しかし、妖しと違い、人間の里にもわらわらといる存在で、基本的に人間はその存在に気づかないが、松雄などの霊力がある者はその存在に気づく。