星屑の王子様

星屑の王子様

『ヒマチの嬢王』に次ぐ、茅原クレセの連載作品。舞台は現代の新宿歌舞伎町。ホストクラブ「エンペラーファースト」の人気ホストである源リキヤと天使レイを軸に、狂気に満ちたホストの日常をリアルに描いたサディスティックコメディ。小学館「裏サンデー」「マンガワン」にて、2022年12月29日より連載。

正式名称
星屑の王子様
ふりがな
ほしくずのおうじさま
作者
ジャンル
水商売
 
ブラックコメディ
レーベル
裏少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊6巻
関連商品
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ブラックなストーリーをコミカルに描く

本作の舞台となっているのは、不夜城・新宿歌舞伎町。ホストクラブ「エンペラーファースト」に所属する、年間3億5000万プレイヤーのリキヤと、年間2億4000万プレイヤーのレイを中心に、ホストのリアルな日常を描く。その内容は、ガチ恋営業、DV営業といった、ホストの営業方法から、若い女子に風俗や援助交際をさせて貢がせるといったブラックなものまで様々である。モラルに反した残酷な展開も多いが、ポップな絵柄と軽妙な会話で、ホストたちの生き様がコミカルに描かれている点が特徴である。また、掛け(ツケ)を払わない「掛け飛び」の常習者や、美人局(つつもたせ)の未成年女子といった、たちの悪い客についても描かれている。

取材に基づいたリアルなホストクラブ

作者の茅原クレセは、キャバクラ嬢の経験を活かした『ヒマチの嬢王』でデビューした作家である。朝日新聞出版「AERA.dot」掲載(2023年5月12日)のインタビューによれば、キャバクラ時代に、何となくホストクラブについての知識はあったが、取材で実際にホストクラブに行ってみると、システムから接客の感じまで、キャバクラとは全然違ったという。本作は、そんな作者の取材や知り合いのホストから聞いた話がベースになっている。そのため、ホストクラブの役職の種類や、昇進式の様子、「一本釣り(太客(ふときゃく)一人に大金を使わせる)」「鬼枕(頻繁な枕営業)」「被(かぶ)りの人(同じホストを指名している客)」といった注釈つきの業界用語など、非常にリアルな描写が特徴となっている。

本作執筆のきっかけ

講談社「FRaU」掲載(2023年7月30日)のインタビューによれば、本作執筆のきっかけは、「ホスト人気が高まっていて、危険なブームだと感じていた」ことだという。「SNSが発達して内情が簡単に見えるように」なり、ホストクラブに「気軽に足を踏み入れられるようになった」ことから、若い子などライトな層にも広がっている。だから、オレオレ詐欺の手口を知っている人が多いように、「ホストの手口に関する情報も事前に得ることができたら、知らずにハマって不幸になる人をだいぶ減らせる」という気持ちだった。そんな動機から始まった連載だが、意外にもホストたちからも好評だという。もちろん、ホストの世界を知らない人からの反響もあり「作品を通じて知らない世界を垣間(かいま)見るという意味では役に立っているのかな」と感じている。

登場人物・キャラクター

源 リキヤ (みなもと りきや)

新宿歌舞伎町のホストクラブ「エンペラーファースト」の代表を務める男性。3億5000万円を売り上げるエースホスト。金髪のイケメンで、売り上げのためなら非道なことも平気で行う冷血漢である。弟の学費と自分の店の開業資金のためにホストになったが、オーナーの銀治にはめられて、ホストクラブから抜け出せなくなった。4億3000万円を売り上げる、ダーリングループの秋瀬ツバキをライバル視している。レイとは、大阪時代からの知り合い。

天使 レイ (あまつか れい)

大阪の系列店から、新宿歌舞伎町のホストクラブ「エンペラーファースト」に異動してきたホストの男性。2億4000万円を売り上げる凄腕(すごうで)。女の子のように可愛い容姿とは裏腹に、エグい取り立てや営業を行う。リキヤが大阪にいた頃からの知り合いで、仲が良くいつも一緒にいる。

書誌情報

星屑の王子様 6巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2023-05-12発行、 978-4098520756)

第2巻

(2023-09-12発行、 978-4098528264)

第3巻

(2023-12-19発行、 978-4098530625)

第4巻

(2024-04-18発行、 978-4098532087)

第5巻

(2024-08-19発行、 978-4098535309)

第6巻

(2024-11-19発行、 978-4098537051)

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