カイタン

カイタン

ホストとしては鳴かず飛ばずだった一人の男が、回収担当となり、一癖も二癖もある女性客達から「カケ」を切り取っていく。さいたま市を舞台に、ホストクラブの裏側を描く裏社会の物語。「ヤングマガジン」2009年44号から2010年38号にかけて連載された作品。

正式名称
カイタン
作者
ジャンル
水商売
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
全5巻
関連商品
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あらすじ

回収担当・朝倉仁誕生(第1巻)

ホストクラブ「CLUB Face」に所属する朝倉仁は、ホストとしてまったく人気が上がらず、後輩達にもバカにされていた。2年という節目を目前に、社長の片瀬銀次からホストを辞めるよう示唆された仁は、ヤケになって借金を重ね、自腹で230万円を売り上げる。その帰り道、仁は、片瀬から借金を肩代わりする条件でホストを辞めて、「カケ」の回収担当に任命されるのだった。早速、回収担当として時塚黒の依頼を受けた仁は、客の女が差し向けた男を返り討ちにし、見事回収を成功させる。この事実に、仁は在籍して初めて達成感を感じ、回収担当を続けようと決意する。そんな中、仁は後輩の水神涼の依頼を受けるが、その途中で涼の冷酷な営業方法を目の当たりにし、以後、事あるごとに意見が対立するようになる。

乱舞と蓮と黒(第1巻~第2巻)

平成21(2009)年2月期の決算会(給料日)において、時塚黒が11か月連続で売り上げNo.1だったと発表された。その壇上で、黒はV12達成を宣言して幹部ホスト達を挑発。そんな彼に、過去、時東茜を巡る因縁を持つ殿咲乱舞は、殺意を向ける。乱舞は犯罪請負ビジネスを展開している市川蓮と共謀し、黒を殺そうと画策。蓮が派遣した外国人に黒が拉致される瞬間を偶然目撃した朝倉仁は、黒を助けるため、そのあとを追う。

十島組登場(第2巻)

時塚黒のV12達成阻止を目論む殿咲乱舞は、自身の誕生日イベントで黒に迫る売上を上げていた。営業後、片瀬銀次より店のテナント料を振り込むよう命じられた朝倉仁は、ATM操作に苦戦しているスキに、店のテナント料を二岡勇に持ち逃げされてしまう。そんな危機的状況の中、乱舞から「カケ」の回収の依頼が入る。本日中に全額回収できれば報酬を25%から40%に上げてもらう約束を取りつけ、盗まれたテナント料を穴埋めするため、仁は奔走する。順調に回収をこなしていく仁は、いよいよ最後の一人である、心菜のもとを訪ねる。しかし心菜は、暴力団「十島組」組員、折原慎二の妹であった。「十島組」の事務所に通された仁は、そこでテナント料を持ち逃げした二岡と再会する。「カケ」をチャラにするよう脅す折原と、盗んだテナント料をしらばっくれて仁を犯そうとする二岡。その騒ぎを聞きつけて現れた大島雄大は、仁の在籍店を聞くや否やゴルフクラブで二岡と折原を打ちのめし、心菜の「カケ」を肩代わりして、盗まれたテナント料も仁に返すよう指示するのだった。

平成21年3月期締日(第2巻~第3巻)

遂に時塚黒のV12達成を賭けた締日がやって来た。黒が決算会で挑発したため、その日は幹部ホストの卓を中心に、高額ボトルのオーダーが飛び交う営業となった。そんな中、何としてでもNo.1になりたい殿咲乱舞は無理なオーダーを煽るが、それに対して客が怒って帰ってしまう。そこへ、会社経営者を自称する女性が突然新規で来店し、乱舞を指名。高額ボトル数本がオーダーされ、No.1が見えた乱舞は調子に乗りまくる。しかし結果は、10分だけ来店し、1100万円の超高額ボトルをオーダーして帰った時東茜のお陰で、結局黒がV12を達成することとなった。絶望に打ちのめされる乱舞は、さらに新規で来店した女社長が黒の仕込みであったのを立ち聞きしてしまう。怒りに我を忘れた乱舞は黒の腹をナイフで刺し、そのまま姿を消すのだった。

倉本サトシ登場(第3巻~第4巻)

ホストクラブ「CLUB Face」の面々は、カリスマホスト、時塚黒の入院と、人気ホスト、殿咲乱舞の退店を知らされて動揺するものの、どうにか通常営業に戻っていた。そんなある日、朝倉仁は路地裏でレンガを振り回して喧嘩する倉本サトシに遭遇する。仁は、戦意喪失している相手になおも殴りかかろうとするサトシを、腕尽くで止めて諭し、一方のサトシはそんな仁の姿に憧れ、仁を追いかけて「CLUB Face」に入店する。仁はサトシの教育係に任命され、彼の面倒を見るようになる。

それから2週間後。キャッチの様子を見に行った仁は、サトシが、ホストクラブ「Club Nero」の太陽や孝介らと揉めている場面に遭遇する。仁が土下座して、その場はおさめたものの、そんな仁の姿に納得のいかないサトシは、次第に彼と距離を取り始める。後日、太陽に電話で仁をバカにされたサトシは怒りを爆発させ、金属バットを持って「Club Nero」に殴り込む。

CLUB Face vs Club Nero(第4巻~第5巻)

朝倉仁は、桐島晋也から片瀬銀次をホストクラブ「Club Nero」に寄越すよう連絡を受けるが、あいにく片瀬は不在であった。そこで、仁は倉本サトシから事情を聞こうと、単身「Club Nero」に出向く。そこで、全裸で手足を縛られ、ボコボコにされて気絶しているサトシを見た仁は、その場にいる全員に喧嘩を売って殴りかかる。仁は椿と壮絶なタイマンを繰り広げるが、目を覚ましたサトシに止められ、そこに暴力団「十島組」の大島雄大が登場。大島は自身が「Club Nero」のオーナーであると明かし、ホストクラブ「CLUB Face」側の片瀬と真鍋秀臣の到着を待ち、責任の所在を決める話が展開される。結果として仁とサトシは解雇処分、身柄は「十島組」に拘束されることとなった。ここで大島は仁に対し、サトシの責任を問わないという条件で、「今回の殴り込みは真鍋の指示である」と、「講談会」執行部の前で証言するように強要。さらにその後、大島は片瀬との話し合いにおいても、かつて仁が折原慎二の妹から「カケ」を回収した時の防犯カメラの映像をネタに言い掛かりをつけ、二岡勇と折原の怪我を偽装し、2億4000万円もの金額を請求する。そして現金がなければ、「CLUB Face」の権利書を渡すよう要求するのだった。

5日間(第5巻)

片瀬銀次大島雄大の話し合いが終わり、朝倉仁倉本サトシは解放された。仁は暴力団「講談会」執行部を前に証言させられたことを謝罪するため、ヤクザ組織「金餅組」を訪ねるが、そこで聞かされたのは、片瀬が大金を用意しないといけないこと、そして「金餅組」と「講談会」のあいだで抗争が起こることであった。早速その日の夜、「講談会」傘下の「十島組」のヒットマンが真鍋秀臣を殺害。怒りに燃える「金餅組」に、満身創痍のサトシが自らの行為のケジメをつけるために姿を現す。

一方、入院中の時塚黒のもとには殿咲乱舞が訪れていた。乱舞の謝罪を受け入れて和解した黒は、以前自分の命を救ってくれた仁を助けてほしいと、乱舞に頼む。その後、合流した仁と乱舞は市川蓮に誘導され、「十島組」組長が入院している病院を訪れる。そこで二人は、「十島組」の実権はすでに大島が握っており、十島自身に影響力がないことを知る。だが、十島は、ヤクザ者の喧嘩で若者が犠牲になるのをよしとせず、真鍋の通夜に現れ、切腹をして大島の暴走を詫び、手打ちを願って絶命する。

同時刻、人気のない場所で片瀬と大島が対峙する。過去にシノギで下手を打った頃から成長してないと指摘された大島は、怒りに任せて片瀬を殺害。片瀬の死亡を知って怒りに燃える仁は、乱舞や水神涼と共に蓮から銃を調達し、大島のもとへ向かう。その頃、「十島組」には、「講談会箱船一家」から絶縁状が送られていた。

登場人物・キャラクター

主人公

ホストクラブ「CLUB Face」に所属する男性。年齢は21歳。リーゼント頭に3ピースのスーツを着用し、ジャケットを羽織らずベスト姿でいることが多い。2年間ホストを務めたもののまったく人気が上がらずに... 関連ページ:朝倉 仁

ホストクラブ「CLUB Face」の代表の男性。年齢は19歳。入店3か月目にしてNo.1の座に就き、代表に就任した。ちなみに、体験入店した際には、朝倉仁に世話をしてもらっている。当初は仁をバカにした言... 関連ページ:時塚 黒

ホストクラブ「CLUB Face」のオーナーを務める男性。年齢は30歳。過去にヤクザ組織「金餅組」に所属していた。当時は大島雄大と兄弟分で、大島がシノギで失敗した責任をかぶってヤクザから足を洗い、堅気... 関連ページ:片瀬 銀次

ホストクラブ「CLUB Face」で主任を務める男性。年齢は20歳。No.3の座をキープしているやり手ホスト。店内でのキャッチフレーズは「CLUB Faceの爆弾小僧」。肌が黒く目の下に星、首と胸元に... 関連ページ:殿咲 乱舞

ホストクラブ「CLUB Face」で常務を務める男性。年齢は25歳。落ち着いた熟練した営業スタイルでNo.2の売り上げを誇る。時塚黒が現れるまではNo.1だったため、態度には出さないが、黒を疎ましく思... 関連ページ:市川 蓮

ホストクラブ「CLUB Face」で幹部補佐を務める男性。年齢は21歳。つねにサングラスを着用している。初登場時はNo.5だったが、翌月はNo.4に上がっている。ヤクザ組織「金餅組」の組長である真鍋秀... 関連ページ:水神 涼

ホストクラブ「CLUB Face」に所属する男性。年齢は18歳。路地裏で喧嘩した際、戦意喪失した相手をさらに痛めつけているところを朝倉仁に止められ、仁の器量に惚れて「CLUB Face」に入店した。ヤ... 関連ページ:倉本 サトシ

ホストクラブ「Club Nero」のオーナー。暴力団「講談会箱船一家十島組」の若頭を務める男性。年齢は31歳。黒髪の短髪で、色の薄いサングラスをかけている。もとはヤクザ組織「金餅組」に所属しており、片... 関連ページ:大島 雄大

ゲイのヤクザの男性。年齢は29歳。坊主頭で危ない目つきをしており、首筋に「純国産」というタトゥーを入れている。暴力団「講談会箱船一家十島組」の舎弟頭を務め、立場的には大島雄大の部下にあたる。薬物の販売... 関連ページ:二岡 勇

モモ

ホストクラブ「Club Nero」代表の男性。年齢は20歳。長髪にヘアバンドを着用し、中性的な顔立ちをしている。隣に座っている桐島晋也が蹴り飛ばされた際にも、まったく動じない肝の太さを持つ。暴れて興奮している東条椿を一声で制するなど、その求心力も強い。

桐島 晋也

ホストクラブ「Club Nero」で専務を務める男性。年齢は23歳。知的な佇まいで、パソコンを得意としており、店の財務を担当している。役職持ちではあるが、部下の東条椿にも舐められており、椿が興奮して暴れた際にも、たしなめはするものの、まったく制御できない。

ホストクラブ「Club Nero」で主任を務める男性。年齢は21歳。顔面はピアスだらけで、顎にタトゥーを入れている。変態的に暴力好きな武闘派ホスト。「Club Nero」が倉本サトシに殴り込まれた際に... 関連ページ:東條 椿

ヤクザ組織「金餅組」で五代目組長を務める男性。年齢は68歳。白髪をオールバックでまとめ、ひげを蓄えている。昔気質の組長で情に厚く、かつての子分だった片瀬銀次と大島雄大の不仲を心配している。特にヤクザか... 関連ページ:真鍋 秀臣

暴力団「講談会箱船一家十島組」に所属する男性。年齢は27歳。髪型はパンチパーマでサングラスをかけ、恰幅の良い体型をしている。妹の心菜が殿咲乱舞の客で、180万円の「カケ」を作っており、乱舞の依頼を受け... 関連ページ:折原 慎二

キャバクラに勤める女性。水神涼の顧客。福島県出身で年齢は20歳。地元からの親友である彩乃と同じ店で働いていた。涼に惚れているが、その気持ちを利用されて200万円もの「カケ」を背負わされ、朝倉仁が回収の... 関連ページ:千秋

かつて時塚黒と殿咲乱舞が新人の頃、ホストクラブ「CLUB Face」に新規で訪れた女性客。職業は学生。初めはフリーで来ていたが、乱舞と本気で付き合うようになり、店には来なくなった。実は大手ゼネコン会長... 関連ページ:時東 茜

ホストクラブ「Club Nero」に所属するホスト。ミディアムな黒髪に浅黒い肌というチャラい風貌をしている。同僚の孝介と行動を共にしていることが多い。他店のホストが声をかけている最中に割って入るなど、... 関連ページ:太陽

集団・組織

金餅組

さいたまを拠点とする、昔気質な一本独鈷(どっこ)のヤクザ組織。現在5代目となる組長は真鍋秀臣が務めている。過去に大島雄大、片瀬銀次が所属していた。ホストクラブ「CLUB Face」のバックに付いている組織で、真鍋と片瀬はよく食事などを共にして情報交換をしている。

講談会

かなりの勢力を誇る広域暴力団。傘下に「箱船一家」があり、大島雄大が所属する「十島組」のほか、「尾原組」や「友長組」がその下部組織として存在する。「金餅組」組長、真鍋秀臣と「十島組」組長、十島は仲が良く、大島が「十島組」に所属するようになったのも、真鍋の口利きによるもの。

場所

CLUB Face

第7アートビルに店を構えるホストクラブ。オーナーは片瀬銀次が務め、朝倉仁が在籍する。時塚黒をはじめ幹部連中の売上はかなり高く、近隣のホストクラブでは流行っている店である。そのため大島雄大から店の経営権... 関連ページ:CLUB Face

Club Nero

暴力団「講談会箱船一家十島組」直営のホストクラブ。大島雄大がオーナーを務めている。店の開店資金は約6000万円。モモが代表を務めている。太陽や孝介など在籍する下っ端のホストのマナーが悪い。それなりに流... 関連ページ:Club Nero

その他キーワード

色恋

客を自分に惚れさせ、恋心を利用して金を使わせるという営業方法。「色恋営業」のこと。主に依存心を最大化させる方法がポピュラーだが、中には実際に付き合って恋人を演じる者もいる。友達のように接する「友達営業」に比べ、ホストと客の距離が縮まるため、使う金額が跳ね上がる。

カケ

売り上げとして計上されているが、まだ入金が確認されていない未収売上金。客がカケを払わずに消えた場合、担当ホストに店への支払い義務が生じるため、「カケで潰れるホスト」があとを絶たない。中には売り上げ目的... 関連ページ:カケ

書誌情報

カイタン 全5巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉 完結

第1巻

(2010年1月6日発行、 978-4063618587)

第2巻

(2010年4月6日発行、 978-4063618839)

第3巻

(2010年6月4日発行、 978-4063619041)

第4巻

(2010年8月6日発行、 978-4063619256)

第5巻

(2010年10月6日発行、 978-4063619546)

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