概要・あらすじ
渋谷のホストクラブ「プラチナ」に一人の男が面接に訪れた。暗く、醒めきった目を持つ青年・義之。無口で純朴な彼はどう見てもホストには向いていないように思われたが、プラチナのオーナーかつナンバーワンホストの拓だけは、義之の眼に特別なものを感じ、彼を入店させることに。拓からじきじきに手ほどきを受けた義之は、ホストとしての才能に開眼。
トップへの道を登り始めるのだった。
登場人物・キャラクター
義之 (よしゆき)
18歳。クラブプラチナのホスト。少年のような端正な顔立ちと、暗く醒めた眼を持つ青年。胸には大きな手術痕が残っている。過去のある出来事から心に深い傷を負い、プラチナを訪れた。ホストには向かないと思われていたが、拓だけは義之の眼に特別なものを感じ、彼を入店させた。 拓の手ほどきを受け、ホストとしての才能が開花。情を捨て、美しい立ち居振る舞いと細やかな気配りを武器に、頭角を現していく。ナンバースリーの圭介との売り上げ争いに勝利し、ナンバーツーの座にまで上り詰めた。ヘルプとして成長した同期の隆のサポートを得て、盤石の地位を築いていく。はじめは無口で暗い印象だったが、徐々に感情を見せるようになっていった。
隆 (たかし)
18歳。田舎から出て一旗上げることを目指し、プラチナに入った。義之、翔とは同期。肥満体型でルックスもよくないため、イジメられ役である「犬」扱いされていた。一時はホストを辞めようとしたが、義之に「スーパーヘルプになる」という目標を与えられ店に残ることを決意。 義之のヘルプとして成長していく。実は喧嘩が強く、海斗が逃走した際は、彼を力ずくで取り押さえた。
翔 (しょう)
18歳。クラブプラチナのホスト。ナンパ師のギャル男。金のためにプラチナに入店した。義之、隆とは同期。入店してすぐにホストとしての才能を見せた義之の存在に焦りを感じている。義之と圭介の売り上げ争いの際は、圭介の派閥に入った。圭介が去った後は、義之たちとやや疎遠となる。
拓 (たく)
25歳。クラブプラチナのオーナーで、同店のナンバーワンホスト。月収1300万円。17歳のとき夜の世界に入り、以来ずっとナンバーワンの地位を守り続けているカリスマ。客と寝ることはあっても、決して挿入はしないというルールを己に課している。義之にホストの才能を感じとり、さまざまなアドバイスを行っている。
龍二 (りゅうじ)
クラブプラチナの支配人で、同店のナンバーツーホスト。月収400万円。若かりし頃、拓に拾われて以来、彼に付き従い、拓の右腕にまで上り詰めた。店では新人の教育を行っており、出来が悪い者には手をあげることも少なくない。拓を崇拝しており、拓に気にかけられている義之のことを若干面白くなく思っている。
圭介 (けいすけ)
22歳。クラブプラチナの専務で、同店のナンバースリーホスト。現役の大学生でもある。月収200万円。多くのホストを従え、自分の派閥を作り上げている。事前に客の情報を収集し、運命を演出し客を落とすテクニックを得意とする。義之と激しい売り上げ争いを演じたが敗北し、プラチナを去った。
海斗 (かいと)
18歳。クラブプラチナのホスト。翔たちの後輩。ホストになる前は、ヤミ金で働いていた。義之と圭介の売り上げ争いの際は、圭介の派閥に入った。しかし、義之をリンチしたことで圭介に体罰を受け逆上。暴走し、美々を強姦したうえ店の金を奪って逃亡してしまう。
五奏 (ごそう)
クラブプラチナのホスト。義之たちの後輩。元ホームレス。喧嘩っ早い性格の問題児。ルックスはいいが、女嫌いという致命的な弱点がある。
十吉 (とおきち)
クラブプラチナのホスト。義之たちの後輩。モテたいがためにホストとなった。お調子者で、何かと問題を起こすトラブルメーカー。
江藤 (えとう)
センター街を縄張りとする暴力団・関東伊香会桂田組の構成員。クラブプラチナのケツもち。義之の眼に拓と同じものを感じ、義之は一流になると評した。
沙羅 (さら)
18歳。一流クラブのナンバーワンホステス。月収1000万円。拓の上客で、彼に月100万円以上落としている。拓に命じられ、義之の初体験の相手となった。
進藤 真実 (しんどう まみ)
スタイル抜群の美女。義之が初めてのキャッチでつかまえた客で、義之の最初の指名客となる。モデル事務所に入っていたが、元彼の借金返済と義之をナンバーワンにするため、高級ソープで働くことを決意した。
和 (ほのか)
中年の女性。通称「ブラックリストの和」。安い初回料金目当てにホストクラブを渡り歩き、ホストにすぐ店外デートを持ちかけるうえに難癖をつけて強請りを繰り返しており、業界では悪名高い。義之に目を付けるも、彼の誠実な態度に感銘を受け、彼の指名客となる。
美々 (よしみ)
天真爛漫な少女。あだ名はミミ。ヤクザにからまれていたところを義之に助けられ、彼の部屋に居候することとなる。単なる家出娘かと思われていたが、実は美容系ブランド・神津ブランドのオーナー、神津百年子の娘。義之は百年子が一ヶ月間イタリアに行っている間、ミミの監視を依頼されていた。
綾乃 (あやの)
高田馬場のマッサージ店で働く女性。髪型は三つ編みで眼鏡をかけており、垢抜けないルックス。実家は青森。出会いカフェで隆と出会い、互いに惹かれあうようになる。田舎から出てきたばかりのころ出会った暴力男に、体を売って客を取ることを強要されている。
アユ
渋谷で援助交際を繰り返していた女子高生。義之の心臓病の治療費を稼ぐために自分の身体を犠牲にし、命を落とした。義之が常にしているネックレスは、彼女からのプレゼント。
場所
クラブプラチナ
『Deep Love Real』に登場する店。渋谷にあるホストクラブ。オーナーは拓。在籍者数は50人以上。一度寝た女性は店に金を落とさなくなる、という理由で枕営業を禁止している。