虎王の花嫁さん

虎王の花嫁さん

原田唯衣の代表作。新宿区歌舞伎町を舞台に、ホストクラブ「Lilly」のオーナーである「彩虎」こと高野瀬彩と、Lilly創設者の娘・高野瀬凛花の結婚生活や関係性の変化を描いた純愛ラブストーリー。互いに自信を持てずにいる凛花と彩の気持ちのすれ違いや、それに伴うアクシデントを乗り越えようと奮闘する二人の姿が見どころとなっている。小学館「ベツコミ」2023年2月号から掲載の作品。

正式名称
虎王の花嫁さん
ふりがな
とらおうのはなよめさん
作者
ジャンル
水商売
 
恋愛
レーベル
フラワーコミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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No.1ホストと女子大生の新婚生活

高野瀬凛花の父親が急逝し、彼が経営していたホストクラブ「Lilly」の存続が危うくなり、凛花は心を痛めていた。しかしひそかに思いを寄せていた店のNo.1ホスト・高野瀬彩がオーナーを引き継ぐことになり、さらに彩からプロポーズされて結婚した。二人の新婚生活は一見すると順調で、店のスタッフや凛花の友人からも似合いの夫婦と羨ましがられている。だが、凛花と彩は互いに自己肯定力が低いという欠点があり、円満な関係を築けずに悩んでいた。

愛する人のため離婚を決意

高野瀬凛花は4年前に高野瀬彩と出会って以来、ずっと思いを寄せていた。しかし彩がカリスマホストであることから、自分と釣り合う相手ではないと考えていた。そんな中、ホストクラブ「Lilly」のオーナーである父親が亡くなると、オーナーを引き継いだ彩からプロポーズされ、突然夫婦になる。凛花は降って湧いたような幸せを享受する一方で、彩がなんらかの思惑があってプロポーズしたのではないかと考えており、遠慮からキスもできずにいる。さらに、自らの存在が彩を縛り付けているという妄想にとらわれ、彩に何も伝えないままに身を引く準備を進めていた。この、よく言えば献身的、悪く言えば独りよがりな凛花の思考は、彩をはじめとする周囲の人々を混乱させる要因となっている。

愛情表現が苦手な二人

高野瀬彩は幼い頃から虐待を受け続けており、15歳の時に家出をした。それからは、美しい容姿を生かして援助交際まがいの行為に手を染め、自分はいつ死んでもいいと思うほどに荒んだ生活を送っていたが、高野瀬凛花や凛花の父親と出会ったことで救われる。彩にとって二人は何よりも大切な存在で、凛花にプロポーズしたのも純粋に彼女を思うがゆえの行動だった。しかし幸せな家庭を知らずに育った彩は、凛花と結婚した今も自分に自信を持てず、自分が必要以上に凛花に干渉すると迷惑がかかるのではないかと悩んでいた。また、彩はホストだったことから女性に接することは演技だと割り切っており、心から人を好きになることを恐れている節がある。そのため凛花のことを愛していながら、感情を表に出すことはない。この振る舞いによって凛花が彩に遠慮がちになり、彼女が離婚を考える遠因となっている。

登場人物・キャラクター

高野瀬 凛花 (たかのせ りんか)

歌舞伎町のホストクラブ「Lilly」の創設者の娘。高野瀬彩とは4年前からの知り合いで、2か月前に父親が急逝すると、その後を継いでオーナーになった彩からプロポーズを受け、結婚する。大切にしてくれる彩を心から愛しているが、かつてはNo.1ホストとして栄華を極め、引退後も絶大な人気を誇る彩と、前オーナーの娘でしかない自分とは釣り合いが取れないと考えており、プロポーズも何か裏があるのではないかと不安を抱いている。ある日、父親から彩に宛てた手紙を見つけ、娘を彩に託す旨の内容が記載されていたことを知ると、彩が義務感で自分と結婚したとカンちがいしてしまう。このことから、愛している人の自由を奪うことをよしとせず離婚を決意するが、その一方で恋心を消すこともできずに苦悩している。

高野瀬 彩 (たかのせ あや)

高野瀬凛花の夫で、歌舞伎町のホストクラブ「Lilly」のオーナーを務める青年。店では「彩虎」の源氏名で呼ばれている。かつては店のNo.1ホストで、一晩で7000万の売り上げを達成したこともある。しかし創設者で凛花の父親が亡くなると、彼の遺言に従ってオーナーとなり、ホストを引退し、その場で凛花にプロポーズして結婚した。自分に居場所をつくってくれた凛花の父親と、いつも励ましてくれる凛花に感謝しており、高野瀬彩自身にとって二人は特別な存在となっている。そのため凛花を心から大切に思っており、独占欲に近い感情を抱くこともある。また、恵まれない生い立ちから自己肯定力が低く、人間関係に対して懐疑的でもあることから、自分から愛していると素直に告げることができず、凛花に愛想をつかされても仕方ないとも考えている。

書誌情報

虎王の花嫁さん 4巻 小学館〈フラワーコミックス〉

(2023-07-26発行、 978-4098723515)

第2巻

(2023-09-26発行、 978-4098723522)

第3巻

(2024-02-26発行、 978-4098724895)

第4巻

(2024-06-26発行、 978-4098725830)

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