概要・あらすじ
成海寧々は銀座にあるクラブ「MUSE」でホステスとして3年も働いているが、かつて「伝説のホステス」と呼ばれていた母親と何かにつけて比べられることにプレッシャーを感じていた。そんなある日、寧々は街で新人役者の鷺宮南央が役作りのために男娼のまねごとをしているところに遭遇し、突然身体を触られてしまう。戸惑いはしたものの、南央に不思議な懐かしさを感じるのだった。
その日の夜、同伴した客から変態プレイを強要されそうになった寧々は、南央にもらった電話番号に助けを求める。
登場人物・キャラクター
成海 寧々 (なるみ ねね)
銀座のクラブ「MUSE」でホステスとして働いている女性。20歳の時から銀座で働き始め、今年で3年になる。ドジで、一生懸命やろうとするとよけいに空回りしてしまう、要領の悪いタイプ。今は亡き母親はかつて「伝説のホステス」と呼ばれた存在で、彼女と比べられるプレッシャーに押しつぶされそうになっている。母親の過去の恋人である太賀龍一に片想いをしていたが、鷺宮南央と出会い強烈に惹かれていく。
鷺宮 南央 (さぎみや なお)
新人役者の青年で、アルバイトで生計を立てながらあちこちのオーディションを受け続けている。背が高く筋肉質で、以前は複数の女性と付き合っていたほど女性にモテる。成海寧々に惹かれてからは女性関係をすべて清算するなど、一途なところがある一方で、独占欲が強く、寧々のことになると理性を失ってしまう。父親である太賀龍一を嫌っており、親子とバレないために芸名は「南央」を使っている。
太賀 龍一 (たが りゅういち)
鷺宮南央の父親で、人気俳優。南央のたっての希望により、世間的には親子関係を秘密にしている。かつて成海寧々の母親の成海貴子と恋人関係にあり、貴子が病気で他界した後も忘れられないでいる。太賀龍一は芸名であり、本名は「鷺宮龍一」。
成海 貴子 (なるみ たかこ)
成海寧々の母親で、既に故人。学生結婚して20歳で寧々を生んだが、5年後に離婚。生活のためにホステスを始めて女手一つで寧々を育て、「伝説のホステス」と呼ばれるまでになった。のちに太賀龍一と恋人同士になり、30歳を過ぎてから銀座のホステスを引退して鎌倉で小さなカフェを経営していたが、病気により他界した。
諏訪 幹也 (すわ みきや)
成海寧々が在籍する銀座のクラブ「MUSE」で黒服として働く男性。父親が成海貴子の働いていた店のオーナーだった縁から、寧々とは幼なじみ。年齢は寧々より1つ年下で、実は寧々の初体験の相手でもある。子供の頃から寧々が好きで、母親がホステスをしているせいで周囲に白い目で見られ、苛められていた寧々のことを助けていた。
元美 (もとみ)
成海寧々が在籍する銀座のクラブ「MUSE」のNo.1ホステス。寧々よりも先輩で、和服を着ていることが多い。仕事ではドジな寧々がヘルプに付くことを嫌がっているが、実は人情派なところがあり、悩める寧々を叱咤激励することもある。
サエコ
成海寧々が在籍する銀座のクラブ「MUSE」のNo.3ホステス。自分の客である荒川を寧々に取られたことを逆恨みし、寧々に何かと嫌がらせをする。のちに寧々と売り上げ勝負をし、負けたことで店から去る。
ミカ
成海寧々が在籍する銀座のクラブ「MUSE」のホステス。寧々に同伴の成績を抜かれたことを逆恨みし、ドレスを破いたり客の前で嫌がらせをしたりなど意地悪をするが、やがて互いに認め合い、良きライバルとなる。
こうの 聖 (こうの ひじり)
鷺宮南央と「ファイターズ・ゴースト」という映画で共演した、色っぽさが売りの女優。女王様気質で、わがままを言っては周囲を振り回す。南央のことを気に入り、プライベートでの付き合いを望んでいる。
荒川 (あらかわ)
高級宝飾時計ブランド「キアラ」の専務を務める男性。真面目な仕事人間だが、少々不器用なところがある。元はサエコの客だったが、成海寧々の接客に感動し、寧々をひいきにするようになる。
神木 アヤ (かみき あや)
女優としても活躍中の、新人の女性アイドル。話題作りのために鷺宮南央と寝ようとしたり、わざと写真週刊誌に撮らせようとするなどしたたかなところがある。南央が自分にまったくなびこうとしない理由は成海寧々にあると知り、銀座のクラブ「MUSE」に来店して嫌がらせをするが、寧々に圧倒されて素直に負けを認める。
場所
MUSE (みゅーず)
成海寧々らが働いている銀座のクラブ。店舗は、銀座の並木通りに面したビルの6階に構えている。ホステスには月に5回の同伴ノルマがあり、クリアできないとペナルティが課せられる。