春風にようこそ

春風にようこそ

伊豆にある小さな民宿「春風」で姉妹と暮らしている高校生の少年が、民宿を訪れるさまざまな事情を抱えた訪問者と、麻雀や何気ない会話を通じて交流をしていく、心温まるヒューマンドラマ。

正式名称
春風にようこそ
作者
ジャンル
麻雀
レーベル
近代麻雀コミックス(竹書房)
巻数
全1巻
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あらすじ

第1巻

伊豆で寂れた民宿「春風」を営む家族と暮らす少年、春海勇介は、学業のかたわら、民宿の手伝いや家事に追われる、忙しい日々を送っていた。ある日、一部上場会社に勤める若いサラリーマンの三人組が「春風」に宿泊。婚期を逃して焦る春海白雪が、彼らに付きっ切りになってしまう。(第1話)

3年前の甲子園で活躍し、鳴り物入りでプロ入りしたものの、現在はぱっとしないプロ野球選手の宇藤が「春風」に宿泊する。海沿いの堤防で一人釣り糸を垂らす宇藤のもとに、「春風」の従業員である天野寒三が姿を現す。(第2話)

「春風」の赤字経営に頭を悩ませる春海勇介をよそに、連日遊び仲間と酒盛りや麻雀に興じ続ける春海紅子。ビッグスターになる夢を語りつつ一切努力をせず、刹那的な生き方をする紅子に腹を立てた勇介は、つい「お姉ちゃんがスターになんかなれるわけないでしょ!」と毒づいてしまう。(第3話)

連日麻雀を打ち、自分を構ってくれない春海勇介春海紅子に腹を立て、家を飛び出した春海みどりは、空き地で奇妙な犬を拾う。「春風」に犬を連れ帰り、勇介と喧嘩になった。そのまま飼おうとするみどりの前に、犬の飼い主だという夫人が「春風」を訪問する。(第4話)

伊豆にホテルを建設するため、地元民との交渉にやって来た西崎が「春風」に宿泊する。西崎の娘である西崎静香に一目ぼれした春海勇介は、宿泊中の彼女に付き添い、話し相手になろうとする。(第5話)

伊豆フィリス高校の報道・放送部に所属している、女子高生、有沢美樹による取材を受けた民宿「春風」の従業員一同。取材が一通り終わったところで、春海勇介は美樹を麻雀に誘う。(第6話)

かき入れ時の夏を迎えた「春風」に、西崎静香が若い男女達と一緒にやって来た。連れの男とやたら仲のいい静香の姿を見て嫉妬の炎を燃やした春海勇介は、余興の麻雀で男を叩きのめそうと決意する。(第7話)

春海勇介が最近気になっている、通いつけの雀荘「東風」の娘、斉藤ゆかり。勇介は、宅を囲んでいる際のゆかりの表情と態度から、彼女が自分に好意を持っているか、はたまた単なるお客として見ているのかを考えるという、悶々とした日々を送る。(第8話)

東京からふらりとやって来て、「春風」に宿泊したいかにもワケありげな若い女性。寂しそうな彼女の様子を見た春海紅子は、マンツーマンで彼女の身の上話を聞きだし、力になろうとする。(第9話)

親戚のおばさんに勧められ、お見合いをする春海白雪。28歳の医者で年収は3000万円のハンサムなスポーツマンという、白雪が理想として掲げていた条件に見合うすばらしい男性だった。しかし、お見合いを終えた白雪は、なぜかそんないい話を断ってしまう。(第10話)

伊豆の観光を取り仕切る企業である「伊豆インターナショナル」の二代目社長から、「春風」の買収話が持ちかけられた。同時に二代目社長から言い寄られ、心が揺れ動く春海白雪春海勇介は、白雪と天野寒三の本当の気持ちを探ろうとする。(第11話)

登場人物・キャラクター

春海 勇介 (ハルミ ユウスケ)

伊豆で小さな民宿「春風」を営んでいる一家の長男。年齢は17歳。慢性的な赤字経営に頭を悩ませつつ、民宿の手伝いから掃除、さらには通常の家事に至るまで、なんでもこなしている苦労人の男子高校生。家族思いの優しい性格をしているが、若干気が弱い面があり、二人の姉からは損な役回りを任されてしまう事も多い。一方で麻雀は強く、姉や民宿に宿泊した客の相手をした際には、粘り強い立ち回りで勝利をものにする、優れた打ち手でもある。 出会った女の子をすぐ好きになってしまうなど、少し気が多く、女性に対しては夢見がちな面があるが、作中でその恋が成就する事はなかった。

春海 白雪 (ハルミ シラユキ)

伊豆で小さな民宿「春風」を営んでいる一家の長女。年齢は26歳。両親のいない一家の大黒柱として、民宿を切り盛りしている働き者の女性。明るく元気で、誰からも好かれる優しい性格をしているが、婚期を逃しかけているのを気にしており、若い男性客が宿泊に来ると、つきっきりで接待し、仕事で使い物にならなくなる欠点を持つ。意外と男性にはモテるタイプで、伊豆の観光を仕切る「伊豆インターナショナル」による「春風」買収の話が持ち上がった時には、二代目社長に一目ぼれされ、言い寄られていた。

春海 紅子 (ハルミ ベニコ)

伊豆で小さな民宿「春風」を営んでいる一家の次女。年齢は19歳。つねにレザージャケットを羽織っているロッカー気取りの楽天家。民宿の手伝いを「ポリシーに反する」というロックな理由で放棄しており、仕事のしわよせが春海勇介に向かう一因となっている。ビッグなロック歌手となってBMWを乗り回すのを夢にしているが、夢を実現するための努力は一切しておらず、内心では自堕落な自分の性格を理解している。 その事実を勇介から指摘された時はショックのあまり号泣し、一時的に家出をするなど、ナイーブな面も持つ。好みの男性は「成功者」。

天野 寒三 (アマノ カンゾウ)

民宿「春風」の使用人として働いている男性。年齢は32歳。物静かな性格をしており、愚痴ひとついわず黙々と仕事をこなすため、仕事からプライベートの相談まで、春海勇介には何かと頼りにされている。普段は呑気でボーっとしているが、どんな状況でも焦りを見せず、冷静に周囲を見渡せる心の強さを持つため、麻雀も強い。

春海 みどり (ハルミ ミドリ)

伊豆で小さな民宿「春風」を営んでいる一家の三女。年齢は6歳。優しくおとなしい性格で、民宿の仕事に追われ、汲々としている春海勇介を常日頃から労わり、応援していた。動物が大好きで、空き地で拾った謎の動物であるポンの助をいたく可愛がっている。

西崎

東京から民宿「春風」にやって来た中年男性。民宿のある市にホテルを建設する計画を立てており、伊豆民宿連合を説得しようと、連日市民会館で議論を戦わせていた。強引な手法が地元の反発を買い、計画は暗礁に乗り上げる。しかし、天野寒三のアドバイスで頭を冷やし、妥協点を探る方針へと切り返る。

西崎 静香

東京から民宿「春風」にやって来た少女。父親である西崎に付き添って伊豆まで来て、西崎と地元住民との交渉を陰ながら見守る。おっとりとした優しい性格で、美人なため、気の多い春海勇介から思いを寄せられていた。

有沢 美樹

伊豆フィリス女子高に通う美人の女子高生。報道・写真部に所属しており、自らがキャスターを務める番組「滅びゆく郷愁の世界を訪ねて」の取材で、民宿「春風」を訪れる。気が強く、何事も即断即決する性格。取材後に麻雀の勝負を挑まれ、春海勇介に完敗していた。

宇藤

プロ野球チームの南急に所属する投手の男性。3年前の甲子園で大活躍し、鳴り物入りでプロ入りしたものの、現在は調子を落として二軍落ちしている。引退の考えが脳裏を掠めるほど悩んでおり、気分転換に民宿「春風」にやって来た際に、今の苦しい心境を天野寒三に対して吐露していた。

斉藤 ゆかり

伊豆の雀荘「東風」で店員として働いている、オーナーの娘。宅割れした際には打ち手として入り、お客さんと試合をしている。気の多い春海勇介が思いを寄せており、彼女の表情の変化から、自分への気持ちを読み取ろうとしていた。

ポンの助

空き地でうろついていた謎の動物。性別は不詳。犬とも豚ともつかない奇妙な姿をしており、春海みどりが拾って「春風」に連れ帰った。正体はお金持ちの婦人のもとから逃げ出した、福を呼ぶ「猫」とされる生き物。自由奔放な性格で、とても人懐っこい。

書誌情報

春風にようこそ 全1巻 竹書房〈近代麻雀コミックス〉 完結

第1巻

(1996年7月発行、 978-4812450864)

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