県庁の星

県庁の星

Y県県庁に勤める若きエリート公務員野村聡が職員交流の一環である民間派遣でスーパーへ勤務する事になり、公務員の常識が通用しない職場で奮闘する行政漫画。原作:桂望実、作画:今谷鉄柱。

正式名称
県庁の星
ふりがな
けんちょうのほし
原作者
桂 望実
作画
原作
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
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概要・あらすじ

Y県県庁の若きエリート公務員、野村聡は民間との人事交流プロジェクトに抜擢され、スーパー富士見堂で1年間の民間研修を受ける事になる。しかし、公務員の常識である決まりきった対応が通じない職場で働き、野村聡は己の考えの抜けている部分と、民間の人々の様々な想いを知る。その後、1年間の民間研修を経て再び県庁勤務の日々が戻って来るのだが、今度は潰れかけのテーマパークワイワイらんどを閉園させる目的で現地に派遣される事になる。

登場人物・キャラクター

野村 聡 (のむら さとし)

まだ年若い、成績トップでY県県庁に入庁したエリート公務員。公務員を志した理由は、営業マンでいつ解雇されるか分からない父親を見て、解雇されない職業に就きたかったため。性格は非常に真面目で、融通が利かない。また、誰よりもY県を愛しているという、純粋な面もある。苦手なものは犬。民間との人事交流プロジェクトに抜擢され、スーパー富士見堂へ勤務する事になり、その後ワイワイらんどにも派遣される。

二宮 泰子 (にのみや やすこ)

スーパー富士見堂で働くパートの女性。年齢は30歳。二宮学という息子を持つ、シングルマザー。性格は多少強引で気が強い。県庁から派遣されてきた野村聡の教育係に任命される。店長の清水以上に仕事をこなす為、影では裏店長などと呼ばれている。後に物販担当として、ワイワイらんどで半年間働く事になり、そこで野村聡と再会する。

渡辺 (わたなべ)

スーパー富士見堂で働くパートの男性。野村聡が配属された布団売場の主任。非常に軽薄な性格をしており、業務中は売り場の布団に包まり寝ている。だが、売り場でボヤ騒ぎが起きた際には瞬時に消火して見せるなど、緊急時の対応には強い。

二宮 学 (にのみや まなぶ)

二宮泰子の息子。小学2年生。関西弁で喋る。母親に似て強引で、ちゃっかりした性格。また、ぶっきらぼうな物言いが目立つが、全て母親や自身の大事な人の事を想っての発言であり、年の割にしっかりした面を持つ。

桜井 健一 (さくらい けんいち)

Y県県庁に勤める、野村聡の同期。野村聡と同じく民間との人事交流プロジェクトに抜擢され、スポーツクラブに研修として派遣される。だが、端から民間での研修などやる気は無く、叔父のコネで研修先のスポーツクラブを早々に退職し、その後は所属している課の係長に昇格。最終的には南風涼香の秘書室長に抜擢され野村聡とは真逆の出世街道を驀進する。

清水 (しみず)

スーパー富士見堂の店長。しかしほとんどの実務を二宮泰子に任せており、しかも突然入院して浅野に店長業務代理をさせる等、信頼出来る人物とは言えない。店の統廃合の件を知っていながらパート達には一切伝えておらず、統廃合になった場合も自分は本部に戻る場所があるため、軽く考えている節がある。

浅野 (あさの)

スーパー富士見堂の食品フロア長。店長の清水が入院した際、一時的に店長代理を務める、店の№2的な存在。しかしいざ店長業務をする事になると、自分には権限は無いと逃げ回る等、信頼出来る人物とは言えない。店の統廃合の件を知っていながらパート達には一切伝えておらず、統廃合になった場合も自分は本部に戻る場所がある為、軽く考えている節がある。

曽我部 (そかべ)

野村聡が派遣される事になるワイワイらんどで園長を務めている。自発的に動物の檻の掃除を行ったり、野村聡の出す無謀とも思える提案を『とりあえずやってみよう』と快諾してくれる等、大らかな性格の良き上司である。

事務長 (じむちょう)

野村聡が派遣される事になるワイワイらんどで事務長を務めている。野村聡に仕事を割り当てるのが役目で、その度に職員達から「もっと使える人を派遣してくれ」と文句を言われている。野村聡の出す無謀とも思える提案には否定的な考えを持つが、いざ実行するとなった時は協力を惜しまない。

永沢 エリカ (ながさわ えりか)

野村聡が派遣される事になるワイワイらんどで水族館で水棲動物の飼育担当をしている。厳密に言えば、イルカ以外の水棲生物は園内にいないので、イルカの飼育担当である。海に棲むイルカをプールに束縛しているという罪悪感を感じており、園内で唯一ワイワイらんどの存続に関して否定的な感情を抱いている。

本田 (ほんだ)

野村聡が派遣される事になるワイワイらんどで動物園の仕事を担当をしている。ぶっきらぼうな性格だが、園内の動物達への気遣いは片時も忘れない。根来という名前の彼女が居る。

安城 (あんじょう)

野村聡が派遣される事になるワイワイらんどで主に遊園地の仕事を担当している。その他にも様々な雑務を受け持っており、ワイワイらんどの「何でも屋」と言われている。一際太い眉毛が特徴的。

タエコ

『県庁の星』に登場する動物。野村聡が派遣される事になるワイワイらんどで飼育されているチンパンジーのメス。人のモノマネが得意で、歌を歌うのが特技。彼女にスター性を見出した野村聡は、園内の客の前で歌を披露し、好評を博す。人気者となった彼女のお陰で、ワイワイらんどは念願の経営黒字を達成するが、ある日歌を披露した際に興奮した客目掛けて飛びついてしまい、それ以降良くない噂を立てられるようになってしまう。

坂崎 (さかざき)

Y県日報の記者。体を張って取材をする肉体派。野村聡が派遣される事になるワイワイらんど近郊で起きている事件の噂を聞きつけてきた際に園内関係者を気に入り、目を掛けるようになる。それ以降、ワイワイらんどで起きた珍事(主に野村聡の)を記事にして、客引きに一役買ってくれる。

丹波 銀之助 (たんば ぎんのすけ)

野村聡が派遣される事になるワイワイらんどの客。自称『優良リピーター』。だがその実、自販機を蹴ったり、園内の客に不吉な事を吹聴して回る等、素行が悪い。ワイワイらんどの欠陥について知っているらしく、それを聞き出すべく野村聡は彼の勝手な行動に振り回される羽目になる。

知事 (ちじ)

Y県のお荷物になっているワイワイらんどを閉園するよう議会から指示を受け、野村聡を現場へ派遣する。しかし、なかなか閉園の材料を揃えられない野村聡を見て、穏便に事を進めるのは難しいと判断し、議会の力をもって、強行的に閉園の旨を伝える会見を開く。しかし、会見に乱入した野村聡のワイワイらんど再建発言により、表向き再建を主張せざるを得なくなる。

南風 涼香 (みなみかぜ すずか)

前知事辞任後の後釜に就いた。Y県の県民からの人気が高い。ワイワイらんど再建は前知事の言とし、自身の公約の1つであるワイワイらんどの取り壊しを強行的に実行しようとするかなり強引な性格の持ち主。

集団・組織

Aチーム (えーちーむ)

『県庁の星』に登場するグループ。売れ残りの野菜や揚げ直しの惣菜を弁当に使う不正を行っていたスーパー富士見堂調理場。その悪習を絶つ為に結成されたチーム。メンバーは、中国人の陳、金、背の高い黒人、野村聡の4人。しかし不正を正す気があるのは野村聡のみで、他のメンバー3人は不正食材を使わないで作る「正しい弁当」でBチームと売上を勝負しようとする彼を冷ややかな視線で見ている。

Bチーム (びーちーむ)

『県庁の星』に登場するグループ。自称「富士見堂キャンディーズ」。売れ残りの野菜や揚げ直しの惣菜を弁当に使う不正を行っていたスーパー富士見堂調理場。その悪習のお陰で低価格を保っていられる事を証明するべく結成されたチーム。メンバーは乱橋、須藤、三木谷の3人。新鮮ではないが低価格で提供できる、不正食材を使った「安い弁当」でAチームと売上を勝負する。

ワイワイレジャー株式会社本社 (わいわいれじゃーかぶしきがいしゃほんしゃ)

『県庁の星』に登場する会社。社長の名前は戸部山(とべやま)。総工費20億円、特注ガラス貼りで建物の維持費は年間5000万円。昨年度の赤字は3億円で、ワイワイらんど共々Y県のお荷物扱いされている。それでも存続していられるのは社員の大半が県庁のOBで構成されているため、手出しが出来ないからである。

場所

スーパー富士見堂 (すーぱーふじみどう)

『県庁の星』に登場するY県にあるスーパー。典型的な地元密着型の店。経費削減のために不正が横行しており、パートの店員たちにやる気や、品質、サービス向上の気配を感じられる事は無い。売上を前年比の120%以上にしなければ統廃合される計画がパート達の知らぬ間に進んでおり、店が無くなるのも時間の問題となっている。

ワイワイらんど

『県庁の星』に登場する、動物園、水族館、遊園地を融合したテーマパーク。バブル時代が終わる直前に建設され、Y県県民の健康的かつ文化的な生活の促進を目的としていた。開園当時は県の輝けるシンボルだったが、今は経営も赤字続きで完全にお荷物と化している。穏便な閉園手段を探るべく、表向き再建のためと称し、野村聡が現場へ派遣される。 園内から少し離れた場所にワイワイレジャー株式会社本社という、衰退の最たる原因となったビルが存在する。

Y県 (わいけん)

『県庁の星』に登場する日本の都道府県の1つ。東京から新幹線で1時間弱、美しい海と川に恵まれた温暖な土地。『Y県気質』と呼ばれる大らかな県民性が自慢。マスコットは獅子舞がモチーフと思われる『ワイ舞』。しかし、スーパー富士見堂で関連商品が大量に売れ残っている様子を見る限り、人気はあまりない。

クレジット

原作

桂 望実

シナリオ

杉浦 真夕

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