あらすじ
親の再婚により、神前美月には1つ年上の神前夕哉という義理の兄ができた。しかもいきなり、母親は義父の転勤先へと着いて行き、自分は義兄である夕哉と2人きりで生活する羽目になってしまう。そんなある日、美月は突然事故で死んでしまったという幽霊の少女、寿日和に取り憑かれてしまう。日和が美月に取り憑いた理由は、生前に夕哉のことが好きで、その想いを夕哉に打ち明けてイチャイチャするのに最も適した人物と思われたからだった。しかも、美月は取り憑かれた際に日和に「TST」という下着を着用させられる。これは日和の満足度を計るもので、満足度が上がると日和は成仏できるようになるが、下がると美月の命がなくなってしまうという。こうして美月は、日和が成仏し自分が自由を得るために、義兄の夕哉としぶしぶ恋愛をすることとなる。
メディアミックス
TVアニメ
2014年1月から3月まで畑博之監督によるTVアニメ版がTOKYOMX、サンテレビなどで放送された。キャラクターデザインは鈴木大、音楽は中西亮輔が担当している。主なキャストは神前美月役を橋本ちなみ、寿日和役を小倉唯、神前夕哉役を間島淳司が演じている。
webラジオ
ラジオ大阪にて、webラジオが2014年1月8日から1月29日までの毎週水曜日、2月7日から6月13日までの毎週金曜日に「妹ちょ。らじお」のタイトルで放送された。パーソナリティは神前美月役の橋本ちなみと桐谷雪那役の金元寿子が務めた。放送は全23回。
ライトノベル
2014年1月18日に、ライトノベル版『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。いや、かなりアブない学園祭』がファンタジア文庫より発売された。著者はみかづき紅月、イラストは原作者である松沢まりが担当している。
実写劇場版
2014年5月17日よりR15+指定で本作『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』の実写版映画が公開された。監督は青山裕企、脚本は港岳彦と伊基公袁が担当している。主なキャストは神前美月役を橋本甜歌、寿日和役を繭、神前夕哉役を小林ユウキチが演じている。
登場人物・キャラクター
神前 美月 (かんざき みつき)
美桜高校1年生の女子。母親の再婚により義兄となった神前夕哉に冷たい態度をとっているが、実際は母親が取られてしまったと感じる嫉妬心で、本来は心優しい性格の持ち主。夕哉に好意を抱いている幽霊の寿日和に目をつけられ、半分憑依されてしまっている。体育と数学と男の人としゃべることが苦手で、特に数学は追試の常連となるほど苦手としている。 好きなものは可愛いもので、自分でぬいぐるみを作ることもでき、部屋は自作のぬいぐるみで溢れている。
寿 日和 (ことぶき ひより)
神前美月に取り憑いている幽霊の少女。生前の記憶はすべて失われており、神崎夕哉のことが好きだという感情だけが残っている。成仏するには夕哉と恋愛をする必要があるため、夕哉と一緒に住んでいる美月に目をつけて取り憑いた。夕哉に対してそっけない態度を取る美月とは逆に、積極的にアプローチをかけるタイプで、性格も天真爛漫でとても明るい。 好きなものは夕哉が作った卵焼き。体育が得意で、美月の体を借りた状態でも100メートルを12秒フラットで走ることができる。苦手な人は桐谷雪那。
神前 夕哉 (かんざき ゆうや)
美桜高校2年生の男子。父親の再婚により義妹となった神前美月の扱いに困惑しているが、なんとか本当の兄妹のように仲良くしていきたいと考えている。性格は真面目だが、少々天然気味で鈍感。何故か幽霊である寿日和が時々見えることがあり、日和のことを美月の友達と認識している。日和が憑依した美月のことは、その性格の変わりようからストレスからくる二重人格ではないかと考え、真面目に心配している。 家事全般が得意で特に料理は主婦並みの腕前を持ち、友人の鳥井正太郎からも「女だったら好きになっていた」と言われるほど。勉強も得意。
桐谷 雪那 (きりたに ゆきな)
美桜高校3年B組の女子。神崎夕哉とは幼なじみで、昔はよく一緒に遊んでいた。父親の仕事の都合で引っ越しを繰り返していたが、最近、再び夕哉の住む町に戻ってきた。かつては夕哉も「まるで兄貴」と評するほどに男勝りな性格で、体型も女性らしくなかったが、現在はかなりの巨乳で昔とは真逆の女性に成長した。元々霊感が強く霊に対する知識も豊富で、寿日和の存在も常に認識している。 特技は剣道。
橘 彩花 (たちばな あやか)
美桜高校に通う1年生の女子。神前美月とはクラスメイトで、一緒に遊んだり昼ご飯を食べるなど仲がいい。美月の義兄である神前夕哉のことは「結構カッコイイ」と評している。
鳥井 正太郎 (とりい しょうたろう)
美桜高校に通う2年生の男子。神前夕哉とはクラスメイトで友人。突然できた義妹の神前美月と、再会した幼なじみの桐谷雪那が傍にいるということで、夕哉を「ギャルゲの主人公」と称し羨ましがっている。常に彼女が欲しいと思っている。
根子 (ねこ)
美桜高校に通う2年生の女子。神前夕哉とはクラスメイトで友人。町に最近できたスパリゾート施設を経営する会長の娘でもある。表情をほとんど変えない文学少女で、常に本を持ち歩いている。「人前であまり肌を見せるな」という根子家の方針で、温泉に入る際にもスクール水着を着用している。
まみこ
美桜高校に通う3年生の女子。桐谷雪那の友人で、さまざまな同人誌を自分で作っている。恵まれない境遇の悲恋キャラクターが好きで、そういうキャラクターを扱った同人誌を特に好んで手掛けている。
南 (みなみ)
美桜高校の女性教諭。教師であるにも関わらず、授業中に神前美月を部活に勧誘する東西を叱ったり、生徒の美月が出した好タイムはしっかりと褒めるなど、作中では珍しい普通の感性の持ち主。
東西 (とうざい)
美桜高校の男性教諭。部活に非常に熱心で、寿日和に取り憑かれた神前美月の走りを見て、授業中なのにも関わらず美月を自分が顧問を務める部活動に勧誘する。
神前 香子 (かんざき きょうこ)
神前美月の母親。前夫とは離婚しており、現在は神前哲哉と再婚している。美月いわく「誰かいないとダメな人」。寂しがり屋で、前夫との離婚後は変な男と付き合っては別れるということを繰り返していた。
神前美月の父 (かんざきみづきのちち)
神前美月の実の父親。現在は美月の母親である神前香子と離婚しているが、一緒に暮らしていた時はギャンブルでの浪費癖や暴力のせいで、美月からも「ろくでなし」と思われていた。ちなみに離婚の原因は、会社で知り合った若い女性社員を妊娠させたため。
明坂 七海 (あけさか ななみ)
神前香子の28歳の妹。雑誌の編集者として働いているため朝帰りすることが多く、神前夕哉からはいつか身体を壊すのではないかと心配されている。また酒が好きで酔っぱらっては、手当たり次第に人に絡んで迷惑をかけている。まだ未婚で、そのことを少々気にしている節がある。
神前 哲哉 (かんざき てつや)
神前夕哉の父親。前妻とは死別しており現在は神前香子と再婚している。建築関係の仕事をしているために忙しく、夕哉の夕食の世話などは近所のおばさんに頼んでいる。一時期仕事のストレスで眉毛が抜けてしまったことがある。
桐谷 豪雪 (きりたに ごうせつ)
桐谷雪那の祖父。神社で神主を務める傍ら除霊も行うなど、雪那と同様に霊感が強い。冗談が好きで、雪那のことを未だに男扱いして困らせては楽しんでいる。雪那に剣道を教え込んだ人物でもある。
鳥井 萌亜 (とりい もあ)
鳥居正太郎の中学2年生の妹。兄の正太郎とはコタツの中の足の置き場所で揉めたり、朝に廊下ですれ違うだけで舌打ちしたりと、仲が悪い。しかしキツイ態度をとるのは正太郎に対してだけで、外面は非常にいい。
会長 (かいちょう)
根子の父親。神前美月の住んでいる町の水族館やプールなどをはじめとした、ファミリービジネス系全般の施設のオーナーをしている金持ち。大きな屋敷に住んでおり、その屋敷にはお手伝いさんも雇っている。
JIROU (じろう)
相手の心理を見抜き、暗示をかけることで人の行動すらも操作することができる「メンタルドライバー」を自称する男性。テレビにも数多く出演しており、そのパフォーマンスを世の中の人に広く知られている。キメ台詞は「これがメンタルドライブです」。
島津 (しまづ)
男装喫茶でアルバイトをしている女子大生で、鳥井萌亜にとって憧れの存在。萌亜は自分のお小遣いとお年玉をすべて使って、その喫茶店に通い続けているため、島津も萌亜の名前と顔を認知している。のちに2人で映画に行ったりして、鳥井正太郎を心配させている。
松澤 (まつざわ)
神前哲哉と同じ会社に勤める男性。哲也の後輩にあたる人物で、ともに海外へ長期滞在しており、正月を前にして一緒に帰ってきた。哲也から家にあがるように言われても、「大晦日だから」という理由で辞退する気遣いの人。
花 (はな)
会長の家のお手伝いをしている女性。会長の家にいる身体の弱い子供の世話もしており、時には優しく時には厳しく接している。小さな頃の神前夕哉のことも知っており、その時は「律儀な良い子」と感じていた。
シロ
昔、寿日和が家で飼っていた猫。その名前通り真っ白な毛並みをしており、当時友達のいなかった日和の唯一の友達だった。時の狭間にも現れて神前美月に助言したりすることもあるが、主である日和とは口を利いてはいけないというルールがある。現在は既に死んでおり、地縛霊のような存在となっている。
ミィ
神前美月が幼少期に一緒に遊んだことのある女の子。優しい神前夕哉のことが好きで、子供の中でリーダー格だった桐谷雪那のことが苦手。美月とは気が合い、一緒に夕哉のことを話したりしていた。身体が弱く病気がちなため、外で遊ぶことを禁止されていた。
場所
時の狭間 (ときのはざま)
天の門まで続く空間。雲が浮いている空の上のような場所だが、天の門まで直接通じる道は存在せず、天の門へたどり着くためにはTSTのパラメーターの上昇の質に応じ、ランダムで増える階段を積まなければならない。
天の門 (てんのもん)
寿日和が成仏するためにくぐらなければならない門。時の狭間の上空にある場所で、そこへたどり着くためにはTSTのパラメーターを上昇させ階段を積んでいく必要がある。
奈落の海 (ならくのうみ)
生きることも消えることもできない魂たちが留まる場所。底に落ちてしまうと「奈落の底」へ行くこととなり、魂は輪廻転生の輪から外れて成仏どころか消滅してしまう。その魂を救うためには魂の宿主の不安の原因となるものを解消しなくてはならない。
Melon John (めろんじょん)
神前美月が可愛い下着を新調するために訪れた、女子に人気のランジェリーショップ。美月が寿日和に言われるがままにさまざまなコスプレ系の下着を試着し続けた結果、店内でも注目の的となり、最終的に「女王様」の姿と化したところを神前夕哉に見られるという醜態をさらしてしまった場所。
ハルク
神前美月の町にあるスーパーマーケット。食料品が充実しており、タイムセールも定期的に実施されている。美月に憑依した寿日和がここで神前夕哉に対して「妹らしい妹」を演じ切ったことで、普段は美月の前ではあまり見せない夕哉の笑顔を見ることに成功した。
美桜商店街 (みさくらしょうてんがい)
神前美月の町にある、さまざまな店舗が入った商店街。冬になると豪華景品が当たる大抽選会という福引イベントが開催される。特賞は2名1組で行く温泉旅行で、寿日和は神前夕哉と一緒に旅行が行きたいがために密かに福引を操作し、実際に特賞を引き当てた。
美桜水族館 (みさくらすいぞくかん)
神前美月の町にある水族館。公園に隣接している古い水族館で、神前家から徒歩15分の場所にある。神崎夕哉が根子からこの水族館の券を貰ったことで、美月と2人で訪れることになった。夕哉は幼少期にこの水族館に訪れたことがあり、その時は現在よりもこじんまりとした施設だった。現在は改装を繰り返して立派な施設となっている。
その他キーワード
TST (てぃーえすてぃー)
寿日和が神前美月に着用させた下着。貞操帯のような造りになっており、ハート型のゲージが付いている。そのゲージは日和の満足度によってパラメーターが上下するようになり、満タンになると天の門までの階段が追加され成仏できるようになる。しかし、日和がストレスや嫉妬などの感情を抱くとパラメーターは下がり、それが一定値より下を示すと着用者である美月の命が尽きてしまう。 なお、トイレに行く時には一時的に外れるようになっているが、用を足すとすぐに元通りになってしまう。
自然に同じ部屋で眠る作戦 (しぜんにおなじへやでねむるさくせん)
神前美月に憑依した寿日和が、神前夕哉と結ばれるために実行した作戦。外が雷の日に1人では恐くて眠れないという口実で部屋に押し入り、一緒の部屋及び一緒の布団で寝ることが目的。部屋に乗り込むことには成功したが、一緒の布団で寝ようという提案は夕哉には却下され、最終的にベッドに日和が憑依した美月が、床に夕哉がそれぞれ寝る形で落ち着いた。
暗示で解る深層心理 (あんじでわかるしんそうしんり)
自分の欲に忠実になるという暗示を人にかける方法が書いてある本で、JIROUの番組を見て興味を持った根子が読んでいた。この本に書かれていることを神前夕哉に実践した結果、夕哉に暗示がかかってしまい、一定時間素直に本音が出るようになった。
イルカの背中に乗って (いるかのせなかにのって)
寿日和の名前のもとになった絵本。イルカのコトブキさんと、コトブキさんの背中に乗せてもらうよう頼む少女のヒヨリちゃんというキャラクターの交流が描かれている。日和はこの絵本に出てくるキャラクターの名前を繋げて自分の名前とした。
緊急ラブラブ超会議 (きんきゅうらぶらぶちょうかいぎ)
寿日和が神前美月とともに急遽開いた会議。美月に憑依した日和が結果を出すために焦って猛アタックをした結果、神前夕哉から距離を置かれるという状況に陥ってしまったため、ここから如何にして自分の株を上げるかという議題について議論した。
心の光 (こころのひかり)
TSTに付いているメーターから発せられる光のこと。その発せられる妖艶な色から寿日和は「エロい光」と呼んでいるが、実際の名称は「心の光」。神前美月と神前夕哉がお互いを強く思った際に発せられる。
チビみつき
背中にあるボタンを押すと声を録音することができ、その後に手のひらに乗せると録音された音声が再生されるという人形。神前美月に似ていることから寿日和に「チビみつき」と名づけられた。
最近俺のラブコメ事情がアレなんだが (さいきんおれのらぶこめじじょうがあれなんだが)
まみこが制作した同人誌の元ネタのライトノベル。内容は三角関係モノで、子供の頃から姉弟のようにして育った主人公の少年と、幼なじみで1つ年上の通称「姉」という少女、さらに少年の父親が再婚したことによりできた、1つ年下の義妹である通称「妹」とが織りなすラブコメディ作品。現在は「妹」の方が少年といい関係を築いており優勢となっている。 桐谷雪那は自分の境遇と似ている「姉」に自分を重ねており、まみこも作品の中ではあまり待遇のよくない「姉」のことを応援して推している。
ユウくん
幼少期の神前夕哉が美桜水族館のじゃんけん大会に参加した際に優勝して手に入れたマンボウのぬいぐるみ。そのぬいぐるみを神前美月が欲しがったため、夕哉から美月に譲られた。そのぬいぐるみは現在も美月の部屋にあり、大事にされている。「ユウくん」という名前は「夕哉」に由来している。
石碑 (せきひ)
神前美月の町にある碑。元々、小さなお堂があった場所で、そこに道路が開通した際にこの石碑が建てられた。お堂だった頃は死に際の人間が願をかける場所だったこともあってか、その道路周辺では交通事故が頻発している。
アニメ
最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。
親同士が再婚したことで義理の兄ができた主人公の神前美月は、新しい家族に馴染じめず悩んでいたある日、幽霊の少女寿日和に取り憑かれる。取り憑いた寿日和を成仏させるためには、義兄となった神前夕哉と恋愛をしな... 関連ページ:最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。
書誌情報
最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 全11巻 KADOKAWA〈ドラゴンコミックスエイジ〉
第1巻
(2011-08-05発行、 978-4047127425)
第2巻
(2012-01-07発行、 978-4047127746)
第3巻
(2012-06-06発行、 978-4047128057)
第4巻
(2012-12-06発行、 978-4047128439)
第5巻
(2013-06-08発行、 978-4047128781)
第6巻
(2014-01-09発行、 978-4047129955)
第7巻
(2014-07-09発行、 978-4040702551)
第8巻
(2015-02-09発行、 978-4040705019)
第9巻
(2015-07-09発行、 978-4040706337)
第10巻
(2016-01-09発行、 978-4040708010)
第11巻
(2016-07-09発行、 978-4040709536)