兄がライバル!

兄がライバル!

同級生の司に想いを寄せる女子高生、鈴木真琴の恋のライバルは「男の娘」である姉(正確には兄)の鈴木晶。変則的な恋愛模様を描いたラブ・コメディ4コマ漫画。宮月もそこの代表作で、Webコミックサイト「マンガごっちゃ」に連載の作品。原作はかさまひろゆき。

正式名称
兄がライバル!
ふりがな
あにがらいばる
原作者
かさま ひろゆき
漫画
ジャンル
ラブコメ
関連商品
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世界観

本作『兄がライバル!』は、主人公の鈴木真琴の恋のライバルが、女装しながら名門女子校へと通う「男の娘」な実の兄、鈴木晶であるという、変則的なラブ・コメディを描く作品である。晶は、男性でありながら女性としての恵まれた容姿に、並の女子高生を寄せ付けない女子力を持つ。そんな晶に対して、樋口翠利賀朱音といった登場人物が、異性として想いを寄せている。しかし、晶本人は、女性ではなく男性であるに恋心を抱いており、このような性別と想いの行き違いが騒動を引き起こしていく。容姿端麗な美少女としての晶と、男性としての晶といった「男の娘」が持つ、男女の性別を行き来する特性が、本作の大きなテーマを形作っている。

あらすじ

蒲鉾高校に通う高校1年生の鈴木真琴は、同級生の男子であるに淡い恋心を抱きながらも、ごく普通の日常を送っていた。ただ1つ、普通と違っているのは、真琴の兄である鈴木晶が、女装をしながら名門女子校の百合薔薇学院に通う「男の娘」だったこと。そんなある日、兄妹そろって登校していた2人は、通学路の途中で司と偶然出会う。爽やかで優しい笑顔を浮かべながら、朝の挨拶をする司の姿に見惚れていた真琴は、その時、晶もまた司に見惚れていることに気づく。兄であるはずの晶もまた、真琴と同じく司に対する淡い恋心を抱いていたのだ。兄を恋のライバルとして、競い合うように司へアプローチを掛ける真琴の日常が、こうして始まっていくのだった。

掲載情報

竹書房の「まんがライフオリジナル」2010年12月号にて読み切りとして掲載された後、2011年5月号から7月号にかけて連載された。その後、2013年10月4日より創作漫画サイト「兄がライバル!」とwebコミックサイト「マンガごっちゃ」で掲載を開始した。

パロディネタ

コミックスの巻末には、本作『兄がライバル!』の登場人物たちが、過去の名作漫画の名シーンを再現したパロディ漫画が収録されている。1巻ではあだち充の漫画『タッチ』、2巻ではゆでたまごの漫画『キン肉マン』がそれぞれ題材とされている。

単行本の装丁

コミックス本体の表紙と裏表紙には、『兄がライバル!』の登場人物によるコミカルなワンシーンが描かれたイラストが掲載されている。なかでもコミックス2巻では、男性であるや「男の娘」の鈴木晶も含めた、主要登場人物たちによる「胸比べ」という珍しいワンシーンが見られる。

作家情報

原作

かさまひろゆきは茨城県鉾田市出身のシナリオライター・小説家。「笠間裕之」名義で活動することもある。漫画原作の他、ソーシャルゲームやドラマCDの脚本などを手がけている。本作『兄がライバル!』の原作をはじめ、コナミのニンテンドーDS用ソフト『ラブプラス』の一部イベントシーンなどを担当した経歴がある。またライトノベル作品としてGC NOVELSより刊行されている『アサルトリリィ ~一柳隊、出撃します!~』の執筆を手がけている。

登場人物・キャラクター

鈴木 真琴 (すずき まこと)

蒲鉾高校に通う1年生の女子。年齢は16歳。同級生である司に対して淡い恋心を抱いている。しかし、自分の兄である鈴木晶も、司のことを好きになってしまったため、晶と恋のライバルの関係にある。晶が実は「男の娘」であるため、日頃からさまざまな悩みを抱えている。晶を慕う利賀朱音とは、幼少時に離ればなれとなった幼なじみの関係にある。

鈴木 晶 (すずき あきら)

名門女子校である百合薔薇学院に通う2年生の女子。年齢は17歳。容姿端麗にして成績優秀という優等生。更には家事全般をこなし運動も得意。傍目から見て完璧な女子高生なのだが、実は女装した「男の娘」であり、鈴木真琴の実の兄にあたる。極一部の人物を除き、周囲には自身の性別を秘密にしている。「男の娘」ながら、男性である司に対して淡い恋心を抱いており、妹の真琴とは恋のライバル関係にある。 樋口翠とは同じ学院のクラスメイトで、自身の性別を明かしている数少ない友人である。また、利賀朱音とは女装を始める以前に知り合い、その後に離ればなれとなった幼なじみの関係であるため、本当の性別を知られている。

利賀 朱音 (とが あかね)

鈴木真琴や鈴木晶の幼なじみの少女。幼少時に遠方へと引っ越したが、真琴たちの住む蒲鉾市に戻って来た。幼い頃に、晶のお嫁さんになるという約束を交わしており、今も晶のことを一途に想い続けている。そのため「男の娘」となった晶を見て、真っ当な男子へ戻すためにも、いつかその性別を周囲にバラそうと企んでいる。週に3回は歯磨き粉と洗顔料を間違えるほど、極度のドジっ娘。

樋口 翠 (ひぐち みどり)

百合薔薇学院に通う2年生の女子。鈴木晶のクラスメイトで、「男の娘」である晶の本来の性別を知る数少ない友人の1人。比較的大ざっぱな性格をしているが、その一方で細かな気遣いを見せることもある。「男の娘」である晶の性別に関して認めている一方、思うところもあるようで、本来の性別をバラそうと画策している。そのためか、晶に思いを寄せる利賀朱音とは、ライバルのような関係にある。 鈴木真琴と晶が憧れている司は、中学の後輩にあたる。

紫 式代 (むらさき しきよ)

百合薔薇学院に通う2年生の女子。鈴木晶とは同級生の関係にある。大富豪の令嬢で、かなりズレた金銭感覚の持ち主。その一方で成績優秀な優等生で、運動も含め常に上位をキープしている。しかし、晶の成績に毎回1歩及ばず、彼をライバル視して挑戦的な態度で接する。

(つかさ)

蒲鉾高校に通う高校1年生の男子。サッカー部に所属している。いつも笑みを絶やさない非常に温厚な性格で、彼が怒っている姿を見たことがある者はいないほど。異常に頑丈な肉体の持ち主で、車などにはねられてもほぼ無傷。鈴木真琴と鈴木晶の兄妹から、そろって想いを寄せられている。

岡屋敷 (おかやしき)

百合薔薇学院に通う2年生の女子。鈴木晶や樋口翠のクラスメイトで、一緒に話すことの多い友人。いわゆる中二病的な性格をしており、オカルトや陰謀論などが好き。また、常識的なことを言ったかと思えば、すぐにおどけてみせるなど、シリアスな雰囲気を好まない。

鈴木 昌代 (すずき まさよ)

鈴木真琴と鈴木晶の母親。性格は大らかだが、「昌代」という自分の名前を呼ばれても、自分のことだと気づかないなど、少し抜けたところもある。また若干ずぼらで、家事全般はこなせはするものの、女子力の高い晶に依存しており、晶に家事を手伝ってもらわなければ家庭を保てない。喫茶店のマスターとは知人の関係にある。

先生 (せんせい)

百合薔薇学院の女性教師。鈴木晶の本当の性別を知る数少ない人物の1人。校長とともに入学書類の性別欄を見落としていたため、女子校である百合薔薇学院に晶が入学するきっかけを作った。ちなみに、鈴木真琴に理由を聞かれた際には、自分のミスを隠しつつ、晶の熱意に胸を打たれたから、と方便を言うなど意外にしたたか。また、センスに若干オヤジ臭い部分がある。

マスター

喫茶店を経営している壮年の男性。鈴木真琴や鈴木晶が、司に贈るクリスマスプレゼントの資金のために、アルバイトをした喫茶店のマスター。2人の母親である鈴木昌代の知人。温厚な性格をしており、常に笑顔を浮かべている優しい人物。その一方で、ウェイトレスを雇っていないにもかかわらず、エプロンをコレクションしている、といった特殊な性癖を持ち合わせている。

店長 (てんちょう)

樋口翠の行きつけのゲームセンターで店長を務める女性。鈴木真琴らと同年代か年下に見えるほど、幼い見た目をしている。ゲームをやりこんでいる翠によって、たびたびクレーンゲームの景品を空にされたことがある。彼女を見るだけで、土下座をして許しを請うほどのトラウマとなっている。

場所

蒲鉾高校 (かまぼここうこう)

鈴木真琴や利賀朱音、司らが通う共学の高校。ごく普通の高校ながら、生徒の出入りには無関心。たびたび鈴木晶が司を目当てに昼休みなどに忍び込んでいる。敷地は比較的広く、昼食を取るための大きな中庭がある。

百合薔薇学院 (ゆりばらがくいん)

蒲鉾市に存在する名門女子校。鈴木晶や樋口翠、紫式代らが通っている。伝統的な女子校で、男性の出入りに非常に厳しく、忘れ物を届けに来た父兄ですら簡単に立ち入れない。そんな環境にありながら、実際は男である晶を、書類審査の見落としから入学させてしまった。そのため晶の存在が学校の抱える弱みとなっており、校長をはじめ、入学を審査した先生も、晶の性別を隠すことに協力している。

蒲鉾市 (かまぼこし)

鈴木真琴や鈴木晶たちが暮らす都市。蒲鉾高校をはじめ、名門女子校である百合薔薇学院が存在する。市内には商店街に加えてデパートも存在するなど、比較的栄えており、生活から娯楽まで、必要十分な施設がそろっている。

その他キーワード

男の娘 (おとこのこ)

一見すると容姿端麗な美少女に見えるが、実際の性別は「男性」というような人物の俗称。本作『兄がライバル!』では、女装をしながら名門女子校へ通う容姿端麗な男子、鈴木晶に使用される。

クレジット

原作

かさま ひろゆき

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