概要・あらすじ
主人公の佐伯光はある日、転入生の峰岸蛍子が美しくおわらを踊っているところを目撃してしまう。また、峰岸蛍子は叔父の佐伯円と親しく、恋人同士のような雰囲気を漂わせていた。周囲から叔父と峰岸蛍子の仲を疑われないようにするため、佐伯光は峰岸蛍子とつきあうふりをすることになる。また、人前ではうまく踊れず孤立する峰岸蛍子を助けるため、彼は踊りの稽古に付き合うのだった。
峰岸蛍子の努力と踊りへの熱意は人の心を動かし、周囲ともだんだんと打ち解けていく。しかし佐伯円と彼女を取り巻く秘密は未だ明かされず、佐伯光は複雑な思いを抱えていく。
登場人物・キャラクター
佐伯 光 (さえき ひかる)
おわらが大好きな高校生で、「寝ていてもおわらが流れれば踊れる」と称している。踊りの腕前も確かで、おわら5の一員でもある。明るく元気な人気者だが、恋愛には疎い。美しくおわらを踊る峰岸蛍子に興味を抱く。峰岸蛍子とつきあっているふりをするが、次第に彼女に惹かれていく。叔父の佐伯円に対し尊敬の念を抱いていたが、峰岸繭子と不倫していたことを知り、ショックを受ける。
峰岸 蛍子 (みねぎし ほたるこ)
東京から佐伯光のクラスに転入してきた。黒髪ロングヘアの美少女だが、無愛想で周囲から浮いている。八尾町出身の母からおわらを教わっておりかなりの腕前だが、人前で踊った経験がなく集団で踊るとロボットのような動きになる。そのため、踊るときは笠を必要とする。佐伯光の叔父佐伯円のことが好きで、彼のことを円くんと呼ぶ。 私服は顔に似合わずロリータファッション。
佐伯 円 (さえき まどか)
佐伯光の叔父で土産物屋兼喫茶店を営んでいる。独身。峰岸蛍子の母峰岸繭子の幼馴染みで、彼女を好きになり、結果的に不倫した過去を持つ。峰岸繭子に瓜二つの峰岸蛍子に対して顔を赤らめたりするが、どのような思いを抱いているかは明かされていない。高校生の頃は峰岸繭子と富樫漸太と共に代表でおわらを踊っていた。 また、三味線と胡弓の名手でもある。
松井 理央 (まつい りお)
佐伯光の幼馴染みで、おわらの代表を務める。女子の中でもリーダー的存在。おわらを馬鹿にしたような態度に見える峰岸蛍子を快く思わず、何かと挑発するが、彼女が本気で踊る姿を見て誤解が解け、親友となる。周りを良く見ており、峰岸蛍子が佐伯円を気にかけていることを見抜く。
峰岸 繭子 (みねぎし まゆこ)
峰岸蛍子の母で故人。峰岸蛍子を東京で育て、おわらを教える。娘の顔も母譲り。佐伯円、富樫漸太とは高校の同級生であり、一緒に踊りを踊った。過去のキーパーソンとなる人物。
富樫 漸太 (とがし ぜんた)
佐伯円の友人で、高校時代は峰岸繭子と共に三人でも行動を共にしていた。サングラスにアロハシャツのあやしい風体の男性。峰岸繭子とそっくりの峰岸蛍子に興味を持つ。
石崎 (いしざき)
郷土芸能部の部長。おわらの三味線を弾く地方。理論派で誰よりも研究熱心。突然東京から来て、おわらをうまく踊る峰岸蛍子に嫉妬し、絡んでくる。しかし彼女のひたむきな努力を見て、考えを改める。三味線を弾く佐伯円に憧れている。
河瀬 (かわせ)
TV制作会社のスタッフで、おわらの番組制作のため佐伯円の所に取材に来た。彼に気がある様子で、油断ならない美女である。
鳴美 (なるみ)
公民館練習で峰岸蛍子に出会う。おわらはうまいが、性格はきつく新参者の峰岸蛍子に冷たく当たる。
千夏 (ちなつ)
公民館練習で峰岸蛍子に出会う。個性的な髪型と性格の持ち主で、峰岸蛍子に的確なアドバイスをする。父親は峰岸繭子のファンで、瓜二つな峰岸蛍子の姿を見て涙を流した。
場所
富山県八尾町 (とやまけんやつおまち)
富山市の中にある。佐伯光と峰岸蛍子が通う高校があり、伝統芸能おわらを守り継ぐ町で、おわらを踊る祭りが毎年恒例で行われている。
その他キーワード
おわら5 (おわらふぁいぶ)
『月影ベイベ』に登場するグループ。佐伯光が所属する男子高校生5人組。踊りも上手くルックスも良いので、学校のアイドル的存在。全員違う町の出身なので、踊りが少しずつ異なっている。
おわら
『月影ベイベ』に登場する踊り。実際に富山県八尾町で踊り継がれている。盆踊りのような旧踊りと、新踊りがある。新踊りは男踊りと女踊りに分かれ、素人では踊れない。
書誌情報
月影ベイベ 9巻 小学館〈フラワーコミックス α〉
第1巻
(2013-06-10発行、 978-4091352293)
第2巻
(2013-12-10発行、 978-4091355898)
第3巻
(2014-05-09発行、 978-4091361127)
第4巻
(2014-10-10発行、 978-4091364159)
第5巻
(2015-04-10発行、 978-4091372932)
第6巻
(2015-09-10発行、 978-4091374387)
第7巻
(2016-06-10発行、 978-4091383983)
第8巻
(2016-12-09発行、 978-4091388582)
第9巻
(2017-05-10発行、 978-4091392893)