時間をとめて待っていて

時間をとめて待っていて

消息不明になったミリアム=トッドを探しに出たダグラス=グリーンがある事件に巻き込まれていく。西部の町を舞台に繰り広げられるウェスタンストーリー。ひかわきょうこの『荒野の天使ども』の続編で、9年後の2人の姿が描かれる。「ララ」昭和60年9月号から昭和63年2月号にかけて不定期に掲載された作品。

正式名称
時間をとめて待っていて
ふりがな
じかんをとめてまっていて
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

前作『荒野の天使ども』から9年。26歳になったダグラス=グリーンと17歳になったミリアム=トッドの2人は、相変わらずの腐れ縁でつながっていた。そんなある日、ミリアムは友達の結婚式に出席するために一人で遠くの町まで出かけていった。しかし予定の日を過ぎてもミリアムは帰ってこない。彼女は帰路の途中でトラブルに巻き込まれ記憶喪失に陥ったところを、ルークカーソン劇団に保護されていたのだった。

そのルークカーソン劇団は、フランク=ダーネルの一味から興行を妨害されていた。無事にミリアムと再会を果たしたダグラスは、記憶を失ったミリアムと彼女が世話になった劇団を助けるため、ダーネル一味に戦いを挑む。

登場人物・キャラクター

ダグラス=グリーン (だぐらすぐりーん)

前作『荒野の天使ども』から9年が経過し、現在は26歳。グレースの農場で住み込みの牧童として働いている男性で、時折保安官助手を務めることもある。幼い頃から家族と同様に暮らすミリアム=トッドから好意を抱かれていることをわかっていながらも、子供扱いをしてはついはぐらかしてしまっている。

ミリアム=トッド (みりあむとっど)

前作『荒野の天使ども』から9年が経過し、現在は17歳。気が強く、何事も黙っていられないタイプ。ダグラス=グリーンに想いを寄せているが、いつまでも子供扱いする彼には不満を覚えており、女性として認めてもらいたいと考えている。外出先でトラブルに巻き込まれて崖下に転落したことで記憶喪失になってしまう。その際に自分の名前も忘れてしまい、保護してくれたルークカーソン劇団のコーリンにより、「スカーレット」と名付けられた。

グレース

ヒュー=カーステアの妻で、一児の母親。牧場を営んでおり、ダグラス=グリーンを含むたくさんの牧童と生活を共にしている。とある事情により幼かったミリアム=トッドを引き取って育てたため、血のつながりはないがミリアムにとっては母親同然の人。

ヒュー=カーステア (ひゅーかーすてあ)

グレースの夫。ミリアム=トッドたちが住むウェルズタウンの連邦保安官を務めている。額右側から左頬にかけて刻まれている傷跡がトレードマーク。グレースの農場でダグラス=グリーンやミリアムらと生活を共にしている。

コーリン

ミリアム=トッドが保護されたルークカーソン劇団に在籍している女優。いつもつるんでいる3人組のリーダー的存在。男性からちやほやされているミリアムにどうにかして意地悪をして劇団から追い出してやろうと画策しており、意地悪の真髄を語るほどの熱の入れようだが、いつもうまくいかない。

ラルフ=ターナー (あんそにー=めいけん)

ミリアム=トッドが保護されるより3ヵ月ほど前、川に流されかけた劇団員を通りかかった彼が助けた。それがきっかけで劇団員となり、ルークカーソン劇団で行動を共にするようになった。無口で謎めいた人物だが、実は昔新聞屋だった。

フランク=ダーネル (ふらんくだーねる)

ウィンキービルのオペラハウスを乗っ取ろうと画策している男で、たくさんの部下を束ねるボス。昔ロッド=シンプソンのいた町で暴力により無理を通して、法を犯し、恐怖によって町を支配していた。ラリー=ウィドマークを捕らえ、彼の孫を人質にとって偽札を作らせようとしている。

ロッド=シンプソン (ろっどしんぷそん)

新聞社を営んでいる男性。以前は孫のアイリーンとラルフ=ターナーと共に働いていたが、アイリーンが亡くなり、それをラルフのせいだとして彼を追い出した。

ジェフリー=ダン (じぇふりーだん)

かつてフランク=ダーネルと手を組んでガンマンをしていた男。知られてはならない秘密をミリアム=トッドに知られてしまったため、彼女の行方を探している。その後ミリアムが記憶喪失になったことを知らずに彼女に襲い掛かった。疑い深い性格ゆえに、ミリアムから「老化現象」と呼ばれている。

ラリー=ウィドマーク (らりーうぃどまーく)

偽札作りの名人と言われた男性。強盗の共犯で逮捕され、裁判を受けるためにサンドシティの保安官に護送されている最中、フランク=ダーネルに捕らえられ、行方不明となっていた。その間、ダーネルから偽札作りを強要されていた。

アイリーン

ロッド=シンプソンの孫娘。子供の頃から祖父の新聞社を手伝っていた。当時から一緒にいたラルフ=ターナーを一人の男性として慕っていたが、ある時ラルフをかばってフランク=ダーネルの一味と思われる者から銃で撃たれ、帰らぬ人となる。

エメット

フランク=ダーネルの手下。ルークカーソン劇団の興行を妨害しようと小細工して回っている。ダグラス=グリーンがミリアム=トッドを探していた時、町の酒場で客に絡んでいた男。ダグラスに喧嘩を吹っ掛けた結果、返り討ちに遭いぼろぼろになる。

レオ

「白い谷」で暮らす大男。汚いやり方が嫌いで、ケンカが好きなだけの単純な性格。ただただ肉体でぶつかり合う腕比べという名目のケンカが大好きで、ダグラス=グリーンの腕っぷしにほれ込んでしまう。

ジェシー

ミリアム=トッドが購入した馬。「根性曲がりで老いぼれた目つきの悪い駄馬」と言われ、とても大人しく人を乗せるタイプではなかったが、ミリアムとはすぐに意気投合した。馬とは思えない動物ばなれした賢さを持ち、人と意思疎通が図れる。

ウィリー

ミリアム=トッドが子供の頃から一緒に暮らしているブタ。前作『荒野の天使ども』ではミニブタサイズだったが、9年の時を経て子供を乗せられる程度のサイズに成長した。ジェシーと同様に動物ばなれした賢さを持ち、人と意思疎通が図れる。

集団・組織

ルークカーソン劇団

崖下に倒れていたミリアム=トッドを保護し、助けた劇団。定期的に場所を変えながら興行をうっている劇団で、田舎では人口が少ないため毎晩出し物を変えてお客を楽しませている。フランク=ダーネルの一味から興行を妨害されている。

場所

白い谷 (しろいたに)

崖に囲まれた谷で犯罪者の巣窟となっている。その首に賞金をかけられた犯罪者が逃げ込むところで、保安官も入り込むことはできないと言われている無法地帯。風が強く、あっという間にホコリで真っ白になるためその名が付いたと言われている。

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