概要・あらすじ
狼に食べられたい、と願いながら夜な夜な徘徊する赤ずきんは、いくら撃っても切っても決して死なない謎の存在。自分の記憶が全く無く、人を殺しては、人体収集と売買を行っている「STOMACO DI FERRO」の経営者マルコにそれを引き渡して暮らしていた。ある日、アスベエルという悪魔がやってきたことで、赤ずきんの本来の姿と、その裏で行われていた魔界の計画、天界の企みが露わになっていく。
登場人物・キャラクター
赤ずきん (あかずきん)
長いみつあみに、エプロンワンピース、赤い頭巾をかぶっている、出自不明の少女。どんなに切り刻んでもすぐに再生する能力を持ち、絶対に死なない。自らの体を貪ってくれる『狼』を探しているが、ほとんどの人間がそれに該当せず、彼女は次々に殺害し、人体を販売しているマルコに死体を渡して、彼のもとで暮らしている。 武器としてショットガンを用いているが、髪の毛で攻撃したり、相手の肉体に潜り込んだりと様々な攻撃をすることができる。彼女を襲ってきた男性型淫魔のルカをネコに変えてそばに置いたり、彼女を殺しにやってきたアーティファクトのヴィヴィアンに対して友情が芽生えたりと、人にあらざるものに対して好意を持つことが多い。 魔界の姫アスタルテと深い関係がある。
アスタルテ
ダンタリアンに仕えていた魔界の姫。ダンタリアンが特別な闇の眷属のアーティファクト『狼』を作ろうとした際、自らの胎を貸して出産することを受け入れた。アスベエルを心から信頼している。かつて天使であるセオス(ベッテガ)が近づいてきたことで、彼女はダンタリアンの処罰にあって魔界を追放された。 赤ずきんと深い関係がある。
ルカ
男性型の淫魔。穢れ無き乙女の魂を求めていたものの、町中には純粋な女性がいなかったため、無垢な少女だと勘違いして赤ずきんに手を出す。赤ずきんにすっかり気に入られた後、ネコに姿を変えられてしまう。巨大な男性器を持っており、赤ずきんに手籠めにされてからはすっかりマゾヒスト気質になってしまった。
マルコ
イタリア人。刺青を入れ、ピアスをあちこちにつけているいかつい男性。肉屋という名目で「STOMACO DI FERRO」(鉄の胃袋)を経営、数多くの死体を売買している。女性をいたぶるのが趣味。日本語を話すことができない。赤ずきんが狩ってきた人間の死体を冷凍車で運び込んでおり、ウィッチ・アローザの邪教の儀式用に売り渡している。
ウィッチ・アローザ
黒髪ロングの妖艶な女性。人を生贄に捧げ、性欲のまま乱交を繰り返す邪教の教祖。信徒から騙しとった金で、魔術を研究。悪魔を召喚したり、攻撃魔法を使ったりすることができる。教会に仕えるベッテガに恋慕しており、激しい嫉妬に狂っていた。ネクロマンサーのヴェルノをかわいがっている。
ヴェルノ
ウィッチ・アローザに仕える少女。顔に傷があり、フードをかぶり、首にドクロをぶら下げている。マルコの元に集められた死体を縫い合わせることで、人造人間を動かすことのできるネクロマンサー。
ベッテガ
普段は背広に身を包んだ、教会の男性。しかしウィッチ・アローザの邪教の集会に顔を出すなどして、赤ずきんを監視している。一見普通の人間だが、本質はセオスと呼ばれる天使で、特異な力で怪異を押さえつけたり、念力を駆使することができる。魔界で行われている「狼計画」を阻もうとしている。 彼がセオスとして魔界の姫アスタルテに接触したことで、彼女は人間界に追放されてしまう。
ヴィヴィアン
メガネをかけた女性の殺し屋。おどおどした性格で、黒いローブを羽織っている。体術と銃撃戦に長けており、鉄をひねるほどの腕力を持つ。ローブの下にはさらに2本の腕がある、人工的に造られた「アーティファクト」。赤ずきん殺害の依頼を受けて死闘を繰り広げるも、あと一歩のところで敗北。赤ずきんに気に入られて、共に行動するようになる。
ファブリツィオ・ジェンティーレ
警部として赤ずきんを追い続けていたが、一度も捕えることができず、怒りのあまり退職。殺し屋のヴィヴィアンに殺害を依頼する。しかし二人の戦いが人間のものではないことを知り、自害する。
ルーポ
孤児の少年。敬虔な教会の信徒。普段は気の優しい少年だが、自我を失うと肉を求めながら、激しい性欲で射精し続けるようになる。ベッテガの管理下におかれ、力をおさえつけられている。実際は魔界の「狼計画」で作られた、魔界の姫アスタルテの息子であり、狼。
アスベエル
軽薄な容貌の、男性の悪魔。赤ずきんの本来の姿を知っている存在。魔界ではアスタルテに忠実に仕えていた。人間界では赤ずきんを監視し続けており、彼女がピンチの際は命がけで助力。相手のあらゆる情報を見透かすことができるが、体力はほとんどなく人間レベル。悪魔の姿に戻ると体に模様が浮かび上がる。
ダンタリアン
魔界の公爵。頭に数多くの角が生えている。光と闇のバランスを保つために、特別なアーティファクト『狼』を造ろうと計画。魔界の姫アスタルテの胎を利用して『狼』を生み出す。アスタルテが天使セオスに近づかれたことを知り、彼女を人間界に追放した。アスベエルを手下に従え、赤ずきんを監視している。
キサ・ヴァニタス
大きなツインテールに髪をしばった、褐色の天界の刺客。天界でも恐れられている力の持ち主で、羽で何もかもをみじん切りにすることができる。赤ずきんを「黒い翼を持つ女」と呼んで、アスタルテが産んだ『狼』と接触する前に亡き者にしようと襲いかかる。