概要・あらすじ
生前は蘇我馬子に実権を奪われ、死後は蘇我入鹿らによって一族を滅ぼされてしまった聖徳太子だが、馬子の助言で輪廻転生を行い復讐のため現世へ舞い戻った。しかし、掟を破ったことで霊界からの刺客に追われて霊界に連行される。そこで待っていたのは閻魔大王や弁財天の君臨する地獄だった。
登場人物・キャラクター
聖徳太子 (しょうとくたいし)
一族を滅ぼした蘇我氏に復讐するため、禁断の法によって黄泉の国から輪廻転生した。生前は気高く優しい姿だったが、転生後は筋骨隆々とした精力たくましい大男の姿となる。転生後は霊界からの刺客と闘い、また死霊に戻って地獄に連行されるが、やがて地獄赤軍と合流して閻魔大王と戦う。 実在したといわれる聖徳太子がモデル。
円心 (えんしん)
仏師。聖徳太子が輪廻転生できる唯一の存在だが、霊感は皆無。愛人である稲女の体内から聖徳太子が復活するのを目撃し、そのまま逃げ出す。後に聖徳太子の仏像造りに専念し、その数は三千体にも及んだ。
雲母 (きらら)
聖徳太子の妻であった膳大郎女の転生した姿。円心が聖徳太子の生まれ変わりだと告げて情交に及ぶ。聖徳太子復活後は、太子と行動をし、再び死霊と化した太子を見送る。
稻女 (いなめ)
円心を巡って雲母と争う。朝日とともに女陰から体内に侵入した聖徳太子が輪廻転生した際、腹を破られて死亡する。
蘇我 馬子 (そが の うまこ)
死後は毎晩、死霊と化した聖徳太子に八つ裂きにされる。聖徳太子に現世へ復活させる術を教えるが、それは輪廻転生の掟を破る邪法であり、霊界に太子を捕らえさせるための罠であった。実在の人物、蘇我馬子がモデル。
閻魔羅闍 (えんまらじゃ)
人類最初の死者にして、太陽の神ビバスバットの子。唾液は蛇、精液は八岐大蛇に変えることができる。輪廻転生を果たした聖徳太子を部下に捕らえさせて地獄に連行するが、共に王になりそこねた者同士ということで友情を結び、太子を地獄の摂政に据える。しかし、妻の弁財天が太子と浮気したことで嫉妬に狂い、新しい地獄を創造してそこに太子を放り込もうと企てた。 だが、釈迦が率いる地獄赤軍との全面戦争で地獄そのものが焦土と化し、弁財天も聖徳太子に寝取られて失脚する。
弁財天 (べんざいてん)
閻王の妻である絶世の美女。地獄に連行された聖徳太子に対して最初は性欲目的で迫るだけだったが、やがて夫の閻王を捨てて太子のもとに走るくらいの恋心を抱く。地獄解放戦線との全面戦争で地獄の窯から亡者が黄泉帰りしてからは、暴徒と化した亡者たちを怨霊体操でまとめあげる。
部長 (ぶちょう)
霊魂管理部の部長を務める地獄の鬼で、復活した聖徳太子に醜女と醜男を差し向ける。課長と醜女と醜男のどちらが聖徳太子を倒すか賭けをし、これに勝利して課長が囲っていた醜女を手に入れる。しかし、課長の讒言によって閻王の手にかかって死ぬ。
課長 (かちょう)
霊魂管理部の課長を務める地獄の鬼 で、部長と醜女と醜男のどちらが聖徳太子を倒すか賭けをして負ける。囲っていた醜女を渡したくないあまり、逃亡しようとしたところを部下に殺される。だが、死の間際に閻王へ部長の職務怠慢を告げ口した。
釈迦 (しゃか)
人類が犯した罪を地獄で一身に引き受けている。しわだらけでハエの漂う体は、数百万PPMの汚染物質と数百億の死界バクテリアによって浸食されている。実在の人物、釈迦がモデル。
醜女 (しこめ)
『超劇画 聖徳太子』に登場する化け物。A型とB型が存在する。A型は攻撃用ドドブスと呼ばれており、全身にウジ虫がたかった醜い姿をしている。目に染みる悪臭と上半身から生える無数の手で攻撃し、女陰から現われる蠍は人間の魂を吸い取る。B型は愛玩用で上半身は魚、下半身は女性という姿形をしている。
醜男 (しこお)
『超劇画 聖徳太子』に登場する、頭が魔羅の形をした男性タイプの化け物。一方は頭の魔羅から火雷を、もう一方は尻から黒雷を放つ。聖徳太子を倒すため、醜女A型攻撃用ドドブスと共に現世に送られるが、火雷と黒雷の相討ちで倒れる。
集団・組織
地獄赤軍 (じごくせきぐん)
『超劇画 聖徳太子』に登場する組織。シャカ族の亡者たちによって組織され、閻王から地獄を解放しようと活動している。黒縄地獄送りにされようとしている聖徳太子を脱走させて釈迦と面会させる。その後、閻王相手に全面核戦争を挑むが、それによって地獄は崩壊した。
場所
地獄
閻王こと閻魔羅闍によって切り開かれた世界で、恐怖の八大熱地獄や戦慄の八大寒冷地獄などがある。死霊が違法に輪廻転生しないように、霊魂管理センターが監視している。閻王は巨大な頭のような形をした大王庁にて執務を行う。また、釈迦もこの地獄で人類の罪を引き受けている。 地の底には罪人が埋まっているが、地獄の窯の蓋で封印されている。
磯長陵 (しながりょう)
聖徳太子の墓陵。輪廻転生した太子はまずここを訪れ、蘇我氏への復讐を誓う。だがそこへ地獄からの追っ手が襲いかかり、太子はこれと戦うべく再び死霊に戻った。
クレジット
- 原作
-
滝沢 解