あらすじ
ノワに恋心を抱くアイリ
乳児期に森の入り口に捨てられていた子イヌのアイリは、心優しいクマのノワに拾われ、そのまま大切に育てられてきた。クマのノワには冬眠する時期があり、そのあいだだけは知り合いのコウにアイリを託していた。そんなある日、冬眠から目覚めたノワは、アイリが大きく成長していることに気づく。そしてアイリはノワが大好きだと甘え、本能のままに身体を求めてくる。アイリは性の知識は乏しいものの、身体は確実に成犬になっていたのだ。アイリはノワと交尾がしたいと懇願し、ノワもつい彼の情熱に応じてしまう。そんな曖昧な関係が続く中、ついにアイリとノワは恋人同士となる。そしてアイリとノワは、ひょんなことから街にあるパン屋を手伝うことになる。
成長していくアイリ
働くことの楽しさを覚えたアイリは、街で郵便配達の仕事を始める。アイリは街の人たちとかかわりながら、人間関係や社会の仕組みについて学んでいく。仕事を通して成長していくアイリに対してノワは少し寂しさを覚えながら、彼が育っていくのを見守っていた。そんなある日、ノワ、コウ、ワタリはアイリが成犬になったお祝いパーティーを催す。このまま幸せな生活が続くのだろうと期待していたアイリだったが、ノワの自分に対する態度に違和感を覚えるようになる。
死者のお祭りへ
アイリとノワたちが住む島では、死者を迎えるお祭りが催されることになる。いつもよりも賑(にぎ)わいを見せる街の中で、アイリ、ノワ、コウの三人はグルメを堪能していた。さらにワタリから誘われ、三人はダンスパーティーにも参加し、慣れないながらも楽しい時間を過ごす。そしてアイリとノワは海の上で行われる、死者の魂を灯籠に模した行事に参加する。
メディア化
テレビアニメ
2022年7月より、本作『森のくまさん、冬眠中。』のテレビアニメ版『森のくまさん、冬眠中。』が、TOKYO MXで放送。インターネットでは、AnimeFesta、YouTubeほかで配信される。本作のアニメには「オンエア版」と「プレミアム版」があり、原作に近い大人向けの表現を用いたプレミアム版は、AnimeFesta限定で配信予定。また、オンエア版とプレミアム版ではキャストが異なり、アイリはオンエア版を天﨑滉平、プレミアム版を可惜未めいが、ノワはオンエア版を興津和幸、プレミアム版を夜乃かずおが演じる。
登場人物・キャラクター
アイリ
島の中にある森で暮らすイヌの青年。犬種は世界一大きいイヌといわれている「アイリッシュウルフハウンド」。乳児期に森の入り口に捨てられていたところ、クマのノワに拾われる。以降、ノワといっしょに暮らしているが、彼が冬眠しているあいだだけはコウの家で過ごしている。ノワと出会った頃は小さかったものの、現在は立派な成犬に成長しており、大人の身体つきをしている。ノワのことが大好きで、本能のまま彼の身体を求めてしまう。身体は大人だが、少年っぽい無邪気な性格で性の知識にも乏しい。
ノワ
島の中にある森で暮らすクマの青年。森の入り口で子イヌのアイリが捨てられているところを発見し、自分の家で大切に育てた。ノワ自身が冬眠する時には、知り合いのコウにアイリを託している。アイリのことはかわいい子供だと感じているものの、いつの間にか成犬に成長し、本能のままに身体を求めてくる彼のことを拒めずにいる。心優しく大らかな性格の持ち主。
コウ
島の中にある街で暮らすジャコウネコの青年。冬眠する必要がないことから、その期間だけノワからアイリを預かっている。口が悪くぶっきらぼうな人物に見えるが、困っている人は放っておけない親分肌なところがある。そのため、アイリとノワからそれぞれ相談を受けることも多い。また、ワタリから恋心を抱かれている。身長は低いものの、アイリやノワよりも年上。
ワタリ
島の中にある街で暮らすワタリガラスの青年。コウを介してアイリ、ノワとも知り合いになる。アイリと年齢が近く、彼の話し相手になることも多い。物静かで何を考えているかわからないミステリアスな人物。どんな時にもマイペースな性格で、やや方向音痴なところがある。以前は森で暮らしていたが、コウを好きになって街に移住した。飲酒をするとキス魔になる厄介な悪癖を持つ。
クロ
島の中にある街で暮らす柴犬の青年。幼い頃に火事に遭い、すんでのところでノワに助けられた過去を持つ。そのつながりでアイリとも友達になる。ノワは自身の命の恩人であることから、非常に尊敬している。明るくのんびりとした性格の癒し系。図書館の外にあるブランコに揺られながら、本を読むのを日課としている。
書誌情報
森のくまさん、冬眠中。 6巻 彗星社〈Glanz BLcomics〉
(2021-07-16発行、 978-4434288258)
第3巻
(2022-07-15発行、 978-4434302688)
第4巻
(2023-02-17発行、 978-4434312021)
第5巻
(2023-11-17発行、 978-4434325328)
第6巻
(2024-07-18発行、 978-4434338014)