先輩と後輩の「二度目」の恋の物語
上京して14年、東京暮らしと仕事にも慣れてきた編集者・宮田晃啓は、売れっ子准教授の岩永崇にコラムの執筆を依頼する。すると打ち合わせ場所にいた崇が、高校時代に付き合っていた初恋の相手だと知ってショックを受ける。そして晃啓は、崇に純粋な恋心を抱いていた10年以上前の黒歴史を思い出す。その後はあくまでビジネスライクの関係を貫いていた晃啓だったが、ひょうひょうとした態度で思わせぶりな発言をする崇に、仕事でもプライベートでも翻弄されることが多くなる。数十年ぶりに再会を果たしたことで動き出す、晃啓と崇の二度目の駆け引きだらけの恋愛模様が描かれる。
曲者大学准教授×純情出版社編集者
出版社に勤める宮田晃啓は、結婚も視野に入れた彼女と付き合いながら、仕事もプライベートもそこそこ順調な日常を送っている。現実主義者で天真爛漫な一面を持つ晃啓は、高校時代にあこがれの先輩・星澤崇と駆け落ちを約束するほどの大恋愛を、忘れたい黒歴史として封印していた。そんなある日、晃啓がコラムの執筆を依頼した大学准教授の岩永崇は、初恋の星澤先輩その人だった。崇は地元の高校では知らない人がいないほどの有名人で、名家に生まれた資産家のイケメン。恋愛経験も知識も乏しい高校生だった晃啓は、彼なりに崇に純粋な恋心を抱いていた。社会人になってからは過去の黒歴史を封印していたはずだったが、崇と顔を会わせる度に純情だった青春時代の思い出が甦る。
素直になれないアラサー男子
宮田晃啓は、初恋の先輩にはもう振り回されたくないと担当の変更を申し出るが、結局は岩永崇の希望で担当を続ける羽目になる。晃啓は崇との二度目の恋愛はありえないと思いながらも、付き合っていた女性にプロポーズする前にフラれたこともあり、ますます心が揺れ動いていた。日々、崇に翻弄されてばかりの晃啓は、いまだに崇への恋心を捨て切れていないと自覚するも、中々素直になれずにいた。しかしある日、泥酔した晃啓は崇の自宅で彼から介抱され、崇からもう一度付き合おうと告白される。一見、両思いの晃啓と崇の障害となるのは、三十路越えの男性に付きまとう理想と現実、そしてプライドだった。しかし、どんな状況でも仕事でかかわる関係の二人は、ある出来事をきっかけに距離が縮まっていく。
登場人物・キャラクター
宮田 晃啓 (みやた あきひろ)
出版社でビジネス誌の編集者を務めている男性。年齢は30歳。高校時代に先輩の「星澤崇」にあこがれて交際を始め、駆け落ちの約束までしていたものの、崇にからかわれていただけと気づき、キス止まりの関係のまま別れてしまう。かつては純情な一面もあったが、上京して社会人になってからは現実思考に切り換え、高校時代の崇との思い出は黒歴史として封印している。ロマンスは捨てて現実に生きると誓う中、偶然にもコラム執筆の依頼をしたことで崇と再会し、彼の担当編集者を務めることになる。崇には二度と振り回されたくないと決意を固めてビジネスライクな関係を貫こうとするが、つかみどころのない崇の一挙一動に翻弄され、反発しながらも彼への恋心が再び目覚める。高校時代に崇と別れたあとは何人かの女性と交際しており、上京後は福田あこと付き合っていたが、崇との関係に思い悩むあまり彼女との交際に集中できなかったため、プロポーズ直前にフラれてしまう。
岩永 崇 (いわなが たかし)
東応大学の准教授を務める男性。年齢は32歳。旧姓は「星澤」で高校卒業後に養子に出されたため、名字が「岩永」に変わっている。頭脳明晰で、男女問わず魅了する美しい容姿を持ったハイスペックなイケメン。助手の青年・白石優人とは肉体関係にある。高校時代に後輩の宮田晃啓と付き合っていたが、駆け落ちをする約束をお互いに果たせず、そのまま別れた過去を持つ。しかし数十年後、経済学コラムの執筆依頼を機に、出版社に勤める晃啓と再会する。高校時代からひょうひょうとした態度で本音を明かすことのない食わせ者で、恋人ではなくビジネスライクな関係を貫こうとする晃啓に、あの手この手でアプローチを繰り返す。仕事でもプライベートでも晃啓を翻弄しているが、本心では未練を断ち切れず、泥酔した彼を介抱したのをきっかけに、二度目の交際を真剣に考えるようになる。
書誌情報
恋をするなら二度目が上等 3巻 徳間書店〈Charaコミックス〉
第1巻
(2019-06-25発行、 978-4199607967)
第2巻
(2020-11-25発行、 978-4199608490)
第3巻
(2023-04-25発行、 978-4199609435)