あらすじ
第1巻
ふつうのサラリーマンの松竹アキラは、たこやき屋を経営する那須タカヒコと付き合っている。そんなBLカップルのもとへ、ある日、宅配便で小さな天使が届けられる。それは人間の生態を学ぶため、天界からやって来た見習い天使のうめだった。うめによれば、人間界の観察対象としてアキラが選ばれ、当分のあいだはアキラの家でいっしょに暮らすという。困惑しながらも仕方なく受け入れるアキラだったが、うめの言う「当分のあいだ」とは、100年にも及ぶ、人間にとってはあまりにも長い期間を意味していた。こうして、平凡なBLカップルと不思議な見習い天使の共同生活が始まる。(第1話。ほか、17エピソード収録)
登場人物・キャラクター
松竹 アキラ (しょうちく あきら)
サラリーマンをしている男性で、年齢は27歳。栗色のストレートヘアで、眼鏡を掛けている。同じ高校に通っていた那須タカヒコと付き合って10年になる。松竹アキラが受けで、タカヒコが攻めのBLカップル。一人暮らしをしているアキラの家へ、タカヒコが週の半分やって来ていたが、見習い天使のうめとふじがやって来たことを契機に同棲をすることになる。男同士で付き合っていることに引け目を感じており、周囲には隠している。
那須 タカヒコ (なす たかひこ)
たこやき屋を経営している男性で、年齢は27歳。黒髪の短髪で、がっしりとした体格をしている。同じ高校に通っていた松竹アキラに何度もフラれるものの、交際を始めて10年になる。アキラが受けで、那須タカヒコが攻めのBLカップル。母親は経営しているたこやき屋本店の店長を務めている。アキラと交際していることはすでに家族にカミングアウトしているものの、そのことはアキラには黙っている。いつも落ち着いた頼りがいのある人物で、何かと悩みがちなアキラをサポートしている。大学生になる妹がいる。
うめ
松竹アキラのもとへやって来た見習い天使で、体長は40センチほど。黒髪に大きな黒い瞳を持ち、見た目は和風の女の子。一人称は「わらわ」で、語尾に「じゃ」を付けてお姫様のような口調でしゃべり、つねにポーカーフェイスで態度が大きい。食べることが大好きで、那須タカヒコのお店のたこやきが大好物。自分の頭ぐらいの大きさのドーナツも、両手で支えながら器用に食べる。歌をうたうことを役目とする「うたうたい」で、その歌には恵みと癒やしをもたらす力がある。うたうたいはめったに生まれない貴重な天使で、この世界の均衡を保つために非常に重要な存在といわれる。
ふじ
那須タカヒコのもとへやって来た見習い天使で、体長は40センチほど。金髪と青い瞳を持ち、見た目は西洋人のかわいらしい男の子。しかし天使には性別がないため、タカヒコといっしょにお風呂に入って裸を見られた際は、「ついてない」とタカヒコに驚かれた。うめと比べるとしっかり者で、敬語を使った丁寧なしゃべり方をする。また勉強熱心なまじめな性格で、よく人間の本を読んでいる。いずれは天界で重要な役割を担うであろうと期待されている、天界の幹部候補生。
萬里 ハルオ (ばんり はるお)
子供服を作る仕事をしている男性で、年齢は27歳。松竹アキラ、那須タカヒコとは高校時代からの付き合いで、今も仲がいい。かわいいものが大好きで、うめとふじを一目見て気に入り、うめとふじの服をたくさん手作りして持ってきた。アキラとタカヒコが付き合っていることは昔から知っており、二人が同棲を始めたことを祝福している。
ズィズ
天界の老人で、白い真っすぐな髪と顎鬚を長く伸ばしている。一人称は「わし」で、語尾に「じゃ」と付けてしゃべる。うめとふじの教育係を務めており、二人に名前を付けて地上に遣わした。時折、二人の様子を見るために地上界へやって来るのだが、老人の姿だと警官から職務質問されることが多いため、地上界では宅配便の若い男性配達員の見た目に変身している。うめからは「じじい」、ふじからは「先生」と呼ばれている。