極道めし

極道めし

協力・大西祥平。漫画・土山しげるによる作品。食べ物の思い出話で一番多く喉を鳴らさせた者が勝者となる、異色の人情グルメマンガ。全国の刑務所を舞台に旨いもの話を競う、様々な服役囚どうしの勝ち抜き戦を描く。

正式名称
極道めし
ふりがな
ごくどうめし
作者
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概要・あらすじ

正月の刑務所で特別に出されるおせち料理を賭けて、旨いもの話で聞き手の喉を鳴らせることを競う囚人たち。舞台は浪花南刑務所から始まって全国各地の刑務所の雑居房に移り、様々な囚人たちが話術を尽くして旨いものの話を展開。やがて旨いもの話で無敵を誇る話王の存在が明らかになり、元祖話王、麺王など、ズラリ顔を揃えた話王たちによる『話王』大喜利大会が極秘裏に刑務所内で開催される。

登場人物・キャラクター

西村 作太郎 (にしむら さくたろう)

戦前に財閥の御曹司として生まれたが、戦火によって財閥は消滅し、孤児となってしまう。それでも戦後の焼け野原に出来た闇市で旨いもの話を売り、粗末な食べ物を美味しく感じさせる飯小僧として評判になって、15歳の時に貯めた金で西村商事を起業。西村家の再興を目指す。ところが28歳の時に泥酔による看板損壊で逮捕され、同じ房の者たちに旨いもの話をして喜ばれたことから、それが天性の仕事と実感。 以後旨いもの話を一番喜んでくれる懲役囚たちの顔を見るため、微罪での刑務所への出入りを繰り返し、話王と呼ばれる旨いもの話の達人となった。現在も70歳を超えて服役中。

竹林亭 梅松 (ちくりんてい ばいしょう)

45歳の噺家。芸歴25年の上方落語家の中堅で、刑務所での慰問公演を続けている。そのため無敗の話王の存在を知り、客を話の中に引きずり込む話術をつかむため、刑務所所長と副所長に調査を依頼。その結果わかった全国の話王を訪ねて旨いもの話を聞き歩いた。その後全国の話王を刑務所に集めて極秘の『話王』大喜利大会が開催された時は、司会進行と審査員役を頼まれている。 高座でも伝え聞いた旨いもの話を披露していた。

話王ナンバー2

某刑務所305号房の40歳前後の新入り服役囚。パンの耳の揚げ物の旨いもの話で同房の四人の喉を鳴らさせるなどして三連勝に輝き、翌年夏に出所したものの、半年後に山口の壇ノ浦刑務所に入所して再び連勝。この際、前年のおせち料理勝負で満点を取ったヤクザが聞き手の囚人たちを買収したうえで一対一の勝負を挑んだが、鍋焼きうどんの話でこの時も圧勝し、もう一人の話王の異名を取った。 『話王』大喜利大会に招かれて出場した際は話王ナンバー2の仮の名で呼ばれ、「ラーメン話」の寸劇では元祖話王と親子の役を演じた。

佐伯 裕次郎 (さえき ゆうじろう)

38歳で3年2か月の懲役刑となった服役囚。話王の一人で「麺王」「麺屋」「麺太朗」などと呼ばれる、麺類の旨いもの話の達人。子供のころからの麺類好きで、高校卒業後に中京の小さな自動車修理工場に勤め、全国の麺を食べ歩いていた。その後退職して、即席麺会社の面接官に麺話をして気に入られ、商品開発部で新商品を試食する毎日を送る。 やがて新商品「清々しいラーメン」を開発したものの、新参者を妬む先輩たちから嫌がらせをされたことに切れて暴れ、刑務所に。「麺の食べ方には美しさが必要」を持論としている。

御子 柴丈治 (みこしば じょうじ)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。懲役4年。房内での旨いもの話の仕切り役。元捜査一課の刑事だったが、上層部の罪を被せられてクビにされた後、闇金屋になって逮捕された。岡山の田舎の警察署で刑事課の新入りになった時、窃盗前科20犯の強盗犯を追って山の中で逮捕したことがあり、だが共に道に迷ったあげく、農家に助けられている。 旨いもの話は、その時に朝飯で出された生卵かけ御飯。

八戸 伍三郎 (はちのへ ごさぶろう)

浪速南刑務所・雑居房204号室で最年長の服役囚。房内での旨いもの話には三年前から話者として参加することをやめ、進行役に専念している。戦争体験のある高齢者のため、全員が旨いもの話を語り終えた後で、それにちなんだ旨いもの絡みの体験談を付け加えることが多い。懲役6年。病気のため、年明け早々に医療刑務所に移された。

相田 俊介 (あいだ しゅんすけ)

浪速南刑務所・雑居房204号室の新入り服役囚。六軒のホストクラブを経営するエリート大学生だったが、ホストに暴行を加え、女性客を監禁したため、懲役3年の判決が下されて服役中。旨いもの話は大学2年生の時、熊本に旅行して食べた馬刺しの話だったが、得点にはならなかった。

野沢 正彦 (のざわ まさひこ)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。33歳。18歳の時に恐喝と暴行傷害で少年院に入ったが二年後に脱走し、実家近くのどて焼き屋で店の親父が出してくれたどて焼きを一本食べたところで警察に捕まった。懲役3年。仮釈放後、刑務所前の食堂でカツ丼を食べ、その三ヶ月後に万引きで捕まって再び入獄している。

南 真太 (みなみ しんた)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。懲役5年。ギャンブル中毒のためヤクザに借金したが、逃げようとして捕まり、地元の福井の漁港から遠洋漁船に乗せられる前に食べたソースカツ丼のことを旨いもの話で話している。

小津 弘 (おづ ひろし)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。某メーカーの営業マンだったがフィリピンパブにはまり、会社から1億円を横領して警察に捕まった。懲役2年。旨いもの話は九州への営業から日帰りした時に東京の山手線の駅構内で食べた、立ち食いそば屋のかき揚げそば。

荒木 健作 (あらき けんさく)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。中学校卒業後、家出して働いていた立ち食いそば屋をクビになったところを誘われてヤクザになった。組の下っ端だった時、兄貴分が残した出前の餃子入り中華スープのことを旨いもの話で話している。懲役5年。

片岡 洋 (かたおか ひろし)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。裏口入学の斡旋や、積立金の横領などにより捕まった中学教師。懲役2年。旨いもの話のネタは名古屋から大阪の学校に赴任して、お好み焼き屋だった生徒の家を家庭訪問した時に食べたお好み焼き。

坂井 直次 (さかい なおつぐ)

浪速南刑務所・雑居房204号室の服役囚。懲役4年を言い渡されて服役中の詐欺グループのリーダーで、10犯の前科がある。幼い頃、工場の倒産により経営者だった父親が蒸発。母親から和歌山の山奥に住む貧しい祖母の元に預けられた時、運動会で祖母が無理して作ってくれた寿司弁当が旨いもの話のネタだった。

矢嶋 健作 (やじま けんさく)

57歳。浪速南刑務所・雑居房204号室における旨いもの話の、昨年の優勝者。若い時は噺家だった。その後長年勤務した会社をリストラされて一家離散してしまい、建築現場の作業員になった時にアパートの自室で食べたインスタントラーメンのことを旨いもの話で語っている。

クレジット

協力

大西祥平

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