花のズボラ飯

花のズボラ飯

水沢悦子の代表作の一つ。原作は『孤独のグルメ』などで知られる久住昌之。現代日本を舞台に、夫の単身赴任により一人暮らしとなった30歳の主婦、花が、手抜き料理を「ズボラ飯」と称して楽しみながら一人の食事時間を満喫する物語。物語は花が空腹状態で切羽詰まった状況から始まることが多い。トーストコロッケサンド、お茶漬け海苔パスタ、カレーうどん鍋といった「今あるものですぐにできるもの」を中心とした手軽な料理が1話につき1品以上登場し、料理の作り方から食べる瞬間まで主婦の視点で描かれる。本作は、手抜きメニューをテーマにしたグルメ漫画である。「早い、うまい、安い」の三拍子を重視した料理描写、一人で食事を楽しむという設定が特徴である。同じく久住昌之が原作を手がけた『孤独のグルメ』と共通点が多いことから「女版孤独のグルメ」として言及されることもある。秋田書店「Eleganceイブ」2009年6月号から2015年10月号まで連載。2011年に「このマンガがすごい!2012」オンナ編第1位に選ばれた。テレビドラマ化され、2012年10月から12月まで放送された。

正式名称
花のズボラ飯
ふりがな
はなのずぼらめし
原作者
久住 昌之
作画
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
グルメ
レーベル
秋田書店
巻数
既刊3巻
関連商品
Amazon 楽天

作品の概要

基本情報

水沢悦子の代表作の一つ。原作は『孤独のグルメ』などで知られる久住昌之。

要旨と舞台設定

現代日本を舞台に、夫の単身赴任により一人暮らしとなった30歳の主婦、駒沢花の日常を描く物語である。花は手抜き料理を「ズボラ飯」と称して楽しみながら、一人の食事時間を満喫する生活を送っている。「今あるものですぐにできるもの」を中心とした簡単な料理作りと、それを一人で味わう時間に焦点を当てている。

ストーリー展開

物語は、花が空腹で切羽詰まった状況から始まることが多く、トーストコロッケサンド、お茶漬け海苔パスタ、カレーうどん鍋、鯖(さば)の水煮缶丼、きざわさアボカ丼といった手軽な料理が1話につき1品以上登場する。各話では料理の作り方から食べる瞬間まで、主婦の視点で描かれており、花の表情や心理描写を通じて食事の楽しさが表現されている。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、手抜きメニューをテーマにしたグルメ漫画である。「早い、うまい、安い」の三拍子を重視した料理描写、一人で食事を楽しむという設定が特徴である。同じく久住昌之が原作を手がけた『孤独のグルメ』と共通点が多いことから「女版孤独のグルメ」として言及されることもある。

作品固有の表現技法と特徴

材料の準備から調理過程、完成までの流れを詳細に描き、花の食事シーンでは頬を紅潮させて涙を流し、豪快な食べっぷりで満足度全開の様子を伝える。また、話数表記に「○皿め」という独自の表記法が採用されている。

世界観の構築と設定

現代日本の一般的な家庭環境が設定されており、単身赴任を背景とした夫婦関係、一人暮らしの主婦という立場が物語の基盤となっている。料理に関する実用的な知識も物語の中で描かれ、読者が実際に作ることができるレシピとしても機能している。

連載状況

秋田書店「Eleganceイブ」2009年6月号から2015年10月号まで連載。

受賞歴

2011年「このマンガがすごい!2012」オンナ編第1位。

メディアミックス情報

テレビドラマ

2012年10月から12月まで放送。

あらすじ

夫・ゴロさんが単身赴任となり、主婦・駒沢花(ハナコ)は日々堕落した生活を送る。家の中ではTシャツとパンツ、脱いだ洋服は床に放置、空き缶や空き箱のゴミは台所や机の上にと、ズボラな彼女のご飯はかなりの手抜き。鮭フレークとマヨネーズを混ぜたものを乗せて焼いただけのトースト、コンビニのおにぎりに梅干しとワサビを加えてお湯をかけただけの簡易お茶漬けなど、まさにズボラ飯

そんな彼女は今日も新たなズボラ飯を生み出していく。

登場人物・キャラクター

駒沢 花 (こまざわ はな)

東京に住む30歳(連載開始当初)の主婦。夫であるゴロさんが単身赴任することになり、家の留守を預かっている。電車で3駅先の本屋にパート勤務しており、そこの店長の奥さんが作るおしるこに目がない。テンションが上がると自身のことを「ハナコ」と呼ぶ。ダジャレが好きでボキャブラリーが豊か、楽しい人物像を思わせるが、意外にも気性が激しく、パート先の客に脳内で痛烈なツッコミを行うことも。 ズボラな性格が災いしてか、家の中はかなり散らかっている。また、手間いらずで美味しい手抜きご飯(ズボラ飯)を好む。ただし、料理は苦手というわけではなく、夫のゴロさんが帰ってくる際は手間暇かけた料理を作る。大学自体に病気をして、子どもができにくい体になっているため、たまに親子を切ない表情で見つめている。

ゴロさん

駒沢花の旦那で現在は長期の単身赴任中。福岡市、神戸など、各地を転々としているほか、シンガポールにも出張することがある。『花のズボラ飯』の作中では顔や姿、会話などの描写がなく、駒沢花からの視点で語られているのみとなる。彼女曰く、惚れ惚れするほどの食べっぷり、綺麗好き、非喫煙者の男性。

店長 (てんちょう)

駒沢花がパート勤務している本屋で店長をしている男性。柔らかい口調が特徴的だが、話が長く、愚痴っぽくなることも多い。その点は駒沢花も苦手としている。愚痴っぽくなる際は「正直な話」を多用する。店長の奥さんが作るおしるこは絶品で、駒沢花が真剣な表情で自分の分も作ってきてほしいと頼み込むほど。

高円寺 (こうえんじ)

駒沢花の隣の家の住人。男女で登場するがどちらが「高円寺」であるかは不明。結婚する予定はないようだ。駒沢花からは度々、ヒッピーの生き残りのような人物や、ジョン&ヨーコやりたいカップルと称される。頻繁に駒沢花の家に訪れ、さまざまな食材のおすそ分けをする。

小野 (おの)

駒沢花の隣の家の住人。男女で登場するがどちらが「高円寺」であるかは不明。結婚する予定はないようだ。駒沢花からは度々、ヒッピーの生き残りのような人物や、ジョン&ヨーコやりたいカップルと称される。頻繁に駒沢花の家に訪れ、さまざまな食材のおすそ分けをする。

ミズキ

年齢は駒沢花と同じ30歳(連載開始時)。駒沢花の大学時代の親友で、当時は「ハナミズ」と呼ばれていたほど一緒にいることが多かった。現在でもその友好は続いており、たまに駒沢花の家に訪れている。職業はプロのイラストレーターで、駒沢花いわく、働いている本屋でミズキのイラストを見ることも多いようだ。 彼氏と半同棲している。

ウッチー

駒沢花の大学時代の友人。既婚の男性。現在は幸せ太り真っ最中。なぜかガスケツと同じタイミングで答えるという癖をもっている。

ガスケツ

駒沢花の大学時代の友人。眼鏡をかけた男性で、学生時代からという年季の入ったオーディオオタク。オーディオビジュアル(AV)関係意外に興味がなく、休日は秋葉原でAV機器をあさって時間を潰している。そのためなのか、現在独身。

お母さん (おかあさん)

駒沢花の母親。性格は駒沢花とは違い几帳面。料理好きなので、風邪を引いた駒沢花に、ズボラな彼女の性格を熟知したうえで簡単なレシピを教えることも。しかし、それのせいで駒沢花には適当な性格の人物と思われているフシがある。

お父さん (おとうさん)

駒沢花の父親。頭髪が薄い。無口だが温厚な性格。駒沢花のことを「花助」というアダ名で呼ぶことがある。

場所

(いえ)

主婦である駒沢花と、その夫のゴロさんが暮らす家。現在ゴロさんは単身赴任で不在。駒沢花のズボラな性格が災いして、家の中はゴミや脱いだままの洋服などで床が見えない状態となっている。また、冷蔵庫の中も食材がみっちり詰まっている。隣の家には高円寺&小野が住んでいる。また、駅からは20分の距離で、途中に「ファミストア24」と「コンビニマート」というコンビニがある。

本屋 (ほんや)

『花のズボラ飯』の登場人物・駒沢花がパート勤務している場所。駒沢花の家から電車で3駅の場所に位置している。

パン屋 (ぱんや)

『花のズボラ飯』の登場人物・駒沢花がパート勤務する本屋への通勤経路にあるお店。笑顔が素敵な店長とバイト君が働いている。駒沢花は度々このパン屋に寄ってパンを購入している。焼きたてのパンの匂いにつられて立ち寄ることもしばしば。

その他キーワード

ズボラ飯 (ずぼらめし)

『花のズボラ飯』の登場人物・駒沢花が作る、手抜きでも美味しいご飯のこと。卵かけご飯や、鮭フレークとマヨネーズを混ぜて食パンに乗せ、トーストしたものなど、「料理」とは呼びにくいものから、隠し味にそばつゆを使った超簡単キムチチャーハンや、インスタントラーメンに野菜炒めを乗せたお手軽料理まで、さまざまな種類が存在する。

クレジット

原作

書誌情報

花のズボラ飯 3巻 秋田書店

第3巻

(2015-11-01発行、978-4253106115)

SHARE
EC
Amazon
logo