概要・あらすじ
宇宙世紀0067年、アメリカのライアント重工業で60フィート(約18メートル)サイズのロボットシステムの開発に取り組むワルハマー・T・カインズとテレンス・リッツマン。会社による秘密裏の妨害により何度も失敗するが、発想を転換した結果ついに成功する。そしてこのデータは、12年後の一年戦争で機動兵器を開発する際に役立つのだった。
登場人物・キャラクター
ワルハマー・T・カインズ
宇宙世紀0067年にはライアント重工業、宇宙世紀0079年には地球連邦に所属する工学博士。宇宙世紀0067年の頃から未来を見据えて動力となる融合炉を積める60フィートのロボットシステムの開発に取り組む。何度も失敗するが、部下のM・岡部の何気ない一言で発想を変えて突破口を思いつき試作機の開発に成功する。その後、宇宙開発者の内乱が頻発し、メンバーは四散してしまう。 カインズは地球連邦に入り、宇宙世紀0079年にゼファーガンダムと名づけた新しいロボットシステムを開発する。そして中国江蘇省でゼファーガンダムの初陣を皮切りに、宇宙での戦いまで帯同して戦闘データを取り続けた。
テレンス・リッツマン (てれんすりっつまん)
ライアント重工業でワルハマー・T・カインズと共にロボットシステムを開発する工学博士。開発メンバーが散り散りになった後はジオン公国に所属し、宇宙世紀0079年にカタールを開発する。
エリシア=ストックウェル (えりしあすとっくうぇる)
代々軍人の家系の出で、地球連邦に所属する女性。ゼファーガンダムに搭載しているコンピュータに自我を形成するプログラミングを入力する。戦後は運用の難しさから制式採用を見送られたゼファーガンダムの封印に立ち会う。
エファ=ガラドリアル (えふぁがらどりある)
新型モビルスーツカタールのパイロットを務めるジオン公国の軍人。階級は准尉。アド・ガーンズバックの戦艦に補充パイロットとして送られ、ソロモンの戦いでゼファーガンダムと死闘をくり広げ、ゼファーガンダムに深手を与えることに成功。しかし活動限界の近いカタールでアドたちが撤退する時間を稼ごうとしたところ、逆にゼファーガンダムにやられてしまう。 カタールは爆発するが、エファはゼファーガンダムによって救い出されるのだった。
アド・ガーンズバック (あどがーんずばっく)
ジオン公国のムサイ級巡洋艦「地獄の鷹号(ヘル=ホーク)」の艦長。口は悪いが戦艦同士の戦いや状況把握に秀でている。ソロモンでの戦いの窮地も機転で対処し、終戦まで生き延びる。そして戦後は宇宙自衛警察軍を率いることになる。
その他キーワード
ゼファーガンダム
ワルハマー・T・カインズが開発した無人機動兵器。形式番号はRX-79EX-1。機体名の「ゼファー」は、カインズの故郷で吹く強い西風が由来。人が乗り込まないため、人間が耐えられないほどのGが発生するような高速機動や長時間の活動も可能となっている。搭載コンピュータがその場で判断して行動し、まるで人が操縦しているように動作する。 主兵装は短銃と背中にある2本のビームサーベル。さらに両肩にシールドを装備しており、機体装甲も非常に硬い。ソロモンでの戦闘でジオン公国の新型モビルスーツカタールと戦い、損傷するものの勝利を収める。しかし無人機ゆえに運用が難しく、戦後は封印された。
カタール
テレンス・リッツマンが開発したジオン公国の新型モビルスーツで、パイロットのエファ=ガラドリアルといっしょにアド・ガーンズバックの戦艦「地獄の鷹号(ヘル=ホーク)」に配備される。形式番号はMS-19N。ステルス機能や対ビーム装甲を持ち、地球連邦の量産型モビルスーツ数機をあっという間に撃破できるほどの戦闘力を誇る。 ソロモンでゼファーガンダムと交戦し有利に戦闘を進めるが、ヘル=ホークの撤退時間を稼ぐためにエネルギー切れの状態で戦い続けてゼファーガンダムに撃破される。