正義警官モンジュ

正義警官モンジュ

田舎に赴任したロボット警官モンジュの日々の奮闘を描くSF漫画。正義のあり方を問うシリアスなストーリーが根底に流れアクションシーンも多いが、ドタバタ系ギャグとしての側面もある。

正式名称
正義警官モンジュ
ふりがな
せいぎけいかんもんじゅ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

対犯罪用汎用兵器として開発されたロボット警官モンジュは、量産型の後継機が起こしたトラブルが原因で田舎の交番に左遷された。だがモンジュそのものにも問題があった。動力が原子力であること、そして特定条件下で相手に容赦のない攻撃を行う「正義の執行」プログラム。モンジュは相棒の警官山岸順平や町の人々との交流から人間の心を学び、プログラムを克服していく。

登場人物・キャラクター

モンジュ

対犯罪用汎用兵器ギンセイのプロトタイプとして作られたロボット警官。頭部は旧ドイツ軍ヘルメットを被ったカエルに似ており、頭頂部から生えている一対のアンテナ(耳)がパタパタ動く。ボディーカラーは白。太めのガッシリした体型で、人間の警官と同じ制服を着用。 右腕の内部には銃器・刃物など数種類の武器を収納。動力は原子力。泣くと目からレンズ洗浄液が出る。特定条件下で容赦のない攻撃を行う「正義の執行」プログラムが組み込まれているが、感情や心が成長することでその発動を押さえ込める。市販ソフトのデータをインストールすることで料理や麻雀も習得可能。 当初は東京で運用されていたが、モンジュをベースにした量産型ロボットギンセイが放射線漏れ事故を起こしたことと、「正義の執行」プログラムが問題視され、田舎町の交番に左遷される。

山岸 順平 (やまぎし じゅんぺい)

警察官で階級は巡査。26歳。彼の郷里である田舎町の交番に勤務。ロボット警官モンジュの相棒。モンジュが金属製である事も顧みず、しばしばモンジュの暴走を止めるため素手で殴りつける。グータラであるが熱血漢の一面もあり、モンジュのことを常に気に掛けている。 やや垂れ目で髪を金髪に染めている。抜け毛を気にしているが、これはモンジュの放射線とは無関係で、遺伝的にハゲる体質。非常にスケベであり、交番の机の引き出しにはエロ本がしまい込んである。いつも女性にモテたいと思っているがモテない。モンジュの調査のため赴任してきた神谷シノとは犬猿の仲だが、惹かれている部分もある微妙な関係。 高校野球のピッチャーだった頃に肩を壊し、それ以来、肩関節を自由に外せる。実家は花屋。

神谷 シノ (かみや しの)

警察官で警視庁ギンセイ開発部所属。ツリ目でショートカット、眼鏡を掛けた女性。メカフェチ。対人関係が若干苦手で躁鬱気味。ロボット警官を開発するギンセイプロジェクトを、発案者の柳総一郎が失踪した後に引き継いだ人物。モンジュがたまたま東京に出てきた際、自分の開発したロボット警官シンヨウと対決させるため接近。 その後はモンジュの監視・調整を目的にモンジュのいる田舎の町に常駐するようになる。モンジュの相棒山岸順平とは犬猿の仲だが、惹かれている部分もある微妙な関係。かつてネットアイドルかみやんとして「ろ~らちぇいん♥」という電波満載のウェブサイトを開設していた。

シンヨウ

『正義警官モンジュ』に登場するロボット。ロボット警官を開発するギンセイプロジェクトの第3世代。烏帽子兜のような頭部にバイザー状の目、マスク型の口をしている。体型はスマートでスーツ姿、両手の指は刃になっている。接近戦重視型。開発途中のため背中にケーブルが接続されている。第2世代のロボット警官モンジュ以上のスピードを持つが、「パワー」や「学習能力」では劣る。 開発者は警視庁ギンセイ開発部の神谷シノで、シンヨウの名は彼女の亡くなった飼い犬が由来。モンジュとは3度対決するが、2度敗退。3度目は大幅に改良され頭部デザインが異なり、ケーブルなしでも行動可能になった。

柏木 源一 (かしわぎ げんいち)

ロボット警官モンジュが左遷された田舎の町の長老で、老人達のまとめ役。背は低く禿頭で、顎ひげを生やしている。元警察官。現役当時は対犯罪本部本部長で、武力以外による犯罪抑止を考えていた。ロボット警官の開発を目指すギンセイプロジェクトの発案者柳総一郎から計画開始前に相談を受けていたためモンジュの事も知っており、モンジュを自分の住む町に赴任させるよう働きかけた。 息子は柏木総監。孫はモンジュトと特に仲の良い柏木真奈であり、彼女のことを溺愛している。

柏木 真奈 (かしわぎ まな)

小学生女子で、ロングヘアにスレンダーな体型。喘息の持病があるがヤンチャ。ロボット警官モンジュが左遷された田舎の町の長老、柏木源一の孫。父の柏木総監が仕事に忙殺され家庭を顧みなかったため、母は家を出てしまう。柏木真奈は両親の不仲を自分の体のせいだと考えている。 療養を兼ねてモンジュのいる田舎町に引っ越してきた。喘息の発作を起こした際にモンジュに助けられて以来、モンジュに懐いている。

ロボ・ピープル君 (ろぼ・ぴーぷるくん)

『正義警官モンジュ』に登場するロボット。ロボット警官を開発するギンセイプロジェクトの第1世代。元警視庁特殊企画課所属、キャンペーン用のマスコット・ロボ。自称する際は「ロボ・ピープル」と名乗る。オレンジ色の着ぐるみを着用し、青いマントを着けている。接待が可能なようにアルコールが飲めるようになっており、手品も会得している。 口調はハードボイルド調でやや口が悪く、煙草も吸う。破棄が決まっていたところを逃亡、その後ロボット警官モンジュが左遷された田舎町にモンジュを訪ねて現れる。モンジュを勇気づけ、彼と別れた直後、警視庁特殊部隊の狙撃により破壊された。

柳 総一郎 (やなぎ そういちろう)

科学者で、ロボット警官を開発するギンセイプロジェクトの発案者。長髪を首の後ろで縛っており、眼鏡を掛けている。当初ロボットのコミュニケーションによる犯罪抑止を考えてプロトタイプのロボ・ピープル君を製作。だが妻子を国籍不明のドラッグ中毒少年の無差別殺傷事件で失い考えを変え、第2世代のロボット警官モンジュに、過剰なまでに犯罪者に攻撃を加える「正義の執行」プログラムを組み込む。 モンジュ完成後に失踪して黒部ダム付近に潜み、モンジュの予備パーツを使ってフゲンというロボットを完成させる。その後何らかの事情により死亡。 遺体はロボ・ピープル君の手で隠れ家近くの小さな墓に葬られたものと思われる。

三堀 俊也 (みつほり としなり)

警察官で、特殊武装機動隊の指揮官。目が非常に細い。三堀ミキという妹がいるが、彼女はギンセイプロジェクトの失敗により生まれた東京スラム由来の犯罪に巻き込まれ、目が不自由になっている。そのため、彼は遠因であるモンジュを憎んでいる。素手の格闘に長けている。 慇懃無礼でサディストの気があり、モンジュの相棒山岸順平やギンセイ開発部の神谷シノとは仲が悪い。だが一方でネットアイドル時代の神谷シノを気に入っており、当時の画像やウェブサイトのデータを保存している。

フゲン

『正義警官モンジュ』に登場するロボット。ロボット警官モンジュの予備パーツを使って作られておりモンジュと酷似している。頭部は旧ドイツ軍ヘルメットを被ったカエルに似ており、頭頂部から生えている一対のアンテナ(耳)はモンジュより長い。ボディーカラーは赤。太めのガッシリした体型で、一部に赤い包帯を巻きマントを着用。 右腕の内部には銃器・刃物など数種類の武器を収納。動力は原子力。特定条件下で容赦のない攻撃を行う「正義の執行」プログラムが組み込まれている。モンジュの場合は感情や心が成長することでこれを制御できるが、フゲンの場合は戦闘に無関係のデータは一定期間で消去されてしまうため、躊躇なく犯罪者を殺害する。

若宮 里緒 (わかみや りお)

警察官でロボット警官の開発を目指すギンセイ開発部所属。赤い髪で短めのツインテールの女性。関西弁でしゃべり、凶暴な性格。近接格闘のエキスパートであるが、三堀俊也の率いる特殊武装機動隊には入れなかった。そこをギンセイ開発部の神谷シノにスカウトされ、ロボット警官シンヨウに格闘技をトレースさせる役を命じられた。 神谷シノに心酔しているが、彼女がロボット警官モンジュにかかりきりになっていたのを不満とし、シンヨウを作り直してモンジュと対決させた。対決後は、モンジュの暮らす田舎の町に度々訪れるようになる。霊などが苦手。

下尾 葉月 (しもお はづき)

警察官でロボット警官の開発を目指すギンセイ開発部所属。黒髪でロングヘア、目は小さい。ロボット警官モンジュの相棒山岸順平の見立てでは、胸はFカップ88㎝。コミュニケーションが苦手なタイプでやや吃音気味、いつも携帯電話をいじっている。メカフェチ。 ギンセイ開発部の神谷シノに心酔しているが、彼女がロボット警官モンジュにかかりきりになっていたのを不満とし、ロボット警官シンヨウを作り直してモンジュと対決させた。対決後は、モンジュの暮らす田舎の町に度々訪れるようになる。後に一時的に神谷シノと反目する三堀俊也に協力する。 霊感があると自称している。

高杉 鈴太郎 (たかすぎ りんたろう)

警察官。政府高官の息子で幹部候補生。ロボット警官モンジュとその相棒の巡査山岸順平が、フゲンというロボットと対決するため東京に行っている間、彼らが赴任している田舎町の交番で代理を務めた。町の長老で元警官の柏木源一とは旧知の仲。 表情はにこやかだが言動は暑苦しい。海外歴が長く上品ぶっているが、飲み物を飲む際に口元にこぼす癖があるなど、上品さに欠く面がある。東京に帰ってからはモンジュを再評価し治安維持に利用するため策謀を巡らせる。基本的には正義感の強い人物である。

その他キーワード

ギンセイプロジェクト

『正義警官モンジュ』劇中に登場するプロジェクト。対犯罪用汎用兵器部隊としてロボット警官を量産し配備するのがその骨子。発案者の柳総一郎は当初ロボットのコミュニケーションによる犯罪抑止を考えてプロトタイプのロボ・ピープル君を製作。だが計画進行時には技術面のみが注目された。続くプロトタイプのモンジュを完成させた時点で柳総一郎が失踪。 モンジュが一定の成果を上げたため新型ギンセイが開発・量産されたが、動力源に問題があり放射線漏れを起こす。東京郊外の一部が放射線汚染により封鎖。当該地域は東京スラムと呼ばれる犯罪の温床と化した。このため計画は一時中断され、モンジュは田舎に赴任させられ、経過を観察することとなった。

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