毛糸玉にじゃれないで

毛糸玉にじゃれないで

高校受験を目前にして、有名進学校の一高に入るようにプレッシャーをかけてくる母のために悩む女子中学生の小川むつきが、拾った子猫・バタのおかげで目的をしっかり持った男子・星と長い会話をして、自分の望む進路を自分で決定する、という青春、成長、短編漫画。

正式名称
毛糸玉にじゃれないで
ふりがな
けいとだまにじゃれないで
作者
ジャンル
 
青春
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概要・あらすじ

高校受験を目前にして、有名進学校に入るには成績のラインがギリギリで志望校選択に悩んでいる女子中学生の小川むつき。ある日キャベツ畑で子猫を拾い、受験の妨げになるからと反対する母を押し切って飼うことにしてしまう。むつきはテスト中にカンニング疑惑をかけられるが、男子のが誤解を解く発言をしてくれ、以後彼女はを気にかけるようになる。

成績がなかなか上がらずむつきが苦しんでいる最中、母はそそうを理由に子猫を捨ててしまう。慌てて探しに飛び出したむつきは、子猫を保護していたに公園で会う。と会話を交わし、まわりに流されず自分の考えを大切にする彼の言葉に、むつきも自分の進路を考えなおす。

そして彼女は自分の心に正直な新たな決断へと踏み出すのだった。

登場人物・キャラクター

小川 むつき (おがわ むつき)

中学3年生の女子。黒髪で真ん中分けのセミロングの髪型で、ときどき眼鏡もかける。高校受験を目前にして、有名進学校の一高に入るには成績のラインがギリギリで、志望校選択に悩んでいる。家は裕福で、母はむつきが一高に入ることを望んでおり、プレッシャーをかけている。科学が得意だが、英語が苦手。 深夜の勉強の目覚まし用に、タバコを吸っている。何のために勉強をして、いい学校に行くのか悩んでいる最中に、自分の考えを大切にしている星と会話を交わし、自分のやりたいことをはっきりさせる。

(ほし)

小川むつきの同級生の男子。クラスの人間が、受験で血眼になっている最中に、下級生とボール遊びをやっているような生徒。しかし勉強が出来ないわけではない。むつきがカンニング疑惑をかけられた時、誤解を解く発言をして彼女を助ける。公園でむつきと会話をした際、自分の能力ギリギリの進学校に行くより、身の丈にあったところでやりたいことをやる方がいい、と言ってむつきの価値観に衝撃を与える。 家は歯科医院だが、兄が二人いるので彼は継がなくとも良いらしい。「やりたいこと」のネームの中で「あっちの本、原書で読んだり。キースのアルジャーノンなんかさ」というものがあり、これはダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』が少女漫画で紹介された初めての例である(『アルジャーノンに花束を』の短編版はこの作品発表時の1971年にはすでに訳されていたが、1966年に出版された長編版はまだ翻訳されておらず、「原書で読む」というネームになった。 なお長編版が小尾芙佐によって翻訳されたのは1978年)。

むつきの母 (むつきのはは)

小川むつきの母。名前・年齢不明。いつも和服に割烹着という、作品発表時の1971年にしても古風な格好をしている。娘が有名進学校である一高に入ることを望んでおり、とても強いプレッシャーをかけ続けている。だが、むつきが自分の意志で進路を変更した際、特に反対せずこれに従った。

小川 正司 (おがわ せいじ)

小川むつきの弟。年齢不明だが、小学校高学年くらいに見える。姉には協力的。むつきは母に「正司を一高に入れなさいよ、あの子頭いいもの。そして東大へでも進ませるのよ」と発言する。

バタ

『毛糸玉にじゃれないで』に登場する動物。小川むつきがキャベツ畑で拾った白地に黒ブチ模様の子猫。まだ目も開いておらず、食事もスポイトでミルクを与えなければならないような状態だった。母からは、受験のさわりになるからと飼うことを反対されるが、むつきは意地になって育て続ける。名付ける際、バターかジャムか悩み、結局バタとなる。 値段の高い座敷の敷物の上でそそうをしたせいでむつきの母に捨てられるが、そのおかげでむつきは星と長い会話を交わすことが出来た。

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