気分は形而上

現代人の生態をシニカルに描いた4コマギャグ作品。初期は様々な人間の滑稽な行動を描いたブラックで不条理かつアナーキーな笑いが多かった。実在OLに関するネタが人気になると、次第にOLの生態をはじめとした身近な笑いを描くようになっていった。作者の初連載にして代表作となった長期連載作品。

正式名称
気分は形而上
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ワイドKC モーニング(講談社)
巻数
全19巻
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概要・あらすじ

本作は現代社会に翻弄されて生きる人間の滑稽な生態をシニカルに描いた4コマギャグ作品である。サラリーマンやOL、公務員、政治家、冷え切った熟年夫婦など様々な人間たちや、ゴキブリのゴキちゃんとりうしけつちゃん実在OLなど人気キャラクターも多数登場する。社会風刺やブラックジョーク、下ネタ、不条理、あるあるネタなど様々な種類のギャグが、極度に抽象化された独特の絵柄で展開される。

登場人物・キャラクター

S (えす)

作者自身がモデル。漫画家。福井県出身で名古屋在住。メガネをかけ頭にハチマキを巻き、ペンと羽根ぼうきをはさんでいるという格好。大学は哲学科で、異常に理屈っぽい性格として描かれる。国家公務員だったが、漫画家となり脱サラした。彼女から後に妻となる実在OLの登場が増すとともに登場回数が増えた。

実在OL (じつざいおーえる)

うああ海上火災の計算課に勤めるOL。漫画家Sの彼女として登場し、連載が続く中で結婚に至り妻となった。作者自身の妻がモデル。周囲の目を気にせずのびのびと生きている。気分屋でおっちょこちょい。ずぼらで大食い。会社でも様々な問題を起こすがマイペース。その豪快なエピソードが人気を集め、次第に登場回数が増えた。 この「実在OL→実在ニョーボ」シリーズは後に作者の家庭を描いたエッセイ漫画『よしえサン』として独立した。

ゴキちゃん

『気分は形而上』に登場するキャラクター。人間と同じ大きさのゴキブリ。オス。サラリーマンと専業主婦の若夫婦・田中家に居候している。やさしい性格で気配りができる。人間からは外見で嫌われがちだが、めげずに人間社会と共存しようとする健気なキャラクター。一緒に暮らすうちに田中夫婦にとって家族同然の大事な存在となった。 後にメスゴキブリのゴキエちゃんと結婚を遂げた。主に連載初期に登場し、人気を博した。

けつちゃん

『気分は形而上』に登場するキャラクター。ブタの尻と脚の部分だけで構成されたナンセンスな造形。年齢・経歴その他一切不詳の不思議生命体。「けつ」「けつつ」以外言葉を発することはできず、感情表現は漫符であらわす。OLの沢田恵美子と同居している。周囲の人間はけつちゃんを見ると当然驚くが、恵美子は気にせず、毎日いっしょに楽しく暮らしている。

とり

『気分は形而上』に登場するキャラクター。人間と同じ大きさのニワトリ。会社が舞台の場合は「鳥野さん」と称されることもある。性格はわがままで自己中心的、見栄っ張りでお調子者、落ち着きがなくて軽率。ちやほやされているうしに嫉妬して自分もうまく立ち回ろうとするが、自意識が空回りしてたいてい失敗に終わる、哀愁ただようキャラクター。

うし

『気分は形而上』に登場するキャラクター。人間と同じ大きさの牛。会社が舞台の場合は「牛山さん」と称されることもある。一見なにも考えずじっとしているだけだが、いつの間にか周囲の関心や信望を集めている。とりによく嫉妬されるが、その嫉妬にすら気づかずやり過ごす、泰然自若とした理想の人間のように描かれている。

OL議員 (おーえるぎいん)

OLが国会議員になったというシチュエーションのシリーズに登場する。上司にひるまず会社内でもやりたい放題のOLが国会に登場することで、年長の男性議員たちが翻弄されるというパターンが多い。連載時の世相を反映して、消費税導入や比例代表制を扱ったネタなどもある。

榎田君 (えのきだくん)

「こだわりの榎田君」シリーズの主役。天然パーマでメガネ、やせぎすの会社員男性。うああ商事勤務。エミちゃんという妻あり。異常に几帳面で、日常生活に様々なこだわりを持つ。ただしそのこだわりを全うしようと思いすぎて、かえって物事がうまく進まないという本末転倒な行動を繰り返す。 周囲からは、悪い人ではないが変わり者だと思われている。同僚のテキトー社員高木君のほうがかえって物事をスムーズに進ませたりするのを横目で見て毎度悶絶している。人気のあるキャラで、本作連載後に『それはエノキダ!』というスピンオフ作品が連載された。

高木君 (たかぎくん)

うああ商事勤務で榎田君の同僚の会社員男性。丸メガネに丸鼻、小太り。細かいことを気にせず行動はアバウトでマイペース。酒場で出会った女性と2週間後には入籍するなど、思いつきで行動するテキトー人間。だが結果的には物事をうまく解決する場合が多い。自身のこだわりに囚われている榎田君にとっては正反対の価値観を持つ恐るべき存在。 傍から見ると性格が違い過ぎて二人はけっこういいコンビである。

その他キーワード

うああ

『気分は形而上』に登場する概念。本作のタイトル『気分は形而上』は、「形而上」に「うああ」の文字がからんでいるデザイン。作者によると「うああ」とは、「自然現象を超えたことがらに遭遇したときに発生する感情のこと」と説明される。つまり、本作に多用される、非常識な言動や行動を取る存在(しばしばオチに使われる)に対して周囲があきれ返って反応するリアクションのことを指す。 具体的には、呆れと怒りで白目をむく、赤面する、涙を流す、よだれをたらす、痙攣する、などの行動で表わされる。

キャピピ

『気分は形而上』に登場する用語。OLたちがかしましくしゃべっている時に発する擬音。彼女たちの会話は他者からは騒音にしか聞こえず内容が理解できないということを表現している。OLをネタにするパターンは実在OLが人気を集めたころから増えはじめ、連載中期にはほぼOLネタのみの時期もあった。OLネタは好評で、読者から投稿された体験談を作品にしていたこともある。

書誌情報

気分は形而上 全19巻 講談社〈ワイドKC モーニング〉 完結

第1巻

(1988年8月発行、 978-4061765184)

第2巻

(1988年12月発行、 978-4061765252)

第3巻

(1989年2月発行、 978-4061765306)

第4巻

(1989年2月発行、 978-4061765368)

第5巻

(1991年12月発行、 978-4061765450)

第6巻

(1991年12月発行、 978-4061765603)

第7巻

(1989年11月発行、 978-4061765689)

第8巻

(1990年9月発行、 978-4061765917)

第9巻

(1991年7月発行、 978-4061766099)

第10巻

(1991年12月発行、 978-4061766198)

第11巻

(1992年7月発行、 978-4061766464)

第12巻

(1993年2月発行、 978-4061766716)

第13巻

(1994年2月発行、 978-4061767195)

第14巻

(1994年10月発行、 978-4061767478)

第15巻

(1995年6月発行、 978-4061767652)

第16巻

(1996年2月発行、 978-4061767942)

第17巻

(1996年10月発行、 978-4063373134)

第18巻

(1997年6月発行、 978-4063373301)

第19巻

(1998年4月発行、 978-4063373585)

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