アフリカのサラリーマン

アフリカのサラリーマン

動物たちが社員として働いているアフリカのとある企業の、同じ部署で働くライオン、トカゲ、オオハシら動物サラリーマンたちの日常を描いたシュールコメディ。「ジーンピクシブ」で2014年10月から連載の作品。2017年6月WEB配信アニメ化。2019年10月テレビアニメ化。

正式名称
アフリカのサラリーマン
ふりがな
あふりかのさらりーまん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
動物擬人化
レーベル
ジーンピクシブシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊4巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

自家用車を車検に出したオオハシは、久しぶりに電車で通勤することになった。その電車に乗り合わせたトカゲに下品な話題をふって呆れさせていた中、近くにいた女子高校生たちに痴漢とカンちがいされてしまう。ここで誤解を解けばよかったものの、オオハシが彼女らに喧嘩を売ったことで事態は悪化。困惑したトカゲは、女子高校生たちにオオハシのスマートフォンを見せる。トカゲは、年上好みのオオハシが年下の女子高校生には関心がないと伝えることで、その場をおさめようとしたのである。しかしこれが逆効果となり、女子高校生たちは激怒。そこでオオハシは最終手段としてトカゲのしっぽを勝手に切り取り、女子高校生たちが驚いているスキに逃げ出すのだった。

第2巻

ライオンは会社の上層部から、最近太り気味であることを指摘されてしまう。このままでは人事考課に響くため、ライオンはその日からダイエットを決意。そこでライオンはトカゲオオハシに相談し、三人はトカゲの提案で退勤後にランニングに行く約束をする。しかし、三人が食事をしていた店を出ると突然雨が降り出し、雨が降ると気分が高揚するライオンは、そのまま二人を置いてランニングを始めてしまう。一方のオオハシは、夏休みに女子社員を誘って遊びに行く予定を立てていた。しかしここでトカゲが、今年は夏休みがないという衝撃の事実を告げる。そもそもオオハシたちの会社には前から夏休みがなく、オオハシはそれを知りながら、毎年現実逃避をしていたのだ。だが、とうとうこれに耐えられなくなったオオハシは、社長のカメに直談判。仕事を早く終わらせることができたら、夏休みを取ってもいいという約束を取り付けるのだった。そしてオオハシは素晴らしい働きぶりで、みごと夏休みを獲得する。しかし、いざ行動に移そうとしたところ、自分は外に出るのが嫌いだったことを思い出し、結局社内でスイカ割りをして過ごすのだった。

第3巻

ライオンたちの会社では、コスト削減のための会議が行われていた。この会議は年間経費1000万円削減を目指すもので、そこに遅刻したオオハシがやって来る。オオハシは出社前に交通事故に遭うが、この会議がいかに無駄なものであるかを訴えるために、ケガを押して会議に現れたのである。その理由は、毎回社員たちが時間を割いて集まっているにもかかわらず、削減できそうな項目として挙がるのはくだらないことばかりで、さらに資料は印刷費のかさむフルカラーであった。そこでオオハシは会議の廃止を訴え、さらに食事代やタクシー代、ホテル代といった無駄な項目についても指摘する。これはライオンも以前から気になっていたことだったが、ここでオオハシは追ってきた看護師たちに捕まり、退室せざるを得なくなる。結果、オオハシの意見は採用されることはなく、今回も会議は進展せずに終わってしまう。

第4巻

社内の引っ越しで、ライオンたちの部署のとなりに別の部署がやって来た。その部署に所属するミツオシエは陰湿な性格で有名で、嫌いな社員の悪口をインターネット上に書き込んだり、浮気写真を捏造してその家族に送ったりして嫌がらせをしていた。ライオンとトカゲはそんなミツオシエを警戒するが、オオハシはなぜかミツオシエが妬ましいと言い出し、スーツを汚されたといちゃもんをつけて、ミツオシエに襲い掛かる。しかし、そこに現れたのはミツオシエの上司であるラーテルだった。ライオンたちはラーテルがその場をおさめてくれると考えるが、怖いもの知らずのラーテルはオオハシのみならずライオンにまでケンカを売り、事態は悪化してしまう。しかし、ラーテルの怖いもの知らずの性格が災いし、通りがかったゾウに突進して踏まれてしまう。こうしてオオハシは、ミツオシエにスーツを弁償させることに成功するが、ミツオシエは反省することなく社員たちに嫌がらせを繰り返すのだった。

メディアミックス

WEBアニメ

2017年6月、Production I.Gによるアニメ視聴アプリ「タテアニメ」にて、本作『アフリカのサラリーマン』がWEBアニメ化された。絵コンテと演出を横山和基、音響監督を小泉紀介が務めた。声優はテレビアニメ版とは異なり、ライオン役を藤沼建人、トカゲ役を辻井健吾、オオハシ役を伊藤節生がそれぞれ演じている。

テレビアニメ

2019年10月より、TOKYO MX系列にて、本作『アフリカのサラリーマン』がテレビアニメ化された。監督、総作画監督、美術設定、美術監督、色彩設計、撮影監督を畳谷哲也、シリーズ構成と脚本を百瀬祐一郎が務めた。声優はWEBアニメ版とは異なり、ライオン役を大塚明夫、トカゲ役を津田健次郎、オオハシ役を下野紘がそれぞれ演じている。

登場人物・キャラクター

ライオン

アフリカのとある企業で働く、オスのライオン。現在の会社では20年ほど働いており、家族は妻と娘がいる。ほ乳類のライオンの頭に、首から下は人間の男性の体をしている。体形は背が高くがっしりしている。温厚でマイペースな性格で、あまり他人の目を気にしない。しかし、体重増加が続いていることに不安を抱いており、糖尿病にならないように食事には気をつけている。また血を見るのが苦手で、注射を打たれたり、歯医者で治療を受けたりすることが大嫌い。そのため、周囲からは百獣の王ではなくかわいらしい人物として認識されている。しかし容姿が非常に強面なため、ライオンの人柄を知らないほかの動物からは、声を掛けただけで逃げられてしまうことがある。「ヨボちゃん」という漫画が好きだが、最近視力が落ち気味なことに悩み、レーシック手術を受けた。ネコ科であるため、猫じゃらしを振られると集中できなくなり、また猫舌のために熱いものは食べられない。エクセルの操作が苦手で、数日操作しないとすぐに忘れてしまう。小動物が大好きで、これは食べるためではなく単純に眺めて楽しんでいる。

トカゲ

アフリカのとある企業で働く、オスのトカゲ。既婚者で、二児の父親でもある。ライオンの後輩で、オオハシの先輩でもある。爬虫類のトカゲの頭に、首から下は人間の男性の体をしており、体形は細め。まじめな性格で、自分に面白みがないことを自覚しており、オオハシにその悩みを相談することもある。自分のイメージを保つために、やや周囲の目を気にしがちなところがある。酔っぱらうと、誰にでも声を掛けてからんでしまう。変温動物であるため、冬場は作業効率が落ちやすく、ライオンの体で暖を取って体温を上げることがある。自分の食べ物である昆虫には詳しい。太りにくい体質で、どれだけ食べても太らないため、ライオンとオオハシには羨ましがられている。

オオハシ

アフリカのとある企業で働く、オスのオニオオハシ。ライオンとトカゲの後輩でもある。鳥類のオニオオハシの頭に、首から下は人間の男性の体をしており、体形は細め。明るくノリのいい性格ながら、自己中心的で身勝手な言動が多い。また、複数の女性と同時に交際していたり、女性に対して差別的な発言をするため、周囲からはクズと評されている。そのため、オオハシがトラブルに巻き込まれてひどい目に遭っても、あまり同情されることはない。しかし周囲が混乱したときは、つっこみを入れたり、まとめ役を担ったりしている。以前は花鳥園で働いていたため、気を抜くとほかの動物の肩に乗って仕事をしてしまう。年上の女性が大好きで、風俗店に行くときは年上専門店を選ぶ。出身地は兵庫県だが、実家はブラジルにあるため、ポルトガル語がしゃべれる。また鳥目であるため、夜は目があまり見えない。人混みが大の苦手で、ハロウィーンイベントは嫌い。料理が得意ながら作った食べ物で遊んでしまうため、トカゲたちに怒られている。愛車は「レクサヌ」。消費者金融三社に借金があるが、支払いが難しいときは複数いる交際相手に払わせている。

ツル

アフリカのとある企業で働く、オスのツル。ライオン、トカゲ、オオハシの後輩にあたる。鳥類のツルの頭に、首から下は人間の男性の体をしている。体形は細め。忍者の家系の出身で、頭に忍者の頭巾をかぶっている。一見まじめで落ち着いた雰囲気を漂わせているが、オオハシに心配されるほど非常識なところがある。そのため、取り引き先と母親をまちがえてメールを送ってしまい、この事実を隠蔽するために取り引き先の人物を暗殺しようとした。またセキュリティ意識は非常に高く、日報は暗号で書いて提出する。歯医者が非常に苦手で、診察を受ける際は素早く動いて自分の残像を作って逃げ出そうとする。出身地は日本。

カメ

アフリカのとある企業の社長を務める、オスのカメ。ほかの動物たちとは違って全身動物の亀の体で、四足歩行する。眉が太くたれ眉で、顎ひげを長く伸ばしている。語尾を伸ばした、おっとりとした口調で話す。一見穏やかな性格だが、会社を辞めた社員には厳しく制裁を加える。また、社員たちにむちゃな注文をすることがある。のちに不倫をしてカメ自身はもとより、会社の評価まで大きく損ねてしまう。

ラーテル

アフリカのとある企業で働く、オスのラーテル。ライオンたちとは別の部署に所属しており、ミツオシエの上司でもある。ほ乳類のラーテルの頭に、首から下は人間の男性の体をしており、体形は小柄。非常に凶暴な怖いもの知らずで、ヤンキー気質のため、自分よりもはるかに体が大きいライオンやゾウたちにも平気で喧嘩を売る。この攻撃的で単純な性格のため、ミツオシエに利用されがち。ライオン、トカゲ、オオハシとは、社内の引っ越しでオフィスが近くなったことと、ミツオシエがオオハシに絡まれたことがきっかけで知り合った。

ミツオシエ

アフリカのとある企業で働く、オスのミツオシエ。ライオンたちとは別の部署に所属しており、ラーテルの部下でもある。鳥類のミツオシエの頭に、首から下は人間の男性の体をしており、体形は小柄。国公立大学を卒業している。非常に陰湿な性格の持ち主で、嫌いな女子社員の悪口をインターネットのSNS上に書き込んだり、既婚の男性社員の浮気写真を捏造して、彼の妻に送り付けたりしている。そのため部署の違うトカゲにも、知り合う前から危険人物として認識されていた。ライオン、トカゲ、オオハシとは、社内の引っ越しでオフィスが近くなったことと、悪評が災いしてオオハシに絡まれたことがきっかけで知り合った。

殺傷ハムスター (さっしょうはむすたー)

アフリカに生息する凶暴な野生動物。一見小さなかわいらしいハムスターだが、両手に自分の体よりも大きなナイフを持っている。非常に獰猛(どうもう)で攻撃的な性格をしている。神出鬼没で、ライオンたちの会社やライオンたちの生活圏内にもよく現れる。

書誌情報

アフリカのサラリーマン 4巻 KADOKAWA〈ジーンピクシブシリーズ〉

第1巻

(2015-05-27発行、 978-4040676388)

第2巻

(2016-03-26発行、 978-4040681597)

第3巻

(2018-01-27発行、 978-4040696195)

第4巻

(2019-09-27発行、 978-4040640358)

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