沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる

沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる

空えぐみの『天野家四つ子は血液型が全員違う。』に次ぐ連載作品で代表作。東京から沖縄に引っ越してきた高校生の中村照秋は、東京との日常のギャップに驚く。また、好きになった喜屋武飛夏が話す方言がまったく理解できず、戸惑いを隠せないでいた。沖縄を舞台に、独特の文化に翻弄される照秋の姿を描いた沖縄ネタ満載の異文化ラブコメディ。2019年5月に空えぐみがSNSで『沖縄で好きになった子が方言すぎて何言ってるかわからない話。』のタイトルで公開。その後、新潮社「くらげバンチ」で2020年1月から配信。2021年には「第7回沖縄書店大賞」沖縄部門で準大賞を受賞している。2025年1月から、テレビアニメ版『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』がTOKYO MXや沖縄テレビ、琉球放送、琉球朝日放送などで放送。中村照秋を大塚剛央、喜屋武飛夏を鬼頭明里、比嘉夏菜をファイルーズあいが演じる。

正式名称
沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる
ふりがな
おきなわですきになったこがほうげんすぎてつらすぎる
作者
ジャンル
ラブコメ
 
日常
レーベル
バンチコミックス(新潮社)
巻数
既刊8巻
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てーるーの恋

東京から沖縄にやって来て、新たな高校生活を送ることになった中村照秋は、南の島での夢の高校生活に胸を高鳴らせていた。しかし現実は甘くなく、周囲はすでにコミュニティが出来上がっており、東京からやって来た都会人から距離を取ろうとする者ばかりで、クラスメートのあいだに照秋の入る隙はなさそうだった。そんな状況を察した喜屋武飛夏は、照秋を「てーるー」と呼んで話しかける。それ以来、照秋は喜屋武に好意を寄せるようになるが、喜屋武が話す沖縄の方言が強すぎて、照秋には何を言っているのかまったく理解できなかった。そんな中、クラスメートで喜屋武の幼なじみである比嘉夏菜が通訳を買って出てくれたおかげで、照秋の明るいスクールライフがようやく幕を開ける。

かーなーの恋

比嘉は、高校の入学式で同じクラスに見覚えのある顔を見つける。それは、数日前に知り合ったばかりの照秋だった。沖縄に到着したばかりだと話す照秋は、風で飛ばされた比嘉の帽子を追って海に入っていく。泳げないから怖かったと照れくさそうに笑う照秋の優しさに心奪われた比嘉は、照秋に好意を抱くが、次にいつ会えるのかもわからない相手ならもっと勇気を出して話せばよかったと後悔していた。そんな中、思いがけずにクラスメートとして再会を果たした比嘉だったが、やはり目の前の照秋に話しかける勇気を出せずにいた。しかし、幼なじみである喜屋武の方言を理解できずに困っている照秋の姿を見た比嘉は意を決し、自分が通訳すると名乗りを挙げる。こうして、比嘉の恋が動き出すが、無邪気な喜屋武と、彼女に思いを寄せる照秋、そして恋に不器用な比嘉による一方通行のゆるい三角関係が出来上がってしまう。

沖縄ライフと沖縄スピリッツ

中村照秋は日常生活をとおして沖縄ライフを満喫し、魅力ある文化や方言に触れていく。それらは、作中に設けられている解説「沖縄MEMO」により、その詳細をリアルに感じることができる。沖縄に詳しい人は思わず頷き、詳しくない人も照秋の日常生活をとおして、沖縄の文化やそこで暮らす人たちの考え方などを知ることができる。全国各地で特異性が薄まり、独自文化が失われつつある中、本作は沖縄独特の雰囲気や文化、風習などが個性豊かなキャラクターの日常として描かれ、楽しく紹介されているのが大きな魅力となっている。

登場人物・キャラクター

中村 照秋 (なかむら てるあき)

沖縄の高校に転校してきた、1年生の男子。父親の仕事の都合で東京から引っ越してきたが、沖縄独特の文化や方言などの予備知識がまったくなかったことから、東京とのギャップに驚かされている。高校入学当初は、方言全開で話すクラスメートたちが何を言っているのかまったく理解できない状況だった。東京からやって来た転校生ということで、クラスメイーから距離を置かれそうになるが、喜屋武飛夏が積極的に話しかけてくれ、クラスメートたちとの仲を取り持ってくれた。それ以来、喜屋武に思いを寄せているが、彼女の方言が強すぎて会話が成り立たないため、クラスメートの比嘉夏菜に通訳してもらっている。穏やかな性格ながら、カンちがいや思い込みが激しい傾向にある。親しい人たちからは「てーるー」と呼ばれている。

喜屋武 飛夏 (きゃん ひな)

高校1年生の女子で、中村照秋のクラスメート。小柄な体型の褐色肌で、腰まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。天真爛漫な底抜けに明るい性格で面倒見がよく、何事にも全力を尽くすタイプで、誰からも慕われている。おばあちゃん子で、沖縄独特の文化や風習に詳しく、現代っ子にしてはディープな方言を話す。東京から転校してきた照秋に、入学初日から積極的に声をかけたことで、彼が周囲に受け入れられる大きな助けとなった。クラスメートの比嘉夏菜とは、小さい頃からの親友で幼なじみ。親しい人たちからは「ひーなー」と呼ばれている。

比嘉 夏菜 (ひが かな)

高校1年生の女子で、中村照秋のクラスメート。スタイル抜群の褐色肌で、ウエーブのかかったセミロングヘアにしている。一見すると寡黙なクール系女子だが、実は恥ずかしがり屋で引っ込み思案な性格をしている。クラスメートの喜屋武飛夏とは小さい頃からの幼なじみで、いつも行動を共にしている。実は照秋とは、入学前に一度会ったことがあり、それ以来思いを寄せている。偶然の再会に喜びながらも、比嘉夏菜自身からはなかなか声をかけることができずにいた。しかし、照秋が喜屋武の話す方言がまったく理解できずに困っていたことに気づき、自ら通訳を買って出た。それ以来、照秋の通訳の役割を果たしている。親しい人たちからは「かーなー」と呼ばれている。

書誌情報

沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる 8巻 新潮社〈バンチコミックス〉

第1巻

(2020-07-09発行、 978-4107722966)

第2巻

(2021-02-09発行、 978-4107723598)

第3巻

(2021-08-06発行、 978-4107724106)

第4巻

(2022-01-08発行、 978-4107724601)

第5巻

(2022-06-09発行、 978-4107725066)

第6巻

(2023-01-07発行、 978-4107725592)

第7巻

(2023-07-07発行、 978-4107726179)

第8巻

(2024-02-08発行、 978-4107726827)

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