昭和初期の新婚ラブコメディ
本作は「結婚からはじまる純愛」をテーマに、昭和初期の日本を舞台にしている。主人公のなつ美と帝国海軍中尉、瀧昌の結婚生活を中心に、ラブコメディや人情物語が展開される。ある事情により、結婚式当日に顔を合わせることができなかった二人は、2か月後にようやく対面を果たす。そして不器用ながらも穏やかな日々を重ねる中で、互いの距離を少しずつ縮め、真の幸せをつかんでいく。丁寧な時代考証により、当時の人々の暮らしや文化が細やかに表現されており、昭和レトロな雰囲気あふれる風景描写も見どころの一つとなっている。
初対面から始まった新婚生活
昭和11年の日本。関谷家の三女であるなつ美は、父親から結婚相手が決まったことを告げられる。その相手は帝国海軍中尉の瀧昌だった。結婚式当日、なつ美は瀧昌と顔を合わせる予定だったが、急な訓練のため彼と会うことができず、新郎不在のまま式を終えることになった。2か月後、新居で初めて瀧昌と対面したなつ美は、結婚はもちろん交際の経験もなく、初夜の意味すら理解できないまま新婚生活を始める。一方、訓練に追われ女性との接し方に不慣れな瀧昌も、クールで堅物な印象を漂わせながら、なつ美との接し方や女性に対する適切な言葉遣いに戸惑いを隠せなかった。
困難を乗り越えて深まる夫婦の物語
なつ美が瀧昌との生活に慣れてきた頃、瀧昌は長期の任務で家を離れることになった。瀧昌が出発して数か月が経ち、寂しさを感じつつ手紙を交わしていたなつ美に、久しぶりに夫と会える機会が訪れる。彼女は久々の再会におしゃれをして、列車で待ち合わせ場所へ向かう。しかし、瀧昌はなつ美の服装に何か言いたげな様子で、服選びを失敗したとカンちがいしたなつ美は、不安になってしまう。二人の生活は派手ではないが、慎ましく温かな雰囲気に包まれている。そんな二人が少しずつ歩み寄りながら、もどかしくも微笑ましいやり取りや小さなすれ違いを経て、本当の夫婦の絆が深まっていく過程が、本作の最大の魅力となっている。
登場人物・キャラクター
江端 なつ美 (えばた なつみ)
関谷家の三女として生まれた若い女性。個性的な姉たちに囲まれて育ったため、おとなしく控えめな性格をしている。父親の意向により、突然帝国海軍の中尉、瀧昌との縁談が決まり、顔を合わせることなく結婚式を終え、2か月後に新居での新婚生活が始まった。健気で献身的である一方、世間知らずで男性に対する免疫がなく、非常に純粋で初心(うぶ)な一面を持つ。慣れない生活に戸惑いながらも、その健気さと純真さで、夫、瀧昌との距離を少しずつ縮めていく。
江端 瀧昌 (えばた たきまさ)
日本帝国海軍に所属する中尉の男性。周囲からは無愛想で無口と評されがちだが、実際は心優しく誠実な性格の持ち主。幼い頃に両親を亡くした過去を持つ。急な縁談でなつ美と結婚したが、訓練のため結婚式には出席できなかった。その後、なつ美との生活に慣れてきた頃、二人だけでささやかな結婚式を挙げ直した。ふだんは無表情でいることが多いものの、健気な妻のなつ美に惹かれるにつれて、次第にさまざまな表情を見せるようになっていく。
書誌情報
波うららかに、めおと日和 10巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2023-03-08発行、978-4065311226)
第2巻
(2023-06-14発行、978-4065320143)
第3巻
(2023-09-13発行、978-4065330593)
第4巻
(2024-01-10発行、978-4065343500)
第5巻
(2024-05-08発行、978-4065353783)
第6巻
(2024-09-11発行、978-4065367018)
第7巻
(2025-01-08発行、978-4065379592)
第8巻
(2025-05-14発行、978-4065393048)
第9巻
(2025-09-10発行、978-4065407028)
第10巻
(2026-01-14発行、978-4065420591)
波うららかに、めおと日和 特装版 10巻 講談社〈プレミアムKC〉
第10巻
(2026-01-14発行、978-4065428900)







