概要・あらすじ
小さな漁村で祖父の一平と共に暮らしていた主人公のトリトンは、ある日、海でイルカのルカーから自分の出生の秘密と運命を聞かされる。それと同時に、トリトンが暮らしている漁村がポセイドン族の先兵の襲撃を受ける。
自分がいることで村に迷惑がかかると察したトリトンは、トリトン族の衣装とオリハルコンの短剣を身に付け、ポセイドンの野望を挫くため、また、ほかのトリトン族の生き残りを探すため、何も知らない広大な海への旅立ちを決意する。
それは長く険しい冒険の旅の始まりであった。
登場人物・キャラクター
トリトン
かつて大西洋に存在したが、太古の昔に沈んだと言われているアトランティス大陸で暮らしていた海棲人類、トリトン族の生き残りで、緑色の髪が印象的な13歳の少年。幼い頃、岬に捨てられていたところを人間の老人である一平に発見、拾われ、以後は普通の人間として一平に育てられる。 しかし13歳の時、白いイルカのルカーと出会い、自分の生い立ちの秘密と、海の世界を支配しようとしているポセンドンの野望と非道な行いを知る。 トリトンは、ポセイドンの野望を食い止めるため、また暮らしていた村がポセイドンの標的となって被害を受けないようにするため、超エネルギーを秘めたオリハルコン製の短剣を手に、ルカーと共に海に出ることになる。 なお、トリトンの声優を担当した塩屋翼は当時13歳で、トリトンと同い年であった。
ピピ
トリトン族の生き残りの少女で、上半身は人間、下半身は魚類という人魚の姿をしている。明るくお転婆な性格で好奇心も旺盛。なにかにつけて首を突っ込むクセがあるため、危険に遭遇してしまうことも多い。 当初は北の海でアザラシのプロテウスと暮らしていたが、トリトンと出会い、行動を共にするようになる。なお、トリトン族の女性は成人すると完全に人間の姿になるようなので、ピピが人魚の姿でいるのは限定的な期間だけらしい。
ルカー
トリトンと行動を共にする白いイルカ。額の部分にある黄色いV字の模様が特徴。かつてはトリトンの父母たちトリトン族の生き残りと平和に暮らしていたが、突如としてポセイドン族の襲撃に遭遇する。 その時、トリトンの父母から赤ん坊だったトリトンを預かり、無事に脱出させる。そして成長したトリトンに生い立ちと、トリトン族がポセイドン族と戦う運命にあることを告げる。トリトンが赤ん坊の頃は乳母的な役割で、現在は海に不慣れなトリトンのサポート役などをこなし、トリトンと共に旅を続けている。
フィン
イルカ三兄弟の三男。お調子者で気さく、おしゃべり好きで陽気だが、少々頭が悪く、調子に乗り過ぎて失敗することも多い。常に頭にピンク色の法螺貝を紐で付けている姿が特徴的。イル、カルという兄が存在する。
メドン
トリトンに協力的な巨大な海亀で、体は大きいが穏やかな性格。ポセイドン族の罠にかかったトリトンを救出しようとするが、海底火山の爆発に巻き込まれて命を落とす。なお、フィンのトレードマークになっているピンク色の法螺貝は、元々メドンの甲羅の隙間に隠されていたものだった。
ポセイドン
七つの海を支配するポセイドン族の首領で、巨大な石像の姿をしている。生き残ったポセイドン族を配下に、七つの海で暴虐の限りを尽くしている。なぜトリトン族を襲っていたのか、その重大な秘密を握っている。
ドリテア
ポセイドンから北太平洋の司令官に任命された女性。紫色の肌と頭の巻貝、ヒレのような巨大な耳が特徴。触れた物を石に変えてしまうムチを武器に、巨大イカのゲプラーと共にトリトンを付け狙うが失敗。 最後はポセイドン族の掟に従って自決する。
ヘプタポーダ
青い目の美しい女性の姿をしたポセイドン族の1人。海グモの牢獄に幽閉されていたが、トリトン抹殺を条件に牢獄からの解放を約束される。その後は生きたカマスを剣に変える能力を駆使してトリトンと死闘を繰り広げる。 しかし、戦いの最中にポセイドン族の運命を悟り、ポセイドンから離反してトリトンに協力することになる。その正体はポセイドンが人間を基に、人工的に作り出したポセイドン族であった。
ミノータス
ポセイドン族の1人で北極海の司令官を務める。太めの身体に緑色の肌が特徴。口から吐く冷気を武器に、海の墓場でトリトンと雌雄を決するが敗北する。その正体はヘプタポーダと同じく、ポセイドンが人間を基に、人工的に作り出したポセイドン族である。
一平 (いっぺい)
かつて岬に捨てられていたトリトンを見つけ、息子同然に育てた人間の老人。小さな漁村で漁師として働いている。漁師だけに荒々しく粗野な面があるものの心根は優しく、村で疎外されていたトリトンを優しく見守りつつ育てていた。
クレジット
原作
海のトリトン (うみのとりとん)
トリトン族の少年トリトンとポセイドン族との戦いを、陸の人間との関わりを交えながら描く。新聞漫画として連載され、原題は『青いトリトン』だったがアニメ放送終了後、単行本化された際に『海のトリトン』に改題さ... 関連ページ:海のトリトン