あらすじ
第1巻
ゲームと共に生まれ、ゲームと共に育ったと言うほど、ゲームが大好きな漫画家の山本さほは、自身が一番好きだという雑誌「週刊ファミ通」に連載をする事が決まる。その報せを受けた時、ラーメン屋で食事中だった山本は、人目をはばからず大泣きしてしまう。山本は子供の頃、面白いRPGをプレイしていても、ラスト近くまでゲームを進めると、そこで止めてしまうという変な癖があった。そのままプレイを進めると、大好きな物語が終わってしまう事に寂しさを感じ、クリアをあきらめてしまうのだ。大好きなゲームであるほど、何度もエンディング直前まで進めては止めていた。しかし、大人になってスマートフォンで『聖剣伝説2』をプレイした山本は、すんなりと最後までクリアしてしまい、大人になった寂しさをちょっぴり感じるのであった。(エピソード「はじめまして山本さほですの回」。ほか、58エピソード収録)
第2巻
「ファミ通30周年おめでとう企画」という事で、「山本さほの無慈悲な30年」と題して、作者の山本さほの30年のゲーム大好き人生を振り返る。幼い頃は、6つ年上の兄がファミコンをプレイするのを眺めて過ごし、親友となる岡崎さんと出会ってからは、中学、高校とゲーム三昧。美大の受験に失敗するとネトゲに逃避し、その後なんとか就職すると仕事とゲームの日々。そんな中、岡崎さんの結婚を機に、彼女を題材にした漫画を描く事を決意し、漫画家デビューが決まるのだった。(エピソード「山本さほの無慈悲な30年の回」。ほか、59エピソード収録)
第3巻
大好きなゲームの『オーバーウォッチ』をプレイしていたある日、見知らぬプレイヤーからパーティプレイの誘いを受けた山本さほが招待を受けると、相手はアメリカ人のプレイヤー達だった。英語が苦手な山本は、OK、YES、NOのみでコミュニケーションを取る。親切なアメリカ人プレイヤーは、翻訳サイトを使ってカタコトの日本語で返してくれる。山本も翻訳アプリを使って英語で話しかけようとするが、恥ずかしくてできないままパーティは解散。せっかくのなかよくなれるチャンスをふいにし、後悔する山本だったが、後日再度同じプレイヤーとプレイする機会を得て、今度こそは英語でしゃべろうと気合を入れて臨む。(エピソード「異文化交流の回」。ほか、60エピソード収録)
登場人物・キャラクター
山本 さほ (やまもと さほ)
幼い頃からゲームが大好きで、アラサーとなった現在もゲームが趣味の女性漫画家。幼い頃はファミコンなどのゲームに興じ、学生時代はネトゲ廃人になっていた事もある。現在もさまざまなジャンルや機種のゲームをプレイするガチゲーマー。作中で取りあげられる事の多いゲームである『オーバーウォッチ』の累計プレイ時間は数百時間を超える。独身で実家で暮らしていたが、独り暮らしを始めた。実在の人物、山本さほがモデル。
ゴトウさん
本作『無慈悲な8bit』の担当を務める女性編集者。山本さほにネームの催促をしたり、取材に同行したりしている。山本のゲーム愛への熱弁にドン引きする事もある。
岡崎さん (おかざきさん)
山本さほの幼なじみで親友の女性。既婚者。山本とは小学生時代からなかよしで、たくさんのゲームをいっしょにプレイして来た。
杉ちゃん (すぎちゃん)
山本さほの幼なじみで親友の男性。山本が出演するイベントに同席したり、司会を務めたりする事もある。