概要・あらすじ
花見町商店街にある中華料理屋鬼丸飯店。味の評判も上々だが、そこには名物看板娘の鬼丸美輝がいた。近隣の不良たちから「大戦鬼」と恐れられるほどの腕っぷしを持つ彼女は、店内から出前先まで、あらゆる場所でトラブルを起こすのだった。
登場人物・キャラクター
鬼丸 美輝 (おにまる みき)
若い女性。年齢は不明だが、飲酒ができることから未成年ではないらしい。お下げ髪に、白い頭巾、エプロンがトレードマーク。実家の中華料理屋鬼丸飯店の手伝いをしているが、好奇心旺盛、怠ける、遊ぶ、ドジ等々、様々な理由から、仕事を完遂できることは非常に稀である。幼いころから腕っぷしが強く、鬼丸流葬兵術と名付けた我流の格闘術(暴力)を駆使して、もめ事に首を突っ込み(起こし)、近隣の不良たちからは「大戦鬼」の名で呼ばれ、恐れられている。 酒に弱く、酔うと普段の粗暴さが完全に無くなり、おしとやかで、まじめな働き者に一変する。
鬼丸 真紀子 (おにまる まきこ)
美輝の母で中華料理屋鬼丸飯店店主。一応店の手伝いとして美輝がいるが、あまりに役立たずなため、実質彼女一人が店を切り盛りしている。基本的に温厚な人物であるが、娘の愚行には一切容赦しない。その実力は美輝を一撃で失神させるほどで、ある意味作品中最強の存在。
太田 明彦 (おおた あきひこ)
鬼丸飯店の隣にある八百屋八百黒店主で、鬼丸家や、神無月めぐみらと昔なじみの青年。西山勘九郎とは高校時代に同級生だった。戦隊ヒーローの超マニアということ以外は、いたって常識的な人間で、本作品のツッコミ的存在。
神無月 めぐみ (かんなづき めぐみ)
鬼丸飯店の向かいのパン屋ユエットの看板娘。縦ロールのポニーテールとメイド服が特徴。上品な見た目と口調で表向きは好人物だが、性格は陰湿。鬼丸美樹とは幼馴染であり、ライバルでもある。美輝に負けず劣らずの戦闘力の持ち主だが、彼女の場合は策を弄し、テクニックで戦うタイプ。フランクフルトの串が武器。 美輝同様、酒に弱く、酔うと会話が出鱈目な方言口調になり、普段隠している粗暴さが前面に出た豪快な性格に一変する。
西山 勘九郎 (にしやま かんくろう)
身長180センチで、白髪の青年。語尾に「ニャ」を付けるクセがある。進学のため地方で一人暮らしをしていたが、過去にうけた鬼丸美輝からのいじめの復讐を果たすため、四年ぶりに花見町に戻ってくる。彼女と顔を合わせる度に挑戦状を叩き付けるが、いつも返り討ちにあっている。しかしこれは美輝の戦闘力が出鱈目に高いだけであって、彼自身もそれなりに実力は高い。
茅原 智香 (かやはら ともか)
若い女性で高校教師。長い黒髪に、いつもジャージの上下を着用しているのが特徴。笑うことが苦手で、幽霊と間違われるほどの根暗なルックスをしている。さらに、ちょっとしたショックですぐ自殺しようとするガラスのようなメンタルの持ち主でもある。鬼丸飯店に末期の食事として出前を頼んだことから、鬼丸美輝らと縁を持つ。 そしてお店のラーメンを食べている時だけは、魅力的な笑顔でいられることを発見し、以後鬼丸飯店の常連客となる。
敏行 (としゆき)
鬼丸飯店からよく出前を頼む遠藤家に飼われている犬。犬種はフレンチブルドッグで、作者佐渡川準の飼い犬がモデル。感情の起伏が極端で、飼い主や優しい人物には忠実だが、悪人や、少しでも殺気を漂わせている人間に対してはスイッチが入ったように襲い掛かる。飼い主の若菜を助けてくれたことのある西山勘九郎とは、奇妙な友情関係が成立している。 鬼丸美樹を苦戦させるほどの戦闘力の持ち主で、最初の戦い以降、美輝から好敵手と見なされている。
遠藤 若菜 (えんどう わかな)
鬼丸飯店によく出前を頼む遠藤家の一人娘。小学生の少女で、ツインテールにした髪型が特徴。敏行の飼い主で、よく一緒に散歩をしたり、背中に乗って町を走り回ったりしている。
辻 逸色 (つじ いっしき)
花見町やってきたさすらいのマジシャン見習い。黒いタキシードに黒いマントという古風な奇術師ファッションを身にまとい、マジックのタネが入ったアタッシュケースを常に持ち歩いている。極度のあがり症で、人前でネタを披露すると必ず失敗してしまう。しかし、失敗の結果が摩訶不思議で、物理的にありえない現象続発なため、見物客には大好評を博している。 人前で何度失敗してもまったくくじけない西山勘九郎を尊敬し、師匠と呼んで慕う。
権藤 エツ子 (ごんどう えつこ)
花見町警察所地域課第三係所属。花見町交番に配属された新米の婦人警官。太い眉と大きな三つ編みのお下げ髪が特徴。縄を自在に操る、「権藤流捕縛術」が得意技。町で倒れていた不良たちから「大戦鬼」の名を、そして派出所の先輩警官から鬼丸美輝の武勇伝を聞かされる。正義感が強く、思い込みが激しい彼女は、これがきっかけで「大戦鬼」イコール悪と認識し、度々美輝と衝突するようになる。
秋吉 冬実 (あきよし ふゆみ)
太田明彦がよく視聴している特撮番組で悪の女幹部を演じている女優。心のオアシスとして、そして役者としてのモチベーション維持のため鬼丸飯店をよく訪れている。しかし、正体を隠すための変装と、筆談によるコミュニケーションのせいで、鬼丸美輝には謎の常連客として不審がられている。
集団・組織
花見町イエロースターズ (はなみまちいえろーすたーず)
『無敵看板娘』に登場する少年野球チーム。河川敷のグラウンドでよく練習や試合をしているが、鬼丸美輝の出前・道草ルート上にあるためか、度々乱入されている。最初こそ迷惑がるが、最後には全員美輝のテンションに巻き込まれてしまう。
場所
鬼丸飯店 (おにまるはんてん)
花見町商店街にある中華料理屋で、鬼丸美輝の実家。店主鬼丸真紀子の料理の腕がいいこともあるが、店内で美輝が起こすトラブルをプロレス・格闘技の興行を見る感覚で来る客も多く、店は毎日繁盛している。
花見町 (はなみまち)
花見町商店街には、主人公鬼丸美樹の実家鬼丸飯店をはじめ、太田明彦が経営する八百屋八百黒、神無月めぐみの実家のパン屋ユエット等があり、物語はこの場所を中心に展開される。その他、茅原智香の勤める高校、権藤エツ子のいる花見町交番、河川敷にある野球グラウンド等々、美輝の出前ルート、道草ルートで発生するエピソードも多い。