実在の「日本一暑い街」をモデルにした地球温暖化コメディ
舞台は、日本の最高気温48.4度を記録した、近未来(20XX年)の埼玉県猫ヶ谷市。温暖化対策として徹底したエコ対策が実施され、住民全員が水着姿で生活している。本作は、そんな少し変わった街に引っ越してきた高校生の冬斗と水着の美人同級生たちを描いたラブコメディである。猫ヶ谷市は、「日本一暑い街」として有名になった、埼玉県熊谷市をモデルにした架空の街である。作者の克・亜樹は、暑さを逆手にとった町おこしを行う熊谷市のことを知り、かねてより考えていた「地球温暖化をテーマにしたコメディ」の舞台を、熊谷市をモデルに描くことにしたという。したがって、作中には熊谷市の名所や「五家宝」といった銘菓、ご当地かき氷「雪くま」をもじった「猫くま」などが登場する。
過酷な暑さから始まる学園ラブ
高校2年生の冬斗が、父の転勤で東京から猫ヶ谷市に引っ越してくることから物語は始まる。転入先の学校を目指して歩いていた冬斗は、あまりの暑さで倒れ、その拍子に貴澄に覆いかぶさりキスしてしまう。彼女はクラスメイトで隣家の住人でもあった。貴澄は冬斗を許す代わりに、彼女が会長を務める生徒会、NEKO委員会の雑用係を命じる。小学生の頃から「ファーストキスを捧げた男性にすべてを捧げる」と公言していた貴澄は、翌朝から冬斗を迎えにくるようになり、休日には猫ヶ谷市内を案内するなど世話を焼く。こうして一緒に過ごすうち、二人は次第に互いを意識するようになっていく。
ユニークな水着美少女が続々登場
貴澄が会長を務めるNEKO委員会には、すべての運動部に所属する体育委員で実家が八百屋の久下柿子、天然ボケのオタク気質で我慢強さを持つ風紀員の星宮亜音、人一倍暑さに弱いメガネっ娘で会計係の恩田クララが所属する。また、物語の途中で、貴澄の幼稚園からの親友、日向歩智子(ポチ)という究極のエコ娘が登場。徹底したエコを実践するポチは、素っ裸の上にマントを羽織り、河原で自給自足の生活を送っている。もとはNEKO委員会のメンバーだったポチは、貴澄の粘り強い説得とおせっかいに負け、河原の家が焼けたことをきっかけに、学校に戻ることになった。これら様々なタイプのユニークな水着美少女たちが、本作最大の特徴で大きな魅力となっている。
登場人物・キャラクター
伊吹 冬斗 (いぶき ふゆと)
私立直実高校2年生の男子。父の転勤で、東京から日本一暑い街、埼玉県猫ヶ谷市に引っ越してきた。くせ毛と三白眼が特徴。転入初日、アクシデントで貴澄にキスしてしまったため、貴澄が会長を務める生徒会・NEKO(猫ヶ谷を永遠にこよなく愛し応援する)委員会の雑用係を命じられる。東京から吹く熱い海風が、猫ヶ谷の暑さの一因であることから、クラスメイトの一部からは「東京野郎」と罵られる。
押切 貴澄 (おしきり きすみ)
私立直実高校2年生の女子。生徒会、NEKO(猫ヶ谷を永遠にこよなく愛し応援する)委員会の会長。転入生の冬斗のクラスメイトであり、隣の家に住むご近所さんでもある。猫ヶ谷のマスコットキャラクター、あつニャンが大好きで、いつも髪飾りをしている他、ぬいぐるみを抱いて寝ている。純情で天然ぎみだが友達想い。小学生の頃から「ファーストキスを捧げた男性にすべてを捧げる」と言い続けており、アクシデントでファーストキスをした相手、冬斗のことが気になってしまう。
書誌情報
熱いぞ! 猫ヶ谷!! 全6巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2010-05-06発行、978-4063618952)
第2巻
(2010-10-06発行、978-4063619355)
第3巻
(2011-01-06発行、978-4063619843)
第4巻
(2011-05-06発行、978-4063820294)
第5巻
(2011-06-06発行、978-4063820386)
第6巻
(2011-07-06発行、978-4063820508)







