息子を救うためのパイ・ヤンの冒険
パ・ド・マリアーナ暦3332年。各地を転戦していた「7勇者」の一人、パイ・ヤンは、パ・ノール・バンガス地方の最前線で天敵であるねずみの大群を撃退した。その功績により、妻子の待つ故郷、パ・サーラ・ダルダへの帰還が許される。しかし、故郷はねずみの襲撃で壊滅状態に陥っており、息子のリオは特別な関心を寄せる魔法のねずみに連れ去られてしまう。同時に、リオの飼い猫、とらじも魔法のねずみによって猫mixに変えられ、「リオを助けたければ、自分を追ってこい」と挑発される。帰郷したパイ・ヤンは、とらじから事情を聞き、リオを救うため魔法のねずみを追いかけて旅立つのだった。
2000年にわたるねずみと人類の戦い
約2000年前、「はじまりのねずみ」の出現によって世界は一変した。かつてはただの小動物に過ぎなかったねずみが、人間の言葉を話し、さらにほかの生物に化ける特殊な能力を身につけ、やがて彼らは人間に牙をむくようになる。ねずみの軍勢によって平和が脅かされた人類は、ねずみの呪いによって生まれた「mix」と共闘して対抗するが、2000年の時を経てもなお戦いは膠着(こうちゃく)状態が続いている。また、ねずみは生まれた順に強大な力を持ち、特に「はじまりのねずみ」や「魔法のねずみ」など一部のねずみは「VIPねずみ」と称され、恐れられている。
魔法のねずみによって生まれた「mix」
魔法のねずみの力によって半人型に変えられた動物たちは「mix」と呼ばれている。彼らは人間の特徴を強く受け継ぎ、二足歩行や武器の使用、人語での会話が可能。元の動物としての習性も残っているものの、たとえば鳥でありながら空を飛べなくなるなど、身体能力には変化が見られることもある。基本的にmixは人間と共存し、ねずみの軍勢と共に戦う者もいる。一方で、「mix」という理由だけで利用を拒む施設が存在するなど、差別や排斥を主張する人間もいる。ねずみ側にとってもmixは厄介な敵だが、なぜ魔法のねずみが自らの脅威となるmixを作り続けているのか、その真意は明かされていない。
登場人物・キャラクター
とらじ
オスの猫mix。好奇心旺盛でのんびりとした性格をしている。毎日欠かさず旅の記録を日記に綴っている。かつてはふつうの猫で、パイ・ヤンや妻のジョゼ、息子のリオ、そしてもう1匹の猫、くろっぺと共にパ・サーラ・ダルダで暮らしていた。しかしある日、くろっぺの正体である「魔法のねずみ」によって猫mixにされ、さらにリオを連れ去られてしまう。ところが、ねずみがあえて残した匂いに気づいたとらじは、その挑発に応じてリオの救出を決意した。旅の初めは、リオを失ったことでピリピリしていたパイ・ヤンに対して苦手意識を抱いていたが、共に困難を乗り越えるうちに絆を深め、次第に彼を実の父親のように慕うようになる。
パイ・ヤン
七人の勇者の一人に数えられる人間の男性。まじめで義理堅い性格の持ち主。戦場では必殺の剣技「ねずみ斬り」と、敵の動きを見抜く的確な戦術眼で、ねずみの軍勢を幾度も退けてきたため、多くの人間やmixから厚い信頼を寄せられている。一方で、感情的になりやすく、特に家族が絡むと冷静さを失う傾向がある。長い転戦の末、ねずみの大群を撃退した褒美として、妻子の待つパ・サーラ・ダルダでの1年間の休暇を与えられた。しかし帰郷して間もなく、息子のリオが魔法のねずみに連れ去られたことを知る。とらじと共に救出の旅に出た当初は、彼の無軌道な行動に振り回されていたが、ねずみの陰謀を共に阻止するうちに、次第に無二の相棒として認め合うようになる。
書誌情報
猫mix幻奇譚とらじ 14巻 小学館〈フラワーコミックス α〉
第1巻
(2008-01-25発行、978-4091314789)
第2巻
(2009-01-09発行、978-4091322593)
第3巻
(2009-11-10発行、978-4091328106)
第4巻
(2011-02-10発行、978-4091334657)
第5巻
(2012-02-10発行、978-4091342638)
第6巻
(2013-03-08発行、978-4091350749)
第7巻
(2014-01-10発行、978-4091357403)
第8巻
(2015-01-09発行、978-4091368003)
第9巻
(2015-11-10発行、978-4091377692)
第10巻
(2016-11-10発行、978-4091386809)
第11巻
(2018-01-10発行、978-4098700301)
第12巻
(2019-07-10発行、978-4098705368)
第13巻
(2020-09-10発行、978-4098711048)
第14巻
(2025-03-10発行、978-4098728985)







