今際の国を舞台にしたアナザーストーリー
本編となる『今際の国のアリス』は、「今際の国」という謎の異世界を舞台に、さまざまな命懸けの「げぇむ」に挑む主人公・有栖良平(アリス)たちを描いたデスゲーム漫画。麻生羽呂の代表作の一つであり、2010年から2016年まで、小学館「週刊少年サンデーS」「週刊少年サンデー」で連載され、OVAや実写ドラマにもなった人気作である。本作は、本編と同じく「今際の国」を舞台にしているが、物語の始まりの場所は、「東京」ではなく「京都」である。また、本編のキャラクターや、命懸けの「げぇむ」は登場せず、キャラ同士の直接的な殺し合いが行われる。
サバイバル×サスペンス×ミステリー
物語の開始時点、京都で目覚めた主要人物は11人。彼らは全員、東京にいたはずの人たちである。また、それぞれが種類の違うトランプを持っていたことから、みんな、何者かの作為を感じていた。例えば「全員で殺し合い、すべてのトランプを集めた者が元の世界に戻れるのではないか」と考える者も多かった。そんな中、主人公・小島亜里朱(アリス)は、京都で目覚めたことに意味があるかもしれないと考え、東京に戻ることを提案する。しかし、アリスの意見をめぐり、11人は分裂し、一人が殺され、一人が行方不明になってしまう。最終的には一人を残し、8人の男女がキャンピングカーで東京を目指すことになるが、殺人者が誰なのかわからない状態での出発である。互いに不信感を抱く8人は、疑心暗鬼に陥っていく。本作は、サバイバル要素に加え、ミステリーやサスペンスの要素が強い点が大きな特徴である。
激しいバトルと残酷なバイオレンス
キャンピングカーで東京を目指す8人だったが、酷暑と水不足により、次第に不満を募らせていく。そして、バッテリーが上がってしまったことをきっかけに、金夏英(ハヨン)がブチギレて、自分が独裁者になることを宣言。銃で脅してトランプを奪い、同行者を選別した。しかしこれに反対するアリスは、佐野紀奈(キーナ)を連れ、隙を見てグループから脱出する。この一件から、キャラクター同士の「殺し合い」が本格化していく。極道の組員、公安警察、元陸軍尋問官、元陸軍軍医など、クセのある人物たちによる激しいバトルアクションや残酷なバイオレンス描写も本作の特徴の一つである。
登場人物・キャラクター
小島 亜里朱 (こじま ありす)
荒廃した京都で目覚めた女子高生。「♥Q」のトランプを持っていた。ロングヘアーが特徴。清水寺で佐野紀奈(キーナ)と出会い、行動を共にする。明るい性格で負けん気が強い、ソフトボール部員。元陸軍尋問官のハヨンと闘う際は、金属バットで対抗した。通称は「アリス」。
佐野 紀奈 (さの きーな)
荒廃した京都で目覚めた女子高生。「♣Q」のトランプを持っていた。ショートカットでメガネが特徴。ネガティブな性格で、世の中に絶望し、人生を「80年もかかる強制参加のクソゲー」だと思っている。清水寺で小島亜里朱(アリス)と出会い、行動を共にする。通称は「キーナ」。
クレジット
- 原作
ベース
今際の国のアリス (いまわのくにのありす)
突如荒廃した東京で目を覚ました少年たちは、わけもわからぬまま、命がけのゲームに参加させられる。極限状態を乗り越えて成長していく少年たちの姿を描くアクション・サスペンス。小学館「週刊少年サンデーS」20... 関連ページ:今際の国のアリス
関連
今際の国のアリス RETRY (いまわのくにのありす りとらい)
麻生羽呂の代表作の一つ『今際の国のアリス』の続編。文明が荒廃した「今際の国」と呼ばれる世界が舞台。大人になった有栖良平(アリス)は、ある日ヒト以外の生命に溢れた渋谷で目を覚ます。そこは、8年前にアリス... 関連ページ:今際の国のアリス RETRY
書誌情報
今際の路のアリス 8巻 小学館〈サンデーGXコミックス〉
第1巻
(2016-01-18発行、 978-4091574312)
第2巻
(2016-04-18発行、 978-4091574442)
第3巻
(2016-08-19発行、 978-4091574572)
第4巻
(2017-01-19発行、 978-4091574718)
第5巻
(2017-06-19発行、 978-4091574886)
第6巻
(2017-11-17発行、 978-4091575050)
第7巻
(2018-01-19発行、 978-4091575104)
第8巻
(2018-03-19発行、 978-4091575166)