あらすじ
第1巻
人類の大半がゾンビ化した世界。八尋ジンは、ゾンビと戦いながら生き別れになった妻の八尋サトコを捜す旅の中で、一匹の猫を拾う。ジンは真っ白な毛に覆われているその猫を「ユキ」と名づけ、共に旅を続けることとなる。道中、ユキはさまざまな人間たちに出会い、ジンはサトコがとある「島」に向かったことを知る。そこは、ゾンビ化を免れた生存者が暮らす島だった。サトコを追って「島」へと渡ろうとするジンだったが、その寸前にゾンビの群れに襲われてしまう。そんな中、ジンはかろうじてユキを「島」へと逃がすことに成功するが、ジンの体は徐々にゾンビ化しつつあった。
第2巻
「島」に流れ着いたユキは、カオルという少女に拾われる。「島」のリーダーであるギルバートは、ユキを迎え入れることに難色を示すが、それでもユキは少しずつ「島」の人間たちと打ち解けていく。そんなある日、カオルは熱病に感染してしまう。だが、物資調達隊である八尋サトコたちによって本土から抗生物質が届けられ、なんとか危機を脱する。そんな中、本土から一組の親子が海を渡ってやって来る。ギルバートは副官であるコーディの反対を押し切って親子を受け入れるが、実はその親子にはゾンビ化の兆候があった。やがてゾンビ化した親子は、「島」にいた生存者たちを次々に襲い始める。
登場人物・キャラクター
ユキ
オスの猫で、白い毛に覆われている。八尋ジンによって「ユキ」と名づけられた。のちに、その名を知らなかったカオルからもユキと呼ばれるようになる。猫のために人間の言葉は理解できないが、自分のことを大切にしてくれている相手は本能的に嗅ぎ分けている。人類の大半がゾンビ化した世界で、ジンやカオルたちと共に暮らしている。
八尋 ジン (やひろ じん)
ゾンビ化を免れた男性。生き別れになった妻の八尋サトコを捜している途中でユキと出会い、共に旅を続けることになる。猫のユキと共に旅を続けるうちに、彼に「相棒」としての感情を抱くようになる。生存者たちが集まっている「島」の存在と、そこに妻のサトコがいることを知り、「島」へ向かおうとするがゾンビの群れに襲われてしまう。
八尋 サトコ (やひろ さとこ)
八尋ジンの妻。人類の大半がゾンビ化した混乱に巻き込まれ、ジンと生き別れになってしまう。生存者たちが暮らす「島」にたどり着き、物資調達隊のメンバーとして本土に渡って薬や食料などを調達する仕事をしている。仕事の傍らジンを捜しており、偶然にもユキと出会ったものの、ジンとは再会することはできずにいる。
カオル
生存者の女性で、「島」で暮らしている。自分の母親が父親ではない男性と愛人関係にあることに悩んでいる。そのため、強くなりたいという願望を抱いており、ひそかにボクシングなどの格闘技のトレーニングを行っていた。「島」に流れ着いたユキを拾って共に暮らすようになる。八尋ジンのことは知らないが、ジンの妻である八尋サトコにあこがれを抱いており、カオル自身もサトコのように物資調達隊のメンバーに入りたいと思っている。
ギルバート
生存者の男性で、「島」で暮らす生存者たちのリーダーを務めている。片目がない強面の風貌ながら情に厚い性格で、カオルが拾ったユキにも不器用ながらも優しさを見せる。また、共にゾンビ化を免れた生存者たちに対しても強い仲間意識を持っており、非情になり切れずに副官のコーディと対立することも多い。
コーディ
生存者の男性。ゾンビ化を免れた生存者たちが暮らす「島」で、リーダーのギルバートの副官を務めている。人間に対して仲間意識を強く持つギルバートと違い、生き残るためには多少の犠牲は必要だと考えている。「島」ではこれ以上の人が暮らすことはできないという考えから、新たな生存者が流れ着いた際にはギルバートに追い返すように進言している。
ビリー
生存者の男性。ゾンビ化を免れた生存者が暮らす「島」で農作業を担当している。大学では農学に加えて医学も学んでおり、人間がゾンビ化した背景には新型のウイルスが関係していると推測している。穏やかな優しい性格で、カオルのよき相談相手だったが「島」にやって来たゾンビに襲われる。
場所
島 (しま)
正式名称不明の孤島。ゾンビ化を免れた生存者が集まって暮らしており、さまざまな人種や国籍の人々が生活している。定期的に物資調達隊が本土で薬や食料を調達する以外は、基本的に自給自足の生活を送っている。
その他キーワード
ゾンビ
人間が新型ウイルスに感染して変異した状態。人間の体を食べることでそこからウイルスを蔓延させ、食べられた人間はゾンビ化する。首を胴から切り離したり、脳を破壊することで活動を停止させられるが、一度ゾンビ化すると元の人間に戻ることはできない。
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