イゴールの島

探検編

遊覧船ツアーに参加した弥生雄一たちは、船が沈没して漂着した無人島で救助を待ち続けていた。大貫清、峰岸と共に薪を拾うために森に入った雄一は、いつも見る「自分が誰かを殺してしまう奇妙な夢」の中の出来事だと思っていたが、ケンジの死体を発見してパニックに陥る。そして、そこに突如ケンジの死体を食いにやって来た恐鳥が姿を現す。散り散りになって逃げる中、いっしょに薪拾いに来た二人も恐鳥に襲われてしまう。なんとか雄一は逃げ延び、少しでも島の情報を集めるために島の中央にある山へ登ることにする。その時、雄一の頭に話しかけてきたのは、離れた土地で刑務所に収監されているはずの男性、イゴール・アレクセイエフだった。ケンジに犯されかけた雄一は恐怖のあまり意識を失ってしまい、イゴールと交信して一時的に雄一の肉体を貸与する契約を交わしたことを知る。イゴールがやったこととはいえ、自分がケンジを殺したことが露見しないか不安になる雄一だった。そして、戦闘とサバイバルのプロを自称するイゴールに、雄一は実際に有益な情報で自分がヒーローになれるよう、雄一の体でイゴールに女性を抱かせてやることを条件に協力を約束させる。

露見編

生存者たちのリーダー的な存在の峰岸は、島の逆側から見える対岸に明かりが見えることから、少しでも救助の希望を見いだすためにキャンプ地を移動させることを提案する。そんな中、恐鳥から逃げた際に行方不明となっていた坂本が、森の中に水場を発見したことで、夜明けに移動を開始することが決定する。早朝、イゴール・アレクセイエフの声に起こされた弥生雄一は、イゴールがケンジを殺害した際に隠したナイフを取りに行くことになり、そこで小さなイノシシを狩ることに成功する。生存者たちからヒーロー扱いされて得意になる雄一だったが、ナイフを探しに行く姿を秋吉高久に目撃されていた。雄一がナイフをすぐに見つけたことから、ケンジを殺害したのは雄一ではないかと推測した高久は、雄一がケンジを殺害したことを黙っている代わりに、高久自身と妻・エツコを優遇するように脅迫する。

遭遇編

弥生雄一たちは二度目の恐鳥の襲撃から逃げ切ったメンバーを集め、島の反対側を目指して移動を開始する。砂浜にゴミ一つ落ちていないことや、同じツアーの参加者だけがこの島に漂着していることに気づいた大貫清たちは、無人島そのものに疑問を抱くようになる。そんな中、坂本の見つけた水場が、恐鳥のテリトリーとなっている可能性が高いことを知った面々は、雄一や峰岸、加賀、坂本だけを向かわせることにする。雄一たちは恐る恐る森を進んでいくと、やがて裸足の人間の足跡を発見し、加賀が勢い余ってその人間を殺害してしまう。その後、水を確保して戻った雄一たちはみんなに島内に恐鳥以外の敵がいることを伝えるが、警戒しながら移動を続けることにする。