WIND BREAKER

WIND BREAKER

桜遥は、偏差値最底辺ながら喧嘩(けんか)最強の風鈴高校に入学して頂点を極めようとするも、不良生徒たちは町を守る自警団「ボウフウリン」を結成して活動していた。戸惑いながらもボウフウリンの一員として戦い始めた桜の姿を描く、青春不良ストーリー。講談社の漫画アプリ「マガジンポケット」で2021年1月13日より連載の作品。「全国書店員が選んだおすすめコミック2022」で第3位を獲得。2024年4月テレビアニメ化。

正式名称
WIND BREAKER
ふりがな
うぃんど ぶれいかー
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊19巻
関連商品
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あらすじ

ボウフウリンとの出会い

その特徴的な見た目を理由に周囲から否定され続けてきた桜遥は、ありのままの自分を肯定するため、喧嘩最強の風鈴高校で頂点を目指すことを決意する。風鈴高校があるまこち町に引っ越して来て早々、路上で不良集団に絡まれる橘ことはを助けたお礼にと、ことはが働いている「喫茶ポトス」で食事をご馳走(ちそう)され、桜は風鈴高校に入学する理由をことはに語る。しかし、「オレは風鈴高校でテッペンを取る」との桜の言葉に、強いだけでは風鈴高校の頂点は絶対に取れないとことはは断言する。桜は自分がどれだけ強いか知らないくせにと憤慨して店をあとにするが、そこには先ほどの不良集団が待ち伏せしていた。一人で奮戦する桜だったが多勢に無勢で、徐々に追い詰められていく。そんな桜の窮地を救ったのは、柊登馬が率いる風鈴高校の自警団「ボウフウリン」だった。

風鈴高校入学

実際の風鈴高校は想像と異なり、町を守る自警団「ボウフウリン」として町中の人たちから愛されていた。不良を撃退する生徒たちの姿を目にした桜遥は、自らもボウフウリンの一員として活動することを決め、さっそくクラスメイトと顔を合わせる。遠い街から引っ越して来たことに加え、商店街での不良集団との立ち回りを知ったクラスメイトたちは桜に強い興味を示す。なぜ風鈴高校にやって来たのかを問われた桜は、喧嘩最強の風鈴高校の頂点を取りに来たと口にするが、これが杉下京太郎の逆鱗(げきりん)に触れ、杉下は桜に突然殴りかかる。すかさず桜も応戦の構えを見せるが、喧嘩になりそうな瞬間止めに入ったのが、教室のスピーカーから流れる声だった。邪魔されたことに苛立(いらだ)つ桜だったが、先ほどまで敵意をむき出しにしていた杉下をはじめ、クラスメイト全員がスピーカーに対して直立不動の姿に驚く。声の主はボウフウリンの総代を務める梅宮一と名乗り、1年生たちにボウフウリンとしての在り方を語る。

獅子頭連編

自警団「ボウフウリン」の主な活動は、まこち町を見回って敵対勢力にその存在感を示すことだった。思ったよりも地味な活動に桜遥は、町を荒らす連中をこちらから叩(たた)きのめしに行けばいいと言い放つ。そんな桜に対して柊登馬は、ボウフウリンは守るための喧嘩しかしないと言って諫(いさ)める。活動を通してクラスメイトと打ち解け始めたのも束の間、ボウフウリンと対立する獅子頭連のメンバーに追われていた笹城を助けたことで喧嘩が勃発。その場を収め、笹城を連れてボウフウリン総代の梅宮一に事情を説明しに行くが、間もなくして獅子頭連頭取の兎耳山丁子が風鈴高校を襲撃する。さらに十亀条をはじめとする獅子頭連のメンバーが大挙して駆け付けたことでその場での勝負は流れ、改めて各チームの代表者五名によるタイマン勝負が行われることになる。事件の当事者である柊、桜、杉下京太郎蘇枋隼飛に梅宮を加えた五名がボウフウリンの代表に決まり、獅子頭連のアジトへと乗り込む。

テレビアニメ

2024年テレビアニメ化。4月4日からTBS系列ほかにて放送。制作はCloverWorks。主人公の桜遥を内田雄馬、楡井秋彦を千葉翔也が演じる。

登場人物・キャラクター

桜 遥 (さくら はるか)

風鈴高校1年1組に在籍する男子。右目は黒色で左目は金色のオッドアイの持ち主。右側七分が黒髪で、左側三分が白髪。その特殊な見た目で、他人から拒絶されたり否定されることが多い。そのため、桜遥自身を肯定する手段として、喧嘩で勝てば目の前の相手より自分に価値があると考えるようになる。そのため、偏差値最底辺で落ちこぼれの吹き溜まりながら、喧嘩最強といわれていた風鈴高校に入学して、不良たちの頂点に立つことを目指していた。実際の風鈴高校は不良の巣窟ではなく、不良生徒たちは自警団「ボウフウリン」を結成して町を守る活動をしており、桜もメンバーの一員として加わるようになる。喧嘩っ早いが、少数に対して多数で暴力を加えるような卑怯(ひきょう)な行為をもっとも嫌っている。口は悪いが根は優しい性格で、他人からの善意になれていないこともあり、褒められると顔を赤くして照れてしまう。また柔軟性があり、動きが非常に素早い。空中で体勢を変えてからの回し蹴りや、超低姿勢からの蹴り上げなどの足技を得意としている。

橘 ことは (たちばな ことは)

まこち町東風商店街にある「喫茶ポトス」で働いている女性。長めのショートヘアで、左目に泣きぼくろがある。不良の集団に絡まれていたところを桜遥に助けられる。治安が悪い場所で飲食店を切り盛りしていることもあり、男勝りな性格をしている。喫茶ポトスは自警団「ボウフウリン」のたまり場になっており、喧嘩の前はここに集まることが多い。梅宮一とは幼少期に同じ施設で過ごしていたため、兄妹のように仲がいい。

楡井 秋彦 (にれい あきひこ)

風鈴高校1年1組に在籍する男子。鼻筋にそばかすがある。誰に対しても言葉遣いが丁寧で、語尾に「っす」と付けて話す。小さい頃から不良のパシリをやらされていたが、風鈴高校の生徒に助けられたことで、助けてくれた人のように格好よくなりたいとの思いから風鈴高校に入学した。喧嘩は弱いが、複数の不良に立ち向かうなど、根性だけは人一倍ある。楡井秋彦自身が格好いい思う男たちのデータを集めたメモ帳を所持しており、彼らの身長や体重をはじめ、血液型、誕生日、趣味、特技、得意技、好きな女性のタイプなどが記載されている。

蘇枋 隼飛 (すおう はやと)

風鈴高校1年1組に在籍する男子。流れるような黒髪で、右目には黒色の眼帯、両耳には長いタッセルとピアスを付けている。学ランの下にはチャイナ服を身につけ、カンフーシューズを履いている。格闘技を習っていた経験があり、その師匠からカンフーや合気道をごちゃまぜにした武術を教えられた。相手の攻撃をうまくいなしてカウンターを決めるのが得意。社交的な性格で、風鈴高校に入学した桜遥にも初対面の時から親しく接していた。

杉下 京太郎 (すぎした きょうたろう)

風鈴高校1年1組に在籍する男子。肩よりやや長いセミロングヘアで、拳で学校の机をたたき割るほどの腕力を誇る。中学生時代から風鈴高校に出入りをしており、その実力と情熱から、高校に入学する前から自警団「ボウフウリン」を名乗ることを許されていた。梅宮一に心酔しており、入学直後にクラスメイトの前で風鈴高校の頂点を取ると豪語した桜遥に殴りかかった。

柊 登馬 (ひいらぎ とうま)

風鈴高校3年1組に在籍する男子。自警団「ボウフウリン」四天王の一人で、多聞衆のリーダーを務めている。桜遥が不良集団から橘ことはを助けたため報復に遭い、多勢に囲まれている桜の窮地を救った。大柄な体格で非常に喧嘩が強いが、胃が弱く、学ランの内側にいつも胃薬を忍ばせている。話をまったく聞かない後輩の佐狐浩太や、自由奔放な梅宮一が原因で胃痛に襲われることが多い。

梅宮 一 (うめみや はじめ)

風鈴高校3年1組に在籍する男子。自警団「ボウフウリン」の総代を務める。銀髪で、左目の眉尻に傷がある。人の話をまったく聞かない自由奔放なマイペースな性格で、柊登馬の胃痛の原因を作っている張本人でもある。風鈴高校の生徒からの信頼は絶大で、まこち町の人たちを家族と言って憚(はばか)らない。風鈴高校の屋上に菜園を造っており、トマトやピーマン、ナス、キュウリ、オクラなどを育てている。橘ことはとは同じ施設の出身で、彼女のことを妹のように思い溺愛している。

笹城 (ささき)

地元の中学校に通う男子。商店街で見つけた万引き犯を追って獅子頭連の縄張りに入ってしまい、獅子頭連のメンバーに絡まれる。しつこく追いかけられていたところを桜遥と杉下京太郎に助けられる。結果として、ボウフウリンと獅子頭連のタイマン対決勃発の原因を作ってしまう。

十亀 条 (とがめ じょう)

ボウフウリンと対立関係にある獅子頭連の副頭取を務める男性。年齢は17歳。ぼさぼさの黒髪で、後ろ髪を三つ編みしている。スカジャンの下に作務衣(さむえ)を身につけ、下駄を履いている。丸い色付きサングラスを愛用しており、ゆったりした話し方が特徴。兎耳山丁子とは同時期に獅子頭連に所属し、兎耳山を頭取に担ぎ上げた。その後、兎耳山が極端な実力至上主義に傾倒していき、獅子頭連の方針が変わっていく中で、十亀条が自ら泥をかぶってでも兎耳山を支えると決意する。仲間に対しても非情で、喧嘩に負けた仲間たちを殴り飛ばし、獅子頭連のスカジャンを剝ぎ取ることもある。

兎耳山 丁子 (とみやま ちょうじ)

ボウフウリンと対立関係にある獅子頭連の頭取を務める男性。年齢は17歳。小柄な体型ながら、史上最年少で頭取になった。ゆるいウェーブがかかった髪型で、童顔なため年齢よりも幼く見える。人を小馬鹿にしたような発言が目立ち、とにかく落ち着きがない。戦いにおいては、トリッキーで素早い動きを見せる。チームで一番強くなれば誰よりも自由でいられると考えていたが、そこに自分の理想とする楽しさはなかった。チーム全体が兎耳山丁子自身のように強くなればいいと考え、チーム内の弱いメンバーを排除しようとしている。梅宮一が楽しそうにしているのは、風鈴高校の誰よりも強いから自由なのだと考え、梅宮とのタイマンに勝つことでボウフウリンごとチームのメンバーを手に入れようとしている。

佐狐 浩太 (さこ こうた)

柊登馬の中学校時代の後輩の男性。年齢は16歳。かつていじめに遭っていたところを柊に助けられ、それから柊に喧嘩を教えて欲しいと頼み込み、慕うようになった。柊が風鈴高校で頂点を目指す時に自分が傍らで支えたいと考えていたが、、梅宮一を支える道を選んだ柊から、佐狐浩太自身は別の新たな目標を探すようにと突き放されてしまう。それ以降、喧嘩に明け暮れる日々を送っていた際に獅子頭連からスカウトを受ける。自らの手で柊を打ち倒し、後悔させてやるとの思いでタイマンに挑む。

柘浦 大河 (つげうら たいが)

風鈴高校1年1組に在籍する男子。筋トレを日課にしており、教室の窓枠を使って懸垂をしていることが多い。オレンジ色の髪をヘッドバンドでまとめ、ビーチサンダルを愛用している。バナナ味のプロテインが大好きで、行きつけの飲食店「まっするぱわー」でのお気に入りメニューはプロテインお好み焼き。人が求める「美学」には生き様が表れると考えており、知り合った人間には「美学」は何かと尋ねる。

桐生 三輝 (きりゅう みつき)

風鈴高校1年1組に在籍する男子。教室ではイヤホンをしてスマートフォンをいじっていることが多い。ピンク色の髪で、耳と眉に多数のピアスを付けている。中学校はお坊ちゃま学校に通っており、中学1年生の時に不良中学校と知られる3年生たちをたった一人で全員倒したという噂がある。

集団・組織

ボウフウリン

超不良校と知られる風鈴高校の生徒が結成した自警団。活動を始めてしばらく経った頃、町を守るために喧嘩をする彼らのことを、町の人たちが「ボウフウリン」と呼ぶようになった。漢字では「防風鈴」と表記される。現在は梅宮一が総代を務め、四天王がそれぞれ3学年4組分をまとめている。仏教における四天王にちなみ、各学年の1組を「多聞(たもん)衆」、2組を「持国(じこく)衆」、3組を「増長(ぞうじょう)衆」、4組を「広目(こうもく)衆」と呼んでいる。桜遥たちは柊登馬がリーダーを務める多聞衆に所属している。

獅子頭連 (ししとうれん)

ボウフウリンとは対立関係にあるチーム。兎耳山丁子が頭取を務めている。まこち町東風商店街の外れにある電車の高架を境にボウフウリンと縄張りを二分している。所属メンバーは、背中に厳(いか)めしい獅子の顔が記されたオレンジ色のスカジャンをトレードマークにしている。「力の絶対信仰」をスローガンに、かつては喧嘩の強さだけを追求するチームだったが、兎耳山が頭取になってから悪い噂が流れるようになった。「オリオン座」という潰れた映画館をアジトにしている。

場所

まこち町東風商店街 (まこちまちとんぷうしょうてんがい)

桜遥たちが通う風鈴高校からほど近い商店街。2年前までは多くのチームやギャングによる喧嘩や抗争が頻発し、治安は最悪の状態だった。現在は風鈴高校の生徒が結成した自警団「ボウフウリン」の活動のおかげで治安がよくなったこともあり、町の人たちは風鈴高校の生徒に対して非常に好意的。まこち町東風商店街入り口のアーケードに多数の風鈴が取り付けられているが、これはかつて風鈴高校の生徒が自分の縄張りを示すために使っていたもので、ボウフウリンが命名されてからは、一か所に集められた。その横には風鈴高校の生徒が立てた看板があり、「これより先、人を傷つける者、物を壊す者、悪意を持ち込む者、何人も例外なくボウフウリンが粛清する」と書かれている。商店街の外れには電車の高架があり、そこを境に向こう側は獅子頭連の縄張りとなっている。

書誌情報

WIND BREAKER 19巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2021-05-07発行、 978-4065229798)

第2巻

(2021-07-09発行、 978-4065240151)

第3巻

(2021-09-09発行、 978-4065248492)

第4巻

(2021-11-09発行、 978-4065259955)

第5巻

(2022-01-07発行、 978-4065265963)

第6巻

(2022-03-09発行、 978-4065272817)

第7巻

(2022-06-09発行、 978-4065281741)

第8巻

(2022-08-09発行、 978-4065288467)

第9巻

(2022-10-07発行、 978-4065294123)

第10巻

(2023-01-06発行、 978-4065303436)

第11巻

(2023-04-07発行、 978-4065312346)

第12巻

(2023-06-08発行、 978-4065318799)

第13巻

(2023-08-08発行、 978-4065326701)

第14巻

(2023-11-09発行、 978-4065335499)

第15巻

(2024-01-09発行、 978-4065341797)

第16巻

(2024-03-08発行、 978-4065348703)

第17巻

(2024-05-09発行、 978-4065355077)

第18巻

(2024-08-07発行、 978-4065361276)

第19巻

(2024-10-08発行、 978-4065371893)

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