概要・あらすじ
植草杏は12歳まで東京で暮らしていたが、中学に入学する直前に両親が離婚し、母親の実家である島根に引っ越すことに。杏はすぐに島根になじんだが、母親は自殺してしまう。杏は、島根で出会った北村大悟に支えられ、付き合い始めるが、15歳の冬に父親が現れ、東京の高校に進学することに。遠距離恋愛がうまくいかずに大悟とは別れてしまうが、杏の心には大悟の影が残ったままだった。
登場人物・キャラクター
植草 杏 (うえくさ あん)
東京生まれ東京育ちだが、12歳の冬に両親の離婚により島根にある母親の実家に引っ越した。根は明るい性格なのだが、母親の自殺のせいで、精神が不安定になることも。北村大悟と付き合っていたが、遠距離恋愛がうまくいかずに別れてしまう。その後ほかの男性とも付き合っていくが、いつまでも大悟のことが忘れられなかった。 母親の姓が植草で父親の姓は水瀬。父親との同居後は水瀬杏。
北村 大悟 (きたむら だいご)
植草杏が中学時代に暮らしていた島根の家の近くに住む同い年の元気な少年。杏と仲良くなり、付き合い始めるが、杏とのささいな行き違いで別れることに。彼自身は杏一筋だが、意外にまわりの女子からモテる。月島椎香や楢崎歩からも好かれていた。杏が大事にしていた2つ目の砂時計は、彼がプレゼントした。
月島 藤 (つきしま ふじ)
植草杏と同い年。杏が中学時代に暮らしていた島根の村の名家の長男。長年、自分は母親の不倫の末に生まれた子で、母親から疎まれていると思い込んで育った。そのおかげで子供時代の性格は、かなりひねくれていた。高校は家の方針で東京の学校に進学。実は12歳の時から杏のことが好きで、高校時代、北村大悟と別れた杏と一時期付き合っていた。
月島 椎香 (つきしま しいか)
植草杏より1歳下。月島藤の妹。多くの使用人に囲まれて育ったので、純真無垢なお嬢さんだったが、杏や北村大悟と仲良くなり、気さくな一面も見せるようになる。かわいい顔立ちと性格の良さで男子にモテる。杏と別れた北村大悟に一時期アタックしていた。
植草 美和子 (うえくさ みわこ)
植草杏の母親。島根の田舎では目立つ美人だったので、常に周りの目を気にしていた。いつかほかの土地で暮らしたいと願い、東京から来た水瀬正弘と結婚した。東京で暮らしていたが、正弘の仕事の借金が原因で離婚し、杏を連れて島根に戻ることに。精神的に追い込まれ、ついに自殺してしまう。
おばあちゃん
植草杏の祖母。夫とともに島根に在住。しつけに厳しいが、杏をとても大事に見守っている。昔から娘植草美和子が繊細すぎるのを心配していた。美和子が亡くなってからは、杏の母親的な存在になる。飼い猫のクロをとても可愛がっている。
水瀬 正弘 (みなせ まさひろ)
植草杏の父親。島根で植草美和子と出会い、結婚。杏を授かるが、杏が12歳の時に仕事の借金が原因で離婚してしまう。妻美和子と娘杏が島根に戻ったあと、3年かかってようやく借金返済のメドがつき、杏と東京で暮らしたいと申し出る。真面目で優しい性格。杏のおばあちゃんには頭が上がらない。
黒木 楓 (くろき かえで)
水瀬正弘の友人で女医。正弘が、島根で暮らしている娘の植草杏と暮らしたがっていることを知り、杏に正弘が倒れたと知らせ、東京に呼び寄せる。優しく、仕事もでき、頼もしい性格だが、料理は苦手。杏に東京の高校が受かるように勉強を教え、仲良くなった。正弘に恋心を抱いていたが、言い出せずにいた。
月島 志津子 (つきしま しずこ)
月島藤と月島椎香の実の母親。先妻が子供に恵まれなかったため、後妻として大阪から月島家に嫁いできた。気の強い美人。夫は仕事が多忙で家に居着かないという話だが、先妻の所に通っているという噂もあり、あてつけのように浮気していた。藤にそっけない態度をとっていたのは、浮気の現場を見られて、対応に苦慮していたため。
楢崎 歩 (ならさき あゆむ)
植草杏と同い年。中学時代は柔道部所属。元気がよく、胸の大きさに自信がある。同じ柔道部の北村大悟に恋心を抱き、植草杏をライバル視していた。杏にひどい嫌がらせをしたのが原因で、中学時代は大悟から嫌われた。大悟が大学受験のときに再会し、一時期付き合うことに。
最上 茉莉子 (もがみ まりこ)
月島藤の従姉妹で藤の2歳年上。ロングヘアのおっとりとした美人。東京の高校に進学した藤は、彼女の実家から通学していた。幼い頃から藤や月島椎香とも仲が良かった。やさしくて面倒見が良い。
田所 遥 (たどころ はるか)
月島藤が東京での下宿先から家出をし、公園で野宿していたとき、仕事を紹介し友達の家に居候させた。「CLUB響」のホステスで4人の子持ちだが、華やかな容姿の美人。離婚調停中で子供の親権を争っていたが、最終的には親権を得ることができた。藤を探しにやってきた植草杏とも仲良くなる。優しくて頼もしい性格。
佐倉 圭一郎 (さくら けいいちろう)
26歳になった植草杏と同じ電車で通勤している32歳の商社マン。仕事はできるが、周囲の人間に不寛容で、弱い人間、甘えた人間が大嫌い。杏とは仲良くなり、プロポーズまでするが、口喧嘩が元で婚約破棄してしまう。
場所
仁摩サンドミュージアム (にまさんどみゅーじあむ)
島根県にある砂の博物館。植草杏が12歳の時、島根に引っ越す途中で母親の植草美和子と訪れる。その後、杏は人生の節目で度々ここを訪れる。杏が大事にしていた砂時計はこの博物館で売られていたもの。
琴ヶ浜 (ことがはま)
島根県にある鳴き砂の海岸。成人式で島根に戻った植草杏と北村大悟が訪れ、26歳になった杏が一人で訪れている。
その他キーワード
砂時計 (すなどけい)
植草杏がずっと大切にしてきた宝物。最初の砂時計は母親の植草美和子が買ってくれたものだが、母親の葬式で杏が壊してしまう。2つ目の砂時計は北村大悟がプレゼントしてくれたもの。杏にとってこの砂時計は母美和子や大悟の象徴だった。
書誌情報
砂時計 5巻 小学館〈コミック文庫(女性)〉
第1巻
(2011-03-15発行、 978-4091911995)
第2巻
(2011-03-15発行、 978-4091912008)
第3巻
(2011-04-15発行、 978-4091912381)
第4巻
(2011-04-15発行、 978-4091912398)
第5巻
(2011-05-14発行、 978-4091912404)