概要・あらすじ
貧弱でスケベな上に弱虫の沢村典隆は、悲惨な過去を乗り越え新たな生活を送るべく泉谷高校に入学し、美少女・中山美樹と知り合う。猛烈なアプローチをかけるノリタカだったが、ソフトボールの授業でボールを避ける醜態を晒し、美樹から「弱い人嫌いなの」と言われてしまう。強い男を目指して様々な運動系部活の門を叩くノリタカは、貧相な体つき故にどこにも相手にされなかったが、諦めかけた彼の目に蹴道部の部室が目に入った。
ノリタカは蹴道部に入部し、適当なコーチ・丸山の指導の下怪しげな稽古を積んでいく。そんなある時、ノリタカはボクシング部副将で、学園のヒーローと呼ばれる中矢健が美樹を狙っていると噂を聞きつける。
プレイボーイ中矢から美樹を守るため、ノリタカは無謀な勝負を挑むも執拗なローキックで勝利。一躍有名人となったノリタカだが、今度は先輩中矢の恥を注ぐために元中学生チャンピオンボクサー・山崎竜二から決闘を申し込まれてしまう。持ち前の根性と丸山の作戦により山崎に辛勝したノリタカ。
その後も、全身凶器と呼ばれる空手部の布袋茂や交換留学生としてやってきたケン・ジャクソン、ロシアからの転校生・ミハエル・ゴラーエフなどの強敵が現れるが、ノリタカは丸山指導の下、奇妙なトレーニングを乗り越えて成長、持ち前の悪運も相まってライバルたちを打ち倒していく。
美樹との距離も縮まりつつあり、絶好調のノリタカだが、ある日父親の昇進に伴って横浜の高校へと転校となってしまう。そして、新天地でも新たな強敵が彼の前に立ちはだかっていくのだった。
登場人物・キャラクター
沢村 典隆 (さわむら のりたか)
貧弱で弱虫故に不遇な半生を送ってきた少年。中学一年の一学期、学校で大便をしたせいでうんこや検便などと渾名されていた。泉谷高校に入学の際、新たな生活を送るために心機一転して一目惚れしたクラスメイト・中山美樹に積極的なアプローチを掛ける。体育の授業でボールを避けたことにより、美樹から「弱い人は嫌いなの」と振られてしまうも、強くなって彼女の気を引こうと運動部に入ろうとした。 様々な部活から拒否されるが、偶然に蹴道部の部室を発見、コーチ・丸山から見せられたキック・ボクシングのビデオを見て入部を決意。オカマバーでの接客や、猫の餌付けなど一見格闘技と関係なさそうな稽古を通し、やがては世界の強豪とも渡りあえるように強く成長していく。 サッカーの経験から足腰が鍛えられ、思考能力がないため技の呑み込みが早く、また天性の柔軟性を持つことから非常に打たれ強い。キックボクシングを中心としているが、空手や柔術、中国拳法などの技術を組み合わせる格闘スタイルを取っている。
中山 美樹 (なかやま みき)
泉谷高校に通う一年生の女子学生。部活は柔道部に所属している。沢村典隆のクラスメイトで、彼と席が隣合わせだったことから仲良くなった。ノリタカから積極的アプローチを受けるも、彼の臆病な面を見て失望してしまう。しかし、その後自分の為に強く成長するノリタカのことを気にかけていくが、スケベなノリタカへの反発と、彼に対して素直になれない性格から中々自分の気持ちを認めたがらない。 プロポーション抜群の美少女であり、ノリタカのライバル達からも思いを寄せられることが多い。特にバストは凄まじい成長速度を誇り、次第に大きさを増していく。
チャンプア
泉谷高校蹴道部に所属する学生で、タイからやってきた留学生。味覚音痴。日本語に堪能で、丁寧な言葉づかいで話す。小さなころからムエタイを習っている実力者。温厚な人柄だが、ムエタイを馬鹿にする者には激昂する。最初は無駄のない筋肉と強烈なキック力を誇っていたが、次第に新入部員の沢村典隆に差をつけられてしまう。 中山美樹へ密かに思いを寄せている。
丸山 (まるやま)
泉谷高校蹴道部のコーチを務める男性。元極真空手、最高師範に指名され鬼の丸山とまで評された空手の達人。沢村典隆にキックボクシングの基礎から、試合の作戦まで叩き込む。ノリタカの才能を早くから見抜いており、彼がボクシング部エースの山崎竜二を倒した際には共に天下を取りうる存在と認識するようになった。 訓練はヨガを取り入れたりと、遊びにしか見えないユニークものも多いが、全て実戦に応用できるものである。
中矢 健 (なかや けん)
泉谷高校に通う男子生徒で、美形のボクシング部エース。学園のヒーローと言われ、女性のファンも多い。しかし、実際には女子学生をやり捨てにしていたプレイボーイ。ある時中山美樹に目をつけ、ホテルに連れ込もうとするも沢村典隆の妨害され、更にはノックアウトされてしまう。その後はノリタカと友情を結ぶも、美樹に名残惜しさを感じている。
布袋 茂 (ほてい しげる)
泉谷高校に通い、空手部に所属する男子学生。全身凶器と評され、部活外でも実戦派と言われる空手塾・正心塾に所属している。硬派で、武道に対して真摯に向き合っている。中学の頃は大人しい性格だったが、上級生とのいさかいの中で凶暴な性格に豹変、クラスメイトが彼の誕生日を祝うまで理性を失ったままだった。 現在でもキレると手が付けられなくなる。顔面に攻撃を食らったことがなく、初めて自分の顔に傷をつけた沢村典隆に敵愾心を持つようになった。更に、ノリタカが思いを寄せる同級生の三井ちさとの胸を揉みしだいたとの噂から激怒しノリタカに決闘を挑んだ。激闘の末ノリタカに敗れてしまった後は中矢健や山崎竜二同様に、彼の良き友人となっている。
山崎 竜二 (やまざき りゅうじ)
泉谷高校ボクシング部に所属する一年生で、元中学生チャンピオン。坊主頭でいかつい顔をしている。先輩の中矢健が沢村典隆に負けたと聞き、ボクシング部の威厳を取り戻すためにノリタカに勝負を挑んだ。幼いころに友人を殴って玩具を借りたことで暴力に目覚め、以降恐怖で人をつき従えてきた。 しかし、今まで見下していた弱者の一人、ノリタカによって倒されると素直に負けを認めた。その後はノリタカと友情を結び、彼の為に体を張ることもある。
ケン・ジャクソン (けんじゃくそん)
アメリカから泉谷高校にやってきた交換留学生。鋭いパンチを放ち、好戦的で日本人を見下す凶暴な男。留学当初は常ににこやかな笑みを浮かべて本性を隠していた。格闘系部活動の名門・泉谷高校で一番強い男を探し、多くの人から名前が挙がった沢村典隆に興味を持つようになる。 昼休みにふとしたことからボクシング部エース・中矢健や空手部の布袋茂とスパーリングを行い一蹴、その後ノリタカと勝負するも決着を先延ばしにされ、自分の壮行会で決着をつけることになる。圧倒的な筋肉量とスピードでノリタカを追いつめるも、三角飛びを応用した三角パンチによりK.O.負けを喫する。 その後は性格もやや丸くなり、ノリタカから心の友と呼ばれるようになる。また、ノリタカのことをアメリカに招待したこともある。
ミハエル・ゴラーエフ (みはえるごらーえふ)
成績優秀でスポーツ万能、更にマルチリンガルの、ロシアから泉谷高校に転校してきた男子学生。愛国心がとても強く、ロシアを侮辱されると手が付けられなくなるが、旧ソビエトの旗を見せると落ち着く。転校初日の挨拶で日本人が弱いと言い、カッコつけようとした沢村典隆に喧嘩を売られてしまう。 その場は何とか収まるものの、歓迎会のノリタカに旧ソの旗を燃やされてしまい激怒、決闘を申し込んだ。軍隊で作られた軍隊格闘技の使い手で、30人の不良を3分で半殺しにする腕を持つが、ノリタカの奇策に翻弄され、最後はチョークスリーパーで落とされてしまう。中山美樹を天使に例え、彼女を祖国へ連れて帰ろうとした。
温子 (あつこ)
泉谷高校に通う女子学生で、中山美樹の親友。チャンプアに好意を寄せている。顔立ちはあまりいい方ではなく、また保身のために布袋茂に嘘を吐いて彼と沢村典隆との因縁を深めたこともあるなどトラブルメーカー気質。
西井 (にしい)
横浜でオカマバーを経営する男性。かつて極真空手最高師範を務めた丸山にも勝ったことがあり、現在でも高い実力を持つオカマ。ハワイ出身の相撲部員・ジェシー・キラウェアに勝つため、丸山の指示を受けた沢村典隆に師事を仰がれた。
チェン・リー (ちぇんりー)
元町高校中国拳法部のエース。師匠周の娘、周和美に好意を抱いている。実戦的な中国拳法に誇りを持ち、横浜武道大会決勝で沢村典隆を倒してその強さを証明しようと目論む。強くあることを信条とし、格闘家にとって愛や恋は二の次としていたが、ノリタカの中山美樹への愛が詰まった発剄パンチを受けてダウンする。 脳が揺さぶられたせいで急性パンチドランカー状態に陥り、その後ヌンチャクを振り回すも自滅してしまった。
ジェシー・キラウェア (じぇしーきらうぇあ)
ハワイ出身でE高相撲部に所属する男子生徒。チェン・リーを倒すための秘策を受けるため、校内で一番強い者を倒して来いと珍老人から条件を出された沢村典隆が挑んだ相手。230kgを超える巨体を持つパワーファイターで、その張り手はE高最強と呼ばれたテコンドー部の本城を一撃で伸してしまうほど強烈。 しかし、奇策を弄するノリタカよってじわじわと体力を削られ、最後は二段とびヒザ蹴りをくらいK.O.負けする。敗北後はノリタカの実力を認め和解、日本で相撲のチャンピオンになることを目指している。
集団・組織
泉谷高校 (いづみやこうこう)
沢村典隆や中山美樹が通う高校。いくつかの部から有名選手を多く輩出している格闘系部活の名門。海外交流も頻繁であり、アメリカの姉妹校と交換留学などもしている。
クレジット
- 原作
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村田 ひでお