初恋相手を忘れられない少女の新たな恋
物語の舞台は、広島県尾道市。16歳の渚は、4年前に東京へと引っ越した初恋の人、涼を待ち続けている。そして、涼が寂しくならないよう、毎日手紙を送っているが、この1年間連絡が取れないでいた。そんなある日、「監督を殴って芸能界を干された」という噂の、イケメン高校生俳優の大和が瀬戸家の向かいに引っ越してくる。大和は渚と同じクラスになるが、プライドが高く、周囲に馴染めないでいた。そんな大和を心配した渚は、何かと世話を焼くようになり、次第に二人の距離は縮まっていく。本作は、初恋相手を忘れられずにいた渚の、新しい恋を描いた青春ラブストーリーである。
迷い猫のようなイケメン×優しくて情に厚い女子高生
渚は、初恋男子を一途に待ち続ける健気な女の子。少々天然だが、優しくて情に厚い。異性に関しては、涼のことしか頭にないため、有名俳優の大和のこともまったく知らなかった。大和は自己中心的な性格でナルシスト。渚によると、自由奔放でプライドの高いところが、尾道にふらりと現れた迷い猫に似ているという。幼い頃に両親が離婚したうえ、子役のときから仕事ばかりで孤独だった大和は、お節介焼きの渚と接するうちに、彼女に惹かれていく。一方渚も、ぶっきらぼうながら、なんだかんだで優しい大和が次第に気になる存在になっていく。
初恋の人の帰郷
涼への想いを諦めきれない渚は東京に向かうが、結局会えず、彼が住んでいたはずのマンションもなくなっていた。自分を心配して付いてきてくれた大和に慰められた渚は、彼が側にいてくれてよかったとしみじみと思う。大和と二人きりのクリスマスを過ごした渚は、涼との思い出を断ち切り、新しい日々を始めようと決心する。そんなとき、再会をあきらめていた涼が、尾道に帰ってくる。涼は、事故で入院したり、学校の行事で忙しかったりで、手紙の返事ができなかったことを素直に謝った。そして、渚と一緒に笑っていたいという涼は交際を申し込む。好きな人に告白されたのに、なぜか素直に「うん」と言えない渚は、やがて自分の本当の気持ちに気づくのだった。
登場人物・キャラクター
瀬戸 渚 (せと なぎさ)
広島県尾道市在住の16歳の少女。ショートカットが特徴の高校1年生で、7月24日生まれ、B型。世情やおしゃれに疎いが、素直で明るく情に厚い性格をしている。4年前に東京に引っ越した、初恋の男子、涼との再会を心待ちにしながら毎日を過ごす。涼に送ったり、再会したときに見せたりするために、尾道の写真を大量に撮ってアルバムにしている。
上条 大和 (かみじょう やまと)
16歳の男子高校生で、子役あがりのイケメン俳優。4月16日生まれ、AB型で、プライドが高いが根は優しい。監督に暴力を振るったために芸能界から干され、マネージャーの祖父が住む広島県尾道市に引っ越してくる。渚の向かいの家に住み、学校でもクラスメイトになる。子供の頃から仕事ばかりだったため、学校行事などにはあまり参加した経験がない。







