恋を知らない僕たちは

恋を知らない僕たちは

水野美波の代表作の一つ。現代日本の中学校・高校を舞台に、思春期の学生たちの恋愛と友情を描いた物語。ある日、中学2年生の英二と直彦の学校に、かつて英二と同じ小学校に通っていた泉が転校してくる。英二は小学生時代から仲がよかった泉に思いを寄せていたが、親友の直彦が泉に告白し交際を始めたことで、自らの思いを封印する。時が経ち、英二たちは高校生になるが、泉は再び引っ越してしまい、直彦と泉は遠距離恋愛を続けることとなる。そんな中、変わらぬ友情で結ばれた英二と直彦は、太一、小春、瑞穂といった新たな友人と出会い、泉も含めた六人の複雑な恋愛関係が形成されていく。本作は、複数の登場人物の恋愛関係が交錯する群像劇の要素を持つクロスラブストーリー。登場人物の内面描写に重点が置かれ、モノローグや心理描写を通じて各キャラクターの感情が繊細に表現されている。また、中学時代から高校時代への時間経過を軸とした構成により、成長に伴う人間関係や感情の深化が段階的に描かれている。集英社「別冊マーガレットsister」冬フェスvol.2に掲載されたのち、集英社「別冊マーガレット」2017年7月号から2021年6月号まで連載。実写映画(劇場)が2024年8月に公開された。

正式名称
恋を知らない僕たちは
ふりがな
こいをしらないぼくたちは
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全11巻完結
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作品の概要

基本情報

水野美波の代表作の一つ。

要旨と舞台設定

現代日本の中学校・高校を舞台に、思春期の学生たちの恋愛と友情を描いた物語。ある日、中学2年生の相原英二と別所直彦の学校に、かつて英二と同じ小学校に通っていた汐崎泉が転校してくる。これをきっかけに、恋愛とは無縁だった直彦は泉に好意を抱くが、一方の泉は英二に思いを寄せていた。

ストーリー展開

実は英二も、小学生時代から仲がよかった泉に思いを寄せていたが、親友の直彦が泉に告白して交際を始めたことで、自らの思いを封印する。時が経ち、英二たちは高校生になるが、泉は再び引っ越してしまい、直彦と泉は遠距離恋愛を続けることとなる。そんな中、変わらない友情で結ばれた英二と直彦は、瀬波太一、藤村小春、池澤瑞穂といった新たな友人と出会い、泉も含めた六人の複雑な恋愛関係が形成されていく。それぞれが抱える恋心や友情との板挟み、思いを伝えられない葛藤が描かれ、思春期特有の感情の揺れ動きが物語の中核を成している。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、複数の登場人物の恋愛関係が交錯する群像劇的要素を持つクロスラブストーリー。等身大の高校生の恋愛感情をテーマに、友情と恋愛の境界線や一方通行の恋心といった内容が扱われている。

作品固有の表現技法と特徴

作中では、登場人物の内面描写に重点が置かれ、モノローグや心理描写を通じて各キャラクターの感情が繊細に表現されている。また、中学時代から高校時代への時間経過を軸とした構成により、成長に伴う人間関係や感情の深化が段階的に描かれている。

世界観の構築と設定

本作の世界観は現代日本の学校生活を基盤としており、中学校から高校への進学や部活動、学校行事といった要素が物語の背景として機能している。現実的な学校環境の中で登場人物たちの恋愛模様が展開され、友情と恋愛が交錯する思春期の心理状態や、成長過程における人間関係の複雑化を核として構築されている。

連載状況

集英社「別冊マーガレットsister」冬フェスvol.2に掲載されたのち、集英社「別冊マーガレット」2017年7月号から2021年6月号まで連載。

メディアミックス情報

実写映画(劇場)

2024年8月23日公開。監督は酒井麻衣。キャストは相原英二を大西流星、別所直彦を窪塚愛流、汐崎泉を齊藤なぎさが演じる。

あらすじ

第1巻

中学2年生の相原英二別所直彦は毎日を楽しく過ごしていた。そんな中、英二の小学生時代の友達の汐崎泉が直彦らの中学校に転校して来る。泉は英二との再会を喜び、同時に直彦とも親睦を深めていく。これまで恋愛事に疎かった直彦だったが、いつしか泉に惹かれていき、同時に泉が英二に好意を抱いている事にも気づく。しかし、悩んだ末に直彦は泉に告白をし、二人は交際を開始する。一方で密かに泉に好意を抱いていた英二は一人涙するのだった。そして時は過ぎて三人は中学校を卒業し、直彦と英二は同じ高校へと進学する。再び泉は引っ越しをしてしまったため、直彦と泉の遠距離恋愛がスタート。直彦は泉と会えない日々を寂しく思い、英二は瀬波太一など新しい気の合う友達と知り合うが、中学時代と違って物足りない日々を過ごしていた。そんな中、直彦はタカヒロから都合よく扱われている女子の藤村小春と知り合う。さらに直彦が泉に会う費用を稼ぐために始めたアルバイト先が小春と同じだった事もあり、直彦と小春は確実に距離を縮めていく。その姿を見た英二は、それとなく直彦と小春に釘を刺す。

第2巻

遠距離恋愛中の別所直彦は、汐崎泉と月に1回の逢瀬を重ねていたが、今回は都合がつかないと断られてしまい、寂しさを覚える。一方、瀬波太一から池澤瑞穂が好きだと相談を受けた相原英二は、太一のために力を尽くす。結局は太一と瑞穂はすぐに交際スタートとはいかなかったものの、まずは友達から始めようと一歩前進した。そして夏休みのある日、英二と別所直彦は太一の親戚が屋台を出す地域の祭りに参加する事となった。同じく祭りに来ていた藤村小春は友達とはぐれ、さらにスマートフォンを落として途方に暮れるが、そこをたまたま現われた直彦に助けられる。その場面を目撃した英二は小春を呼び出し、直彦は泉と交際しているのだから手を出すなと再度釘を刺すが、小春はなぜ英二の許可が必要なのかと反論する。すると英二は、直彦にアプローチされるくらいならば自分と付き合おうと小春に告白をし、英二と小春は恋人のふりをする事になった。小春は英二と交際しているふりをしているうちに、英二は泉が好きなのではないかと気づいてしまう。

第3巻

家庭の事情により、汐崎泉は再び相原英二らの住む街に引っ越して来て、彼らと同じ高校に通う事になった。遠距離恋愛から解放された別所直彦と泉は仲睦まじい姿を見せるが、英二の心中は複雑で、泉に帰って来てほしくなかったと思う日々が続く。そんな中、藤村小春は泉に接近し、英二と小春、直彦と泉のカップルでダブルデートを決行。小春の画策によって泉と二人きりになった英二は、未だに泉に好意を抱いている自分に気づく。一方の直彦と小春は書店に行き、小春は英二の誕生日プレゼントをいっしょに選んでほしいと依頼し、直彦はその場で池澤瑞穂に連絡を取り、英二が好きそうな本を聞く。その際に英二が小春と交際していると知った瑞穂は激しく動揺し、自身が英二に好意を抱いている事を実感した。そんな中、英二らの通う高校では文化祭が行われる事になり、それぞれが準備に追われていた。英二と瀬波太一が昼食を取ろうとしていると、階段で瑞穂と肩が触れた太一がカップラーメンをこぼしてしまう。そして英二、太一、瑞穂の三人で片付けをしている際、太一は瑞穂が英二に恋をしている事に気づく。

第4巻

文化祭が催され、相原英二らは自分の持ち場で奮闘していた。そんな中、藤村小春に誘われた英二は、小春と汐崎泉のクラスの出し物のお化け屋敷に入る。お化け屋敷では、泉が一人で補修作業をしており、内部で英二は泉と出会い、二人きりになってしまう。気持ちを抑えきれなくなった英二は泉にキスをするが、その場面を小春に目撃される。ショックを受けた泉は、そのまま別所直彦に英二とキスをしてしまったと打ち明け、激怒した直彦は英二に殴りかかる。その後、今ならば心のスキに入り込めるのではないかと考えた小春は、直彦に声を掛けるが、結局は英二との友情を重視する直彦の気持ちを知り、明確な行動は起こせずに終わるのだった。文化祭が終了したあと、直彦と泉は変わりなく交際を続けていたが、英二が二人にかかわる事はなく、英二と直彦が二人で行動をする事もなくなっていた。そんな中、小春と英二が誰もいない教室で語り合っていたところ、そこに偶然居合わせた瀬波太一は、二人が付き合っているふりをしているという事実を知ってしまう。

登場人物・キャラクター

相原 英二 (あいはら えいじ)

初登場時は中学2年生の男子。その後高校へと進学する。別所直彦とは中学1年生の時からの親友。中学生時代は「超」がつくほどの恋愛体質で、美人を見るとすぐに恋に落ちるものの、自分から行動を起こす事はなかった。明るくノリがよく、何事にもアバウトな性格の持ち主。本が大好きで、高校では図書委員を務めている。小学生の頃に近所に住んでいた汐崎泉と親しくしていたが、泉が転校してからは疎遠になっており、中学2年生の時に再び相原英二の住む街に戻って来た事で再会した。 小学校の頃から泉に対して好意を抱いていたが、泉が直彦と交際した事で失恋を経験している。直彦と泉との三角関係で傷ついた事から、高校生になってからはもう恋愛はしないと心に決めていた。 しかし、直彦に近づくなと牽制した藤村小春に逆に痛いところを突かれてヤケになり、直彦にアプローチされるくらいなら自分と付き合おうと告白して、小春と恋人のふりを開始した。その後、英二の住む街に引っ越して来た泉と再会して恋心を再燃させ、直彦との友情と泉への愛情の狭間で苦悩する。

別所 直彦 (べっしょ なおひこ)

初登場時は中学2年生の男子。その後高校へと進学する。相原英二とは中学1年生の頃からの親友。年齢のわりに落ち着いた見た目と言動ながら、恋愛だけでなく人間関係全般においてやや鈍感な一面がある。中学2年生の時に転校して来た汐崎泉に好意を抱くが、泉が英二に片思いをしている事を知って悩む。しかし、一歩踏み出さないとなにも始まらないと勇気を出して告白し、泉との交際をスタートさせた。 その際には、英二が泉に好意を抱いている事実には気づいていなかった。泉は中学校の卒業と共にすぐに引っ越してしまったため、以降遠距離恋愛をしていた。しかし高校1年生の時に、泉が再び別所直彦の住む街に引っ越して来た事で、遠距離恋愛は終了している。泉の事を大切にしており、藤村小春にそれとなくアプローチをされても気持ちを動かす事はない。 英二曰く、「彼女の尻に敷かれるタイプ」。

汐崎 泉 (しおさき いずみ)

初登場時は中学2年生の女子。その後高校へと進学する。相原英二とは小学校が同じで家も近かった事から頻繁に遊んでいたが、小学3年生の時に父親の転勤のために引っ越す。その後、中学2年生の時に英二の住む街に再び戻って来た。幼い頃から転校をしてばかりだったため、コミュニケーション能力が非常に高い。また、天真爛漫で人を疑う事のない真っ直ぐな性格の持ち主で、英二を介して別所直彦ともすぐに親しくなる。 幼い頃から英二が好きだったが、直彦とかかわり合ううちに直彦に好意を抱くようになる。さらに直彦から告白をされた事で気持ちを受け入れ、交際がスタート。中学校の卒業と共にすぐにまた遠くの街へと引っ越す事になり、以降直彦とは遠距離恋愛をしていた。その後、高校1年生の時に再び英二と直彦の住む街に戻り、同じ高校に通う。

池澤 瑞穂 (いけざわ みずほ)

高校1年生の女子。高校に進学した相原英二と別所直彦のクラスメイト。吉野さくらとは親しい友達。几帳面なしっかり者で、英二と同じ図書委員を務める。言いたい事ははっきりと口にする気の強い性格。大人びた容姿のクールな美女で、瀬波太一から好意を寄せられている。出会った頃は適当な性格の英二とはそりが合わず、なにかとぶつかっていた。 しかし、さくらの勘違いによって自分が英二に好かれていると意識して以来、英二の事が気になり始め、片思いをするようになる。ただしその時には既に英二は藤村小春と交際を開始しており、誰にも相談できずに苦悩していた。英二と小春が付き合っているふりをしている事は知らない。

瀬波 太一 (せなみ たいち)

高校1年生の男子。高校に進学した相原英二とは別のクラスだが、同じ図書委員の活動を通して知り合った。軽音楽部に所属している。学校内では長い髪の毛を一つに結んでいるが、自身が所属しているバンド活動の時にはダウンスタイルにする事が多い。明るくノリのいい性格の持ち主で、英二とは出会ってすぐに意気投合した。しかし適当な英二とは異なり、自分のするべき事にはしっかりと取り組むタイプ。 池澤瑞穂の人柄を尊敬し、片思いをしている。

藤村 小春 (ふじむら こはる)

相原英二らと同じ高校に通う1年生の女子。一つ年上のタカヒロと交際していた。タカヒロに都合よく扱われていたものの、初めての彼氏だからと尽くし続けてきたが、浮気をしているのではと指摘したところ、あっさりと別れを告げられてしまう。タカヒロのために用意した大量の飲み物を1本落としてしまい、別所直彦が拾った事で直彦と知り合う。 その後、直彦が汐崎泉のために始めたアルバイト先のコンビニエンスストアで再会し、彼の指導係を務める事になる。タカヒロと別れた際に励ましてくれた直彦に好意を抱いているが、英二から告白をされ、彼と恋人のふりをする事になった。英二とはふつうに交際を続ける気はなく、彼を利用して直彦の近くにいようと考えている。 もともとやや天然気味のふわふわとした性格の持ち主だったが、直彦に恋をするうちにたくましく成長していく。

吉野 さくら (よしの さくら)

高校1年生の女子。池澤瑞穂と仲がいい。高校に進学した相原英二や別所直彦、瑞穂のクラスメイト。英二が瑞穂の事が好きなのではないかと誤解し、瑞穂に好意がないのならばはっきりと言った方がいいと忠告した事で、瑞穂が英二に好意を抱くきっかけを作った。

タカヒロ

かつて藤村小春と交際していた高校2年生の男子。小春からは「タカ」と呼ばれている。高校に進学した相原英二らの1学年上にあたる。小春の事を都合よく扱い、昼食など細かな出費をすべておごらせていた。さらに別の女子生徒と二股をかけており、浮気を指摘した小春に激怒し、そのままあっさり別れを告げた。不誠実な性格ではあるが、容姿は整っている。 小春が別所直彦に恋をしてからは、かわいくなったと感じており、ちょっかいを出すようになる。

書誌情報

恋を知らない僕たちは 全11巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2017-10-25発行、978-4088458403)

第2巻

(2018-01-01発行、978-4088458816)

第3巻

(2018-05-01発行、978-4088440392)

第4巻

(2018-09-01発行、978-4088440972)

第5巻

(2019-01-01発行、978-4088441566)

第6巻

(2019-05-01発行、978-4088442013)

第7巻

(2019-09-01発行、978-4088442464)

第8巻

(2020-02-01発行、978-4088443027)

第9巻

(2020-09-01発行、978-4088443508)

第10巻

(2021-02-01発行、978-4088443812)

第11巻

(2021-06-24発行、978-4088444987)

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