総天然色 バカ姉弟

総天然色 バカ姉弟

安達哲の『バカ姉弟』の続編作品。双子姉弟の日常を、1話完結で描くほのぼのした作品で、タイトル通り、全編フルカラーで描かれている。「月刊ヤングマガジン」2016年第3月号から連載の作品だが、『バカ姉弟』のコミックス未収録エピソードも収録されている。

正式名称
総天然色 バカ姉弟
ふりがな
そうてんねんしょく ばかきょうだい
作者
ジャンル
その他ギャグ・コメディ
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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あらすじ

買い物に出たは、ひどい夕立に降られて雨を防げる場所に退避する。雨がなかなか止まないため、いっしょに雨宿りしていた大人達は濡れる覚悟を決めて外に飛び出す。それを見た弟も飛び出そうするが、姉に止められ、二人は雨が完全に止むまでそこで待つ事にする。(エピソード「雨宿り」)

男性は姉と弟を探して街中を歩くが、なかなか会えずにいた。ようやく二人を見つけて写真を撮らせてもらうと、男性は「子供を立派に育てられる大人になりたい」と決意を新たにする。(エピソード「育児」)

セムコ警備保障の男性は、姉と弟のお世話をする女性から、姉弟の食事の付き添いを頼まれる。お年寄りが二人をいじりに来ると聞かされていたため、二人が食事しているあいだも周囲を警戒していると、男性の知人が姿を現す。(エピソード「ザ・ガードマン」)

夜、姉と弟は建て替え中の家に忍び込み、職人が使っているラジカセで音楽を聴いて楽しんでいた。しかし住人に見つかってしまい、母屋まで連れて来られ、そこで寝るように言われる。(エピソード「可愛いみなしご」)

少年は初めてのデートでお好み焼き屋に来ていたが、うまくお好み焼きをひっくり返す自信がなくて悩んでいた。しかし、店内にいた姉と弟の焼き方にヒントを得て、無事に焼く事ができた。(エピソード「若者たち」)

立花のおじいちゃんは、親戚の赤ちゃんが、自分の顔を見て泣き出した事で落ち込むが、姉は泣かなかった事を思い出す。姉といっしょに夕食を食べる約束をしていたおじいちゃんは、当日はふんぱつして上質な刺身を食卓に並べる。(エピソード「クマリ」)

弟はピアノの練習が忙しい姉と遊べず、夜もいっしょに寝れない事で寂しい思いをしていた。気持ちが沈んだまま小学校に入学した弟は、姉がすぐに学校の人気者になる事を予感する。(エピソード「進学」)

中学生になった弟は、「地主」という名字から付けられた「ヌシ」というあだ名が、泣くほど嫌だった。しかし、それを近所のお年寄りに愚痴っても、「別にいいじゃないか」と返されてしまう。(エピソード「悩み」)

ある夜、姉と弟が寂しがっていると思った男性と立花のおじいちゃんは、姉に電話を掛ける。しかし、予想に反して二人は普段と変わらない生活を送っていた。(エピソード「交流」)

姉は平べったい頭をした男性と話す事で、自分のような凹凸のある頭を羨む人間がいる事を知り、自分のおでこを叩くのをやめる。(エピソード「友情」)

姉は弟と待ち合わせているお店に行こうと、家を出たところで、立花のおじいちゃんの話し相手になってほしい、と女性から頼まれる。そして姉はおじいちゃんの家に行き、いっしょにお昼寝をする事にする。(エピソード「しがらみ」)

美容師の試験を間近に控えた男性は、カットの練習に付き合ってくれる人物を探していた。そんな中、姉に頼み込んでカットモデルになってもらうが、うまくいかない。そこで男性は、いつも姉の髪をカットしている人物からアドバイスをもらう事にする。(エピソード「美容師」)

姉は、自分達を世話する女性から、寝る前に弟が偉人の伝記を読む事を薦められた。野口英世の本を読んで蚊の恐ろしさを知った弟は、部屋に入り込んだ蚊から姉を守ろうとする。(エピソード「読書の秋」)

一人で買い物していた姉を見かけた男性は、帰り道に周りの人間からいじられないようにと、あとをつける。しかし男性の心配をよそに、姉は誰にもいじられずに、弟がいる場所にたどり着く。普段では考えられない状況に、男性は先日食べたホタルイカのようなカモフラージュ術を、姉が体得しているのではないかと考える。(エピソード「ホタルイカ」)

グレン隊同士が店内で乱闘を起こし、店員はその様子を録画した映像を警察に見せる。店員はグレン隊の人々を非難するが、警察は根は悪い連中ではない、とフォローする。(エピソード「証拠」)

弟は、漢字ドリルや計算ドリルの「ドリル」という言葉で、道路工事や歯医者で歯を削るドリルの音を思い出してしまい、勉強できない事に悩んでいた。その事を姉に相談すると、姉は「ドリル」の本当の意味を弟に教えるのだった。(エピソード「自習」)

俳句教室に通う姉は、百人一首や創作俳句で非凡な才能を発揮する。先生から俳号を考えるように言われた姉が弟に相談すると、姉がよくやる仕草から「くるまろ」という名前を提案される。(エピソード「くるまろ」)

絵画教室に通う姉は、習い事に向かうバスの中で見た絵に感銘を受ける。後日、自画像を描く課題を出されると、姉はバスの中で見た絵のように描く事を決める。(エピソード「油絵」)

トマト、ジャガイモ、トウモロコシなどを家庭菜園で育てている姉と弟は、その野菜を収穫して、お世話になっている女性に料理を振る舞う。女性がどんな料理か楽しみにしていると、出て来たのは予想外のものだった。(エピソード「農作」)

飲み会でお酒を飲み過ぎると、無意識に高級店の入り口で吐いてしまうクセがある女性が、占い師に相談する。それでも治らず、今度は駐車場で吐いてしまうと、目の前にはロールスロイスが駐車されていた。どうすればこのクセが治るかわからず、泣いていると、車内の姉と弟から、お酒をやめてキャベツのスープを飲む事を勧められる。(エピソード「禁酒」)

バッティングセンターを訪れたプロ野球選手のミサワは、野球の練習をする姉と弟を見かけ、弟がトスするボールをまったく打てない姉に、ティーバッティングを勧める。ミサワのアドバイスもあり、快音を響かせる姉にミサワのテンションは上がっていく。(エピソード「ホームラン」)

登場人物・キャラクター

双子の弟と巣鴨に住んでいる幼い女の子。名前は「地主おねい」。両親が留守がちなため、弟との二人暮らしに近いが、立花のおじいちゃんをはじめとした周囲のお年寄りや両親の友人、近所の人達に気にかけてもらっている。小学校入学前とは思えないほどしっかりとした性格で、ピアノやそろばん、絵画に俳句など、たくさんの習い事をしている。

双子の姉と巣鴨に住んでいる幼い男の子。名字が「地主」なため、中学に進学するとクラスメイト達から「ヌシ」というあだ名で呼ばれる。両親が留守がちなため、姉との二人暮らしに近いが、立花のおじいちゃんをはじめとした周囲のお年寄りや両親の友人、近所の人達に気にかけてもらっている。気弱な性格で、しっかり者の姉に頼る事が多い。

立花のおじいちゃん

姉と弟の近所に住んでいるお年寄りの男性。姉の事を特に気に入っており、見かけると話し掛けたり、いっしょに昼寝をしようとする。コミュニケーションは少し過剰気味だが、姉は嫌な顔一つせずに対応している。

書誌情報

総天然色 バカ姉弟 5巻 講談社〈KCデラックス〉

第5巻

(2023-07-20発行、 978-4065323847)

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