翠山ポリスギャング

翠山ポリスギャング

腐敗した警察署を舞台に、正義感あふれる弟と破天荒な双子の兄の活躍を描いたヒューマンドラマ。ミステリー的な展開や、どんでん返しといった、甲斐谷忍の代表作『ライアー・ゲーム』に通じる要素が、この時点ですでに確立されている。甲斐谷忍のデビュー作で、「週刊少年ジャンプ」1994年8号から28号にかけて連載された。

正式名称
翠山ポリスギャング
ふりがな
みどりやまぽりすぎゃんぐ
作者
ジャンル
裏社会・アングラ
関連商品
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概要・あらすじ

幼い頃に明るく聡明だった兄を亡くした遠山銀之助は、夢を抱いて警察官になる。しかし、所属することになったのは、犯罪のメッカとして知られる「東京翠山」。怠け者ぞろいの翠山署刑事課で、銀之助はただ1人奮闘する。そんななか、銀之助は町で死んだはずの双子の兄、遠山金之助と出会う。だが金之助は自身を「一匹狼のヤクザ」と語り、銀之助との兄弟関係を否定するのだった。

登場人物・キャラクター

遠山 銀之助 (とおやま ぎんのすけ)

翠山署刑事課に赴任した新人男性刑事。ドジで気弱で腕っぷしも弱いが、正義感は強く生真面目。幼い頃に自分をかばって川に流され、死亡したとされている双子の兄、遠山金之助のことを、今も大切に思っている。交通課の麻桐陽子に淡い憧れを抱いている。

遠山 金之助 (とおやま きんのすけ)

遠山銀之助の双子の兄。6歳の時、銀之助をかばって川に流され、死亡したとされている。実はその後、ヤクザ「凰厦組」に助けられていた。事故が原因で口が利けなかったため身元が分からず、そのまま組で育てられた。何者かに潰された「凰厦組」の仇討ちをするため、手がかりを探しに翠山にやって来た。

麻桐 陽子 (あさぎり ようこ)

翠山署の交通課に所属する婦警。麻桐署長の一人娘。正義感が強く、いかつい男相手にもひるまない。翠山署に潰されたヤクザによって誘拐されるが、遠山金之助に助けられる。その際、敵をあざむくために金之助からキスをされたことをきっかけに、彼のことを意識し始める。

麻桐署長 (あさぎりしょちょう)

翠山署の署長。麻桐陽子の父親。荒くれ者の多い翠山署にあって、いたってのほほんとしている珍しい人物。髪が薄いのを気にしていて、毛生え薬の詐欺にあったこともある。一人娘の陽子のことを「問題児」と言いつつも溺愛している。

黒崎 零 (くろさき れい)

ヤクザ「関東黒羈会」会頭の男性。東京の犯罪組織をまとめ、翠山を足掛かりに麻薬密売などを行い、勢力を伸ばそうとしている。その正体は不明で、警察の極秘捜査もかいくぐり続けている。ヤクザ「凰厦組」を壊滅させた張本人。

凰厦 伝八 (おうか でんぱち)

ヤクザ「凰厦組」の組長の男性。川で溺れていた幼い頃の遠山金之助を助けた。口が利けない金之助の書いた名前を「辰のすけ」と読み違え、「辰」と呼んで家族として可愛がっていた。しかし、その後何者かによって殺される。

狭間 (はざま)

翠山署刑事課の課長を務める男性。怪我による半年間の休職を経て復職した。部下を何人も病院送りにしている暴力刑事だが、その所業はまだ上層部にはばれていない。二人暮らしをしている息子を、何よりも大切にしている。

集団・組織

凰厦組 (おうかぐみ)

大阪のヤクザ組織。組長である凰厦伝八が病床に倒れた後は、遠山金之助がその代理として組をまとめていた。麻薬密売で勢力を伸ばしていた「白泉組」に逆らって、傘下に入ることを拒んだため、金之助の留守中に壊滅させられてしまう。

白泉組 (はくせんぐみ)

ヤクザ「関東黒羈会」が関西進出のための足掛かりとして設立した組織。麻薬の密売によって大阪で勢力を伸ばしていた。同じく関西のヤクザ「凰厦組」に傘下に入ることを拒まれ、遠山金之助以外を皆殺しにした。その後、金之助によって壊滅させられた。

関東黒羈会 (かんとうこっきかい)

黒崎零をトップとする関東のヤクザ組織。危険性の高い麻薬の密売や警察との癒着、暗殺、脅しなど、汚いことをためらいなく行う。関西に勢力を伸ばすために、「白泉組」を設立。その後、勢力拡大の邪魔になった「凰厦組」を滅ぼさせた。

場所

翠山署 (みどりやましょ)

犯罪のメッカとして知られる東京翠山にある警察署。遠山銀之助が所属している。署員は怠け者ぞろいで、署内でのギャンブルや暴力が横行している。そのため、翠山の犯罪発生率の高さに対して、検挙率は著しく低い。

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