美悪の華

アメリカ帰りの一人の男が、その美貌と悪魔的な頭脳で企業やヤクザを次々と手中に収めていく。復讐のために甦り、悪の頂点を目指す冷酷非道で美しい男、「氷室聖人」こと金城正人が織り成すピカレスクロマン。「週間漫画ゴラク」1999年6月~2003年1月まで連載された作品。原作は倉科遼。2001年には玉山鉄二の主演でVシネマ化もされている。

正式名称
美悪の華
ふりがな
びあくのはな
原作者
倉科 遼
作者
ジャンル
裏社会・アングラ
レーベル
ニチブンコミックス(日本文芸社)
巻数
全18巻完結
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概要・あらすじ

アメリカから帰国した「氷室聖人」は、短期間にエステ界の女王と呼ばれる三崎淳子を籠絡して大金を手に入れ、暴力団「神竜組」を手中に収める。「氷室聖人」を騙るその男の正体は、沖縄出身の金城正人という少年だった。沖縄での少年時代に味わった屈辱的な日々と一切の情を捨て去り、悪の頭脳と美貌を武器に、金と権力を次々と欲しいままにする「氷室聖人」こと金城正人。

その最終目的は、悪の頂点に君臨し、自分の両親を殺害して汚名を着せた「亜細亜グループ」総帥の九鬼義達への復讐を果たすことだった。

登場人物・キャラクター

金城 正人 (かねしろ まさと)

壮絶な過去を持つ美貌の青年「氷室聖人(偽名)」。悪の頭脳と美貌を武器に、美悪の頂点への登りつめていく。その正体は、沖縄での屈辱の日々を捨て去るために、身ひとつで渡米して寿司屋に拾われた金城正人という青年だった。金城は自分の過去と決別し、自分の両親を殺した九鬼義達一族に復讐するため、資産家で美貌の青年、氷室聖人の人生を乗っ取り、整形手術を受け「氷室聖人」として生まれ変わったのだった。

氷室 聖人 (ひむろ まさと)

名門ベイヤード大学に留学していたハンサムな大学生。両親は飛行機事故で死亡、多額の遺産と賠償金を手にする。金城正人と生年月日が同じだと知り、正人が働いていた寿司屋「日光」に頻繁に訪れるようになる。最初は猫をかぶり良い人の振りをしていた。正人が周りに好かれているのが気に入らず、正人の恋人である由美に手を出す。金にモノをいわせ正人の周りの人間を買収し、自分が犯したひき逃げの罪を正人になすりつけ、正人は「金と権力こそすべて」ということを、氷室聖人によって実感させられる。

新垣 良美 (にいがき よしみ)

金城ミヤのバーに勤めていた女性。ミヤの金城正人への虐待を見かねて、正人を引き取り面倒を見るようになった、正人の恩人であり、最愛の人。整形手術を受けに東京へ行くも、手術が失敗したことで施術した「ミサキ・ビューティー・センター」を告訴しようとしたところ、交通事故に遭って帰らぬ人となってしまう。

金城 忠栄 (かねしろ ただはる)

金城正人の父親。沖縄県の開発公社に勤める真面目なエリート役人。九鬼義達に宮古島のリゾート開発の件で買収を持ちかけられ断ったことから、贈収賄汚職事件に連座させられてしまう。そんななか、火事で夫婦ともに焼死。自殺と断定され、すべての罪を着せられる。

金城 ミヤ (かねしろ みや)

金城忠栄の妹。金城正人の両親が焼死した後、正人を引き取った。若い時からグレており、自分を蔑んでいたエリートの兄、忠栄を恨んでいたことから彼の息子の正人を虐待し、自分の店でこき使い、挙句の果てに米兵の相手をさせていた悪魔のような女性。さらに正人に億単位の生命保険をかけていた。

北脇 (きたわき)

暴力団「神竜組」のインテリ・ヤクザ。金城正人の美貌の下に隠された冷徹さに魅了される。聖人を「野良犬」と罵った際、「飼い犬」呼ばわりされて組を乗っ取るようにけしかけられ、正人と組むことになる。正人と協力して「神竜会」を手に入れた後は組長の座に収まる。聖人の冷酷非情ぶりを恐れながらもいつも側でガードし、正人の危機には必ず駆けつける。

三崎淳子 (みさき じゅんこ)

大手エステ会社「ミサキ・ビューティー・センター」の社長。美少年に目がなく、金城正人の美貌に夢中になっている隙に、娘の三崎麗奈をも手なづけた正人に恐喝されることとなる。正人が沖縄にいた頃に可愛がってもらった新垣良美が「ミサキ・ビューティー・センター」で整形手術を失敗して告訴すると騒いだため、交通事故に見せかけ殺害した。

神林 リサ (かんばやし りさ)

暴力団「神竜組」の組長の娘。アメリカから帰る便が同じだった金城正人と知り合い、ひと悶着あったものの、正人と共に組を継ぐと宣言する。それがきっかけとなり、最終的に「神竜組」は正人と北脇に乗っ取られ、自身はソープで働くことを余儀なくされてしまう。のちに暴力団「徳田組」の3代目で恋人の徳田純を利用し、正人に対して復讐を目論む。

三崎 麗奈 (みさき れいな)

三崎淳子の娘。金城正人に誘惑されて好意を寄せ、仕組まれた再会で完全に正人の手に堕ちる。正人と入籍するが、正人が三崎淳子殺害に関しての教唆で甘粕正臣に取り調べられたことから、夫に対して疑いを抱くようになる。

山崎 梓 (やまざき あずさ)

旧山崎財閥の令嬢で、企業グループ「亜細亜グループ」の御曹司である九鬼義和と婚約している。三崎麗奈の大学の友人だが、麗奈より自分の方が金城正人にふさわしいと、正人と密会を続けている。なかなかの策略家で、時には正人を凌ぐほどの知恵を働かせる。

田代 刑事 (たしろ けいじ)

三崎淳子に雇われて裏工作を働いていた刑事。金城正人について調べ上げるが、正人に尻尾をつかまれ協力を要請される。小遣い稼ぎに正人に協力するが、警視庁の甘粕正臣にマークされてしまう。

水野 真樹 (みずの まき)

暴力団「辰末組」組長の情婦で、芸能プロダクションの女社長。対立する暴力団「神竜組」の「氷室聖人」こと金城正人に接近された際には警戒するものの、稼いだ金をすべて「辰末組」組長に吸い取られる生活に嫌気がさし、正人側に寝返る。コカインと売春の館である「悦楽の館」作りのために聖人とロサンゼルスへ同行し、正人の美顔の裏に隠された正体を掴もうとする。

甘粕 正臣 (あまかす まさおみ)

33才の若さで本部長に抜擢された警視庁暴力団対策課の刑事で、エリート中のエリート。切れ者で蛇のように執念深い。プライドが高く自分と互角以上の人間を許せない性質で、挑戦的な金城正人を執拗に追い続け、正人と死闘を繰り広げる。

藤沢 (ふじさわ)

警視庁の暴力団対策課の刑事で、甘粕正臣の片腕。金城正人とロサンゼルスに同行した三崎麗奈の警護も兼ね、正人のアメリカでの動向を探っていた。尾行しているところを正人に見つかり、彼らがコカインを保存している倉庫に連れ込まれてしまう。

甘粕 美智子 (あまかす みちこ)

甘粕正臣の妻。夫に冷く扱われ寂しい思いを抱える主婦。化粧品セールスマンを装い訪問してきた金城正人に誘惑される。コカインをやっていると甘粕に気づかれ、家を出て正人のもとへ身を寄せるが、正人にコカイン漬けにされ、コカインと売春の館である「悦楽の館」へ送られる。

徳田 純 (とくだ じゅん)

暴力団「徳田組」の三代目。外見がいかつく強面であり、見た目が良い男を目の敵にしている。高校中退後、暴走族「阿修羅」を組織し関東一円の族を束ねたという伝説を持つ。母親を早くに亡くしたせいでマザコンで甘えん坊の面がある。恋人の神林リサに頼まれ、金城正人に私闘を挑む。

福田 (ふくだ)

寿司店「日光」のオーナー。アメリカで乞食同然に暮らしていた金城正人を不憫に思い、自分の店に連れ帰って寿司を食べさせ、働く場所を提供した恩人。だが本物の氷室聖人に金で買収され、正人を裏切り聖人にすり寄る。

由美 (ゆみ)

寿司店「日光」のアルバイト。金城正人の恋人であったが、資産家で美男子の氷室聖人に誘惑され簡単になびいてしまう。正人が「氷室聖人」になり替わった後、その正体に気づいたただ一人の女性。

金子 勝明 (かねこ かつあき)

徳田純が金城正人との私闘により廃人にされた後、温情を込めて純を抹殺して暴力団「徳田組」の四代目となった男性。当初は純に手をかける要因となった正人を憎んでいたが、冷静に観察するうちに次第に正人への反発も身を潜めていった。のちに正人と死闘を繰り広げた甘粕正臣を断崖絶壁まで追い詰めるなど、正人に協力するようになる。

九鬼 義達 (くき よしたつ)

企業グループ「亜細亜グループ」の総帥。金城正人の両親を死に追いやった張本人。宮古島のリゾート開発の件で正人の父親、金城忠栄を買収しようとしたが断られ、贈収賄の濡れ衣を着せたまま絞殺し、母親には灯油をかけて火を放った鬼畜。自分の息子に対しても容赦しない。

九鬼 義彰 (くき よしあき)

九鬼義達の長男で、兄弟一の切れ者。企業グループ「亜細亜グループ」で鉄道・金融部門を担当。「亜細亜グループ」を潰せる力を持った金城正人に、父親である義達殺しを持ちかけられる。正人のような怪物を生み出した父親こそが責任を取るべきであり、自分はその後釜に座ろうと考えている。

九鬼 義信 (くき よしのぶ)

九鬼義達の次男。企業グループ「亜細亜グループ」で情報通信・ソフト関連事業部門を担当。高速通信プロジェクト事業で組むことになった金城正人に、事務所移籍トラブルをかかえているタレントの斉木ゆみを愛人にしたいと打ち明ける。代議士の阿部幸蔵から正人には用心しろとの忠告を受けて以降、正人に対して疑念を抱く。

九鬼 義和 (くき よしかず)

九鬼義達の三男。企業グループ「亜細亜グループ」でテーマパーク事業部門を担当。山崎梓の婚約者。金城正人と梓に裏で操られていることにまったく気づいていない甘いボンボン。テーマパーク事業での失敗を正人に仕組まれ、九鬼一族から追い出されてしまう。

マイケル・ロッセリーニ (まいけるろっせりーに)

ラスベガスのカジノやホテル、貿易会社などを運営する財閥の御曹司という表の顔を持つが、実はマフィアのドンを父親に持つ。それを知った金城正人は、人を雇ってマイケルを襲わせ、そこに助けに入ることでマイケル親子に恩を着せることに成功する。その後、マフィアの収入源であるコカインの流通方法を正人に提案され、彼を「ファミリー」としてマフィアの一員に迎え入れる。

阿部 幸蔵 (あべ こうぞう)

高度成長期に産業廃棄物処理業を一手に担うことで力を持ったヤクザ上がりの代議士。女性とギャンブルに目がない。水野真樹を介して「氷室聖人」こと金城正人の「悦楽の館」へ招待され、罠にはめられて5億円もの借金を背負う。以後は正人のいいなりになる。

里美 (さとみ)

宮古島出身で歌舞伎町の場末のスナックのホステス。神父の照喜名を慕う敬虔なクリスチャン。顔も性格も金城正人の最愛の人である新垣良美にそっくりで、「氷室聖人」となって以降、初めて正人が心を奪われた女性。スナックに通う正人に「あなたを受け入れることはできない」と拒絶しながらも、正人を教会に連れて行く。

照喜名 (てるきな)

「歌舞伎町のイエス」と呼ばれる神父。里美に慕われているが、沖縄時代に金城正人を暴力で支配していた極悪の不良。正人に優しかった早智江を乱暴し自殺に追い込んだ過去がある。照喜名の悪の本性を暴き、里美の目を覚まさせようとする正人に、執拗に追い詰められる。

クレジット

原作

書誌情報

美悪の華 全18巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉 完結

第1巻

(2000年1月発行、 978-4537098907)

第2巻

(2000年4月発行、 978-4537099119)

第3巻

(2000年5月1日発行、 978-4537099201)

第4巻

(2000年7月発行、 978-4537099270)

第5巻

(2000年10月発行、 978-4537099485)

第6巻

(2001年1月発行、 978-4537099706)

第7巻

(2001年3月発行、 978-4537099850)

第8巻

(2001年5月発行、 978-4537099973)

第9巻

(2001年7月発行、 978-4537100082)

第10巻

(2001年9月発行、 978-4537100266)

第11巻

(2001年11月発行、 978-4537100372)

第12巻

(2002年1月発行、 978-4537100549)

第13巻

(2002年3月8日発行、 978-4537100709)

第14巻

(2002年5月9日発行、 978-4537100860)

第15巻

(2002年7月9日発行、 978-4537101027)

第16巻

(2002年9月19日発行、 978-4537101232)

第17巻

(2002年12月19日発行、 978-4537101362)

第18巻

(2003年2月19日発行、 978-4537101683)

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