聖闘士星矢セインティア翔

本編となる『聖闘士星矢』は、集英社「週刊少年ジャンプ」で1986年1･2合併号から1990年49号まで連載された、車田正美の超人気作品。その後も続編の『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』が連載されたほか、本作『聖闘士星矢セインティア翔』を含めた外伝作品やスピンオフ作品がある。さらに、テレビアニメやアニメ映画、実写映画、ミュージカル、テレビゲームなど、さまざまなメディアミックスが展開され、関連グッズが小中学生を中心に爆発的にヒットするなど、社会現象と言えるほどの高い人気を博した。本作は原作で登場した女性の聖闘士の活躍が描かれており、アテナの化身である城戸沙織や天馬座(ペガサス)の星矢をはじめとした青銅聖闘士、黄金聖闘士など、原作の登場人物たちが物語に深くかかわる。

中学生の翔子は、学生に扮した邪神エリスの手下に襲われるが、長らく離れ離れになっていた姉の響子に助けられ、響子が聖アカデミーでの5年間の修業の末に聖闘少女「子馬座(エクレウス)の響子」となり、アテナの転生体である城戸沙織を守るために戦っていることを聞かされる。翔子はそんな姉との再会を喜ぶものの、そこに邪神エリスのしもべである破滅(ルイン)のアテが現れ、翔子の身体を依(よ)り代にしてエリスを復活させようと目論む。結果、響子は翔子をかばってエリスの依り代となってしまうが、響子は完全にエリスと同化していないことを沙織から告げられた翔子は、響子を助けるべく修行を重ね、やがて聖闘少女「子馬座の翔子」として戦いに身を投じることとなる。

女神アテナと敵対する邪神エリスは世界の破滅を目論んでおり、人間の憎しみや闘争心を増幅させる「イヴィル･シード」と呼ばれる種を撒(ま)き散らす。そんな中、かつてアテナの手によって封印されていたエリスは、「子馬座の響子」の身体を乗っ取る形で復活する。復活後は自らを封印したアテナに憎悪めいた執念を抱き、人の悪意が具現化した「邪精霊」(ドリアード)や、イヴィル･シードに侵された聖闘士「邪霊士」(ゴースト)に邪霊衣(リーフ)と呼ばれる鎧(よろい)を与えるなど、アテナの転生体である城戸沙織や彼女に助力する聖闘士(セイント)、聖闘少女(セインティア)と戦うために戦力を整えていた。復活当初はわずかに残った響子の意思に阻まれ、完全な覚醒に至らないまま蠍座(スコーピオン)のミロや沙織の前に敗れ去るものの、のちに起きた十二宮の戦いの影響で、さらに強い力を得て再復活を果たす。