世界観
ギリシャ神話をモチーフに、星座を象った聖衣(クロス)と呼ばれる鎧をまとった少年たちの戦いを描く物語。聖衣を再現したフィギュア玩具が記録的な売り上げを見せるなど、漫画のみにとどまらず、様々な媒体で人気を博した。また、本編終了後も外伝やリメイクなどの形で派生作品が多く描かれている。##聖闘士星矢の世界観
数百年に一度、地上に邪悪がはびこるときに現れるという、戦いの女神・アテナ。しかし、アテナは自ら戦うことを好まず、その戦いはつねに地上を守るための戦いであった。その戦いの中には、つねにアテナを守る聖闘士と呼ばれる少年たちがいた。聖衣と呼ばれる鎧を身にまとい、その拳は空を裂き、その蹴りは大地を割るほどの力を持っていた。今より二百と数十年前、地上の支配をもくろむ冥王ハーデスとアテナ率いる聖闘士との間に戦争が起こった。多くの聖闘士たちの命を犠牲にしながらも、アテナはハーデスを封印することに成功。そして時は流れ現代、再びギリシアの聖域にアテナが降臨する。
基本的にはギリシャ神話をモチーフにした作品だが、劇中で登場する言葉「阿頼耶識」などは仏教用語、またハーデス編はダンテの『神曲』がモチーフであることや、『水滸伝』を元にした冥闘士108の魔星など、さまざまな世界観が混ざり合っている、超神話的な作品とも言える。
劇中に登場する聖闘士には、青銅聖闘士→白銀聖闘士→黄金聖闘士の順で階級が存在する。各階級の間には絶対的な力の差が存在し、通常では上位階級の聖闘士に勝つことは不可能とされている。一般的な青銅聖闘士の打撃速度はマッハ1程度で、白銀聖闘士がマッハ2~5程度、黄金聖闘士にいたっては光速を超えるとされている。
主人公・星矢や、物語の軸となる紫龍、氷河、瞬、一輝は最下級の青銅聖闘士に属する。
作品が描かれた背景
本作の連載が始まった1985年には、国際科学技術博覧会「科学万博-つくば '85」が開催された。日本を含む48ヵ国と37の国際機関が参加し、総入場者数は2033万4727人。当時としては特別博覧会史上最高入場者記録であった。また、「ビックリマンチョコ 悪魔VS天使シリーズ」が発売され、子供たちのあいだで爆発的なブームを巻き起こした。1箱(40個入り)に1~2枚しか封入されていない希少なヘッドシールを手に入れるため箱買いをする子供が急増、お菓子を食べずにすてるなど社会問題にもなった。掲載誌である「週刊少年ジャンプ」では、『シティーハンター』『ついでにとんちんかん』『魁!!男塾』などの連載が同じ年にスタートしている。
作品構成
王道のバトル漫画といえる作品で、友情・努力・根性といった要素が色濃い。物語自体はシリアスな印象を受けるが、「あじゃぱァ-ッ!!」「うびゃあ!?」などのセリフを発する敵がいたりと、コメディ要素も各所に見られる。基本的には、十二宮編、ポセイドン編、ハーデス編の三部構成となっているが、氷河を主人公とした「氷の国のナターシャ」という外伝も存在する。
あらすじ
神話の時代より、戦いの女神・アテナに使える聖闘士と呼ばれる少年たちがいた。88の星座を模した聖衣と呼ばれる鎧を身にまとい、この世にはびこる邪悪を打ち破らんと闘った。そして現代……。
ギリシアの聖域での過酷な修行を終え、聖闘士となった少年・星矢は、仲間たちとともにアテナを守るべく、そして地上の愛と平和を守るべく、やがては地上の覇権争いへと発展することになる戦いに身を投じていく。
主な長編のストーリーに関しては以下を参照。
青銅聖闘士編
主人公・星矢は、グラード財団総帥・城戸光政により、唯一の肉親である姉・星華と引き離されてしまう。星矢は再び姉と会うために、聖衣を日本に持ち帰るべく師匠・魔鈴の下、ギリシアで厳しい修行をつむ。6年間の過酷な修業を経て、聖衣を得るための御前試合にのぞんだ星矢は、見事ライバルのカシオスに勝利し、天馬座(ペガサス)の聖衣を手に入れる。しかし、聖闘士となり日本へ帰国した星矢を待っていたのは、光政の死、そして姉・星華が行方不明になったという事実だった。
姉の行方を探すため、光政の孫娘・城戸沙織が主催する格闘大会・銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)へ参加することになった星矢。そこには星矢同様、世界各地で修行を積んでいた100人の子供の中から聖闘士となった10人の聖闘士が参加していた。1回戦、2回戦と勝ち上がっていく星矢であったが、突如として現れた鳳凰星座(フェニックス)の一輝に、優勝賞品である射手座の黄金聖衣を奪われてしまう。
暗黒聖闘士編
一輝に奪われた黄金聖衣を取り戻すべく、星矢は白鳥座(キグナス)の氷河、アンドロメダ座の瞬とともに、富士山麓に向かう。龍星座(ドラゴン)の紫龍は、銀河戦争の戦いで壊れてしまったペガサスとドラゴンの聖衣を修復するため、一人インドへと向かう。聖衣を修復できる唯一の人物、ムウに会い、そして紫龍は自らの命を懸けて、壊れてしまった聖衣の修復に成功する。一方、富士山麓では、一輝率いる暗黒聖闘士たちとの戦いが始まる。奇しくも、ブラックペガサス、ブラックドラゴン、ブラックスワン、ブラックアンドロメダと同じ星座を司る暗黒四天王に苦戦する星矢たちであったが、インドより戻った紫龍も加わって暗黒四天王を打ち破り、黄金聖衣のパーツを取り戻していく。
富士の地底で、ついに一輝と対峙する星矢たち。しかし、圧倒的な力を誇る一輝の前に、なすすべもなく倒されてしまう。そして、一輝の必殺技の前に倒されたかと思ったその時、黄金聖衣が合体し壁となり星矢を守る。黄金聖衣の加護と3人の力を身にまとった星矢は、渾身の一撃で一輝を倒し、黄金聖衣を取り戻すことに成功。しかし、一輝の口から衝撃の事実が語られる。6年前、聖闘士となるべく集められた100人の子供は同じ父親を持つ兄弟であると。その時、突如として地震が起こり、富士の地底は崩壊してしまう。
白銀聖闘士編
ムウのテレポーテーション能力によって、富士の地底から間一髪脱出した星矢たち。しかし、これまでの戦いが、聖闘士を管理する組織である聖域に、聖闘士の掟に反する私闘であると判断され、星矢たち青銅聖闘士を抹殺するため、10人の白銀聖闘士が派遣される。次々と襲い来る白銀聖闘士たちを、辛くも退ける星矢たち。
そんな中、城戸沙織が自分たちが守るべき女神・アテナの化身であると知らされる。かつて、赤ん坊であった沙織の暗殺を企てた人物こそが、聖域の教皇であることを知り、すべての元凶である教皇を倒すべく、星矢たちはギリシアへと向かう。
黄金聖闘士編(十二宮編)
聖域にたどり着いた矢先、教皇の刺客が放った黄金の矢を胸に受け沙織が倒れてしまう。矢を抜けるのは教皇のみ。教皇のいる教皇の間へと進むため、星矢たちは聖闘士の中でも最強の力を誇る黄金聖闘士たちの守る12の宮へと挑んでいく。
黄金聖闘士たちとの激闘の末、ただ一人教皇の間へとたどり着く星矢。そこで星矢は、13年前に本当の教皇を殺害し教皇になり変わっていた黄金聖闘士、双子座(ジェミニ)のサガと対面する。穏やかな顔で、黄金の矢は教皇の間の奥にあるアテナの楯のみでしか抜けないと星矢に告げるサガであったが、突如として表情が一変。サガは、正義と悪の二つの心を持つ二重人格だった。邪悪な人格となったサガは、黄金聖衣をまとい星矢に襲いかかる。圧倒的なサガの力の前に、なすすべもない星矢。仲間の力を一心に受けた星矢は、不屈の闘志でアテナの楯までたどり着き、その楯を掲げる。その瞬間、沙織の胸に刺さった黄金の矢は消え去り、サガの中に潜んでいた邪悪な存在も消え去った。正しい心を取り戻したサガであったが、己の行いを沙織に懺悔し、自らの手で命を絶ってしまう。
ポセイドン編
12宮での戦いから1ヶ月後。黄金聖闘士たちとの激闘の末、星矢たちは生死の境を彷徨っていた。一方、世界各地では水害が起き長雨が降り続くという現象が起こり始める。この災害が、地上制覇を目論む海皇ポセイドンの仕業であると察知した沙織は、単身ポセイドンのいるポセイドン神殿へと乗り込むも、メインブレドウィナと呼ばれる巨大な柱の中に閉じこめられてしまう。沙織の窮地を救うべく、意識を取り戻した星矢たちは、ポセイドン神殿へと乗り込んでいく。そして、ポセイドン率いる7人の海将軍(ジェネラル)たちを打ち破り、首謀者ともいえるサガの双子の弟・カノンを改心させ、メインブレドウィナの破壊にも成功。無事、沙織を救出し、ポセイドンの魂を再びアテナの壺に封印する。
ハーデス編
古の戦いから243年ぶりに復活し、地上支配を狙う冥王ハーデスの冥闘士(スペクター)たちが、聖域に攻め込んでくる。ハーデスのいる冥界へ赴くため、自ら命を絶つ沙織。星矢たちも、ハーデスとの戦いで必要なアテナの聖衣を持ち、冥界へと旅立つ。冥界のさらに奥、嘆きの壁と呼ばれる神々しか通れない壁の向こうにあるエリシオンへと一人向かう沙織。どうしてもその中へ入れない星矢たちであったが、黄金聖闘士全員の命と引き換えに嘆きの壁を崩すことに成功。星矢、紫龍、氷河、瞬、一輝の5人はエリシオンへと到達する。そして、アテナの血によって変化を遂げた神聖衣(ゴッドクロス)を身にまとた五人は、アテナの聖衣をまとった沙織とともに、ハーデスとの戦いに臨む。戦いの中、ハーデスの剣を心臓に受け力なく崩れ落ちる星矢。動揺する沙織だったが、残った4人の力を借り黄金の杖でハーデスを貫く。ハーデスは冥界ともども消滅し、神話の時代より幾度も繰り返された戦いに終止符が打たれる。
特殊背景
劇中に登場するほとんどのキャラクターが、聖闘士と呼ばれる闘士で、神話の時代から受け継がれてきた鎧・聖衣を身にまとい、人ならば誰もが持っている体の中の小宇宙(コスモ)を燃焼し爆発させることにより、超人的なパワーを発揮する。聖闘士には、それぞれ守護星座があり、主人公・星矢であれば天馬星座(ペガサス)。ペガサス流星拳、ペガサス彗星拳、ペガサスローリングクラッシュなど、守護星座特有の必殺技を持つ。聖闘士は基本的に男性のみがなるものだが、女性がなる場合は女であることを捨て去る意味で、仮面の着用が義務付けられている。また、女性聖闘士が素顔を見られた場合、見られた相手を殺すか愛するしかない。聖闘士が戦う理由は、アテナを守るためのみという理由から、私闘は固く禁じられている。
派生作品
その人気の高さから、数多くの派生作品も生まれている。漫画では、黄金聖闘士たちとティターン神族との戦いを描いた『聖闘士星矢 EPISODE.G』や、243年前の前聖戦を描いた『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』などがある。アニメでは新世代の聖闘士の活躍を描いた『聖闘士星矢Ω』などがある。
メディアミックス
TVアニメ
1986年よりテレビ朝日系列にて放送開始。平均視聴率は11%を記録し、放送期間も約2年半と長期にわたる人気作品であった。その人気は日本のみにとどまらず、ヨーロッパを中心とした海外でも高い視聴率を記録するほどの人気ぶりであった。また、玩具化するさいの見栄えを考慮し、十二宮編までは星矢たち青銅聖闘士の聖衣のデザインが原作とは異なっている。
映画
劇場版第1作『聖闘士星矢』は、「東映まんがまつり」の一作として公開された。同時上映作品には『ドラゴンボール 魔神城のねむり姫』などがある。その後、1988年に『聖闘士星矢 神々の熱き戦い』『聖闘士星矢 真紅の少年伝説』、1988年に『聖闘士星矢 最終聖戦の戦士たち』、2004年に『聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜』、2014年には『聖闘士星矢 Legend of Sanctuary』が公開された。
玩具
フィギュア玩具、「聖闘士聖衣大系(セイントクロスシリーズ)」が1986年に発売された。全身可動はもちろん、聖闘士たちが身に着けている聖衣を取り外し、台座に組み立てるとオブジェにもなるという点が子供心をくすぐり、1987年度の男子玩具で最大のヒット商品となった。
ゲーム
ファミコン用ゲームソフトとして、1987年に発売された『聖闘士星矢 黄金伝説』は、メインはアクションゲームでありながら、要所ではシュミレーション形式のバトルであったりと、やや複雑なシステムで難易度も高めのゲームであった。その後も数多くのゲームソフトが発売され、2015年の9月にも『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』がPlayStation 4用ソフトとして発売されている。
ミュージカル
1991年と2011年にミュージカルとして舞台化された。1991年版では、若き日のSMAPが聖闘士役を演じている。主人公の星矢を中居正広が、敵役の海皇ポセイドンを木村拓哉が演じた。
登場人物・キャラクター
天馬星座の星矢 (ぺがさすのせいや)
不屈の闘志を持つ少年。父はグラード財団総帥の城戸光政。ただし非嫡出子として産まれ、孤児として星の子学園で幼少期を過ごす。そして7歳より聖闘士発祥の地であるギリシアの聖域(サンクチュアリ)に送られ、鷲星座の魔鈴のもとで6年間修行。天馬星座の聖闘士の候補生・カシオスを倒した末、聖衣を授けられて聖闘士となった。 その後日本に帰国し、消息不明の姉・星華を探すために城戸沙織の主催する銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)に参加。その当時は幼い自分を捨て、苦しい修行の日々を強いた木戸家との確執により城戸沙織を憎んでいたが、やがて彼女がアテナの化身であることを知り、アテナを守護する聖闘士として覚醒していくと共に、城戸沙織との結びつきを強くしていく。 戦いにおいては俊敏性を誇り、毎秒百発以上の音速の拳を繰り出すペガサス流星拳が必殺技。なお、正式名称は「天馬星座の星矢」だが、作中の多くの場面で「ペガサス星矢」と呼称される。
城戸 沙織 (きど さおり、あてなさおり)
本作のヒロイン。13歳にしてグラード財団の実質的な代表を務めるが、その正体は戦いの女神・アテナの化身。13年前に赤子の姿で地上に降臨した際に双子座のサガに命を狙われたところを射手座のアイオロスに救われ、身を隠すためにグラード財団総帥である城戸光政の孫娘として育てられる。 そのため城戸光政や、彼の血を分けたペガサス星矢たちとは血縁関係が無い。当初は育った環境からくる気位の高さゆえにペガサス星矢たちとは反目していたが、やがてアテナとしての使命に殉ずる姿は、聖闘士たちからも絶対的な信奉を得ることになっていく。その一方で、本心では普通の少女として生きたいという気持ちを押し殺しており、また、ペガサス星矢には恋愛に近い特別な感情を抱いている描写も見られる。 そして冥王ハーデスとの最終決戦においては、「死」にも「愛」が勝ることを説き、絶対的な力を持つ冥王ハーデスにペガサス星矢たちが勝利する道筋をつけた。
龍星座の紫龍 (どらごんのしりゅう)
ペガサス星矢と共に戦う仲間で、城戸光政を父とする異母兄弟でもある。腰まである長い黒髪が外観上の特徴。直情型のペガサス星矢とは対照的に、思慮深い性格をしており、やがては聖闘士の要とまで呼ばれる存在となる。他の多くの青銅聖闘士と同様、城戸光政の非嫡出子として産まれ、聖闘士となるべく修行の道を選ぶ。 中国・廬山五老峰で老師こと天秤座の童虎に師事し、5年にわたる修行の末に奥義廬山昇龍覇を習得。そして逆流させた廬山の大瀑布の底に眠っていた龍星座の聖衣を手にして聖闘士となった。天秤座の童虎のもとで育てられていた少女・春麗と深い結び付きを持ち、それゆえに聖闘士としての使命よりも、五老峰で生涯を終えるという道を選んだこともあった。 戦闘においては苦境の中で戦闘力を高めていくため重傷を負うことも少なくなく、海闘士クリシュナとの戦いにおいて失明したほか、山羊座のシュラとの戦いでは大気との摩擦熱で相手もろとも燃え尽きる禁断の技・廬山亢龍覇で相討ちとなっている。
白鳥星座の氷河 (きぐなすのひょうが、きぐなすひょうが)
ペガサス星矢と共に戦う仲間で、城戸光政を父とする異母兄弟でもある。母親はロシア人のナターシャ。7歳のときにロシアから日本へ向かう船が沈没してしまい、冷たい深海に死んだときの姿のままで永眠する母親の遺体を引き揚げる力を得るために聖闘士となる決心をする。しかし、その動機は師事した水瓶座のカミュに心の甘さを指摘されることとなり、さらに修行中に遺体を引き揚げようとして失敗し、助けに入った仲間のアイザックを犠牲にしてしまう。 聖闘士となった後は、師の水瓶座のカミュより、聖衣を私闘に使うペガサス星矢たちの粛清という密命を受け、城戸沙織の開催する銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)に参加。 しかし戦いの中で友情に目覚め、ペガサス星矢たちとより過酷な戦いを共に歩む。必殺技は小宇宙(コスモ)を高めて発生させた凍気を拳とともに打ち込むダイヤモンドダスト。その応用で氷で鏡を作り、フェニックス一輝の鳳凰幻魔拳をはね返したこともある。
アンドロメダ星座の瞬 (あんどろめだのしゅん、あんどろめだしゅん)
ペガサス星矢と共に戦う仲間で、城戸光政を父とする異母兄弟でもある。また、フェニックス一輝とは母親も同じ兄弟。修行の地を選ぶ過程でフェニックス一輝と生き別れとなり、厳しい自然環境のアンドロメダ島にてケフェウス星座のダイダロスに師事して聖闘士となった後は、兄との再会を何よりも楽しみに日本へと帰国する。 しかし、その兄がとある事件を契機に暗黒聖闘士となっていたことに思い悩むこととなる。女性と見間違うほどの繊細な外観を特徴とし、性格も本来は戦いを好まない。その優しさゆえに敵を倒すことには躊躇する場面も多いが、一方では仲間を守るためには自己犠牲をも厭わない。冥王ハーデスとの戦いでは肉体を支配されるが、それも自分を犠牲にして冥王ハーデスを討とうという考えからであった。 潜在的な戦闘能力は非常に高く、必殺技は両腕に巻き付いている鎖を自在に操る星雲鎖(ネビュラチェーン)。防御の能力は88星座の聖闘士の中で一番とも言われている。
鳳凰星座の一輝 (ふぇにっくすのいっき、ふぇにっくすいっき)
ペガサス星矢とは城戸光政を父とする異母兄弟。また、アンドロメダ瞬とは母親も同じ兄弟。当初はペガサス星矢たちと敵対する暗黒聖闘士として登場するが、やがて共に戦う仲間となる。もともとは弟のことを思いやる兄であり、アンドロメダ瞬が修行するはずだったデスクイーン島があまりに過酷な環境だったため、身代わりに自分がそこを修行の地に選ぶ。 その後、デスクイーン島で出会ったアンドロメダ瞬とそっくりの少女・エスメラルダと親交を深めるが、師事した聖闘士・ギルティーの一撃をかわしたために彼女が死亡。その一件が引き金となり、憎しみに染まった鳳凰星座の聖闘士となり、さらに暗黒聖闘士を次々に打ち倒して長の座に就く。 だがペガサス星矢たちとの戦いを通じて本来の心を取り戻し、自分たちの出生の秘密を明かしたのちに仲間となった。必殺技は鳳凰幻魔拳。神経にダメージをあたえ、幻覚などで精神を破壊する技だが、相手を再起不能にするだけでなく、マインドコントロールも可能となっている。
鷲星座の魔鈴 (いーぐるのまりん)
ペガサス星矢の師である女聖闘士。6年間にわたる過酷な特訓で彼を天馬星座の聖闘士の資格者へと育て上げる。その後、銀河戦争(ギャラクシアンウォーズ)という私闘のために聖衣を使ったペガサス星矢たちを粛清するために来日することとなるが、実際はペガサス星矢たちを陰から救い、またアテナを守るよう彼らの本当の使命を伝えるなど、その後もサポートを続けた。 白銀聖闘士の中ではかなりの実力を持ち、蜥蜴星座のミスティたちにはペガサス星矢が死んだように思わせる幻覚などを施して格の違いを見せつけている。
蛇遣い星座のシャイナ (おぴゅくすのしゃいな)
ペガサス星矢と天馬星座の聖闘士の座をかけて争ったカシオスの師である女聖闘士。鷲星座の魔鈴とはライバル関係にある。当初はカシオスが敗れたことから執拗にペガサス星矢をつけ狙っていたが、ある戦いの中で素顔を見られてしまう。そして素顔を見られた女聖闘士の掟に従い、「相手を殺すか愛するか」という選択を迫られるが、いつしかペガサス星矢を愛している自分に気がつくことになる。 そして獅子座のアイオリアの攻撃から身を挺してペガサス星矢を守った際に、その気持を告白した。彼への愛情を自覚してからは鷲星座の魔鈴とも友情を育むようになり、ペガサス星矢たち青銅聖闘士たちを様々な場面で助けることとなる。 冥王ハーデスとの戦いでは、聖域(サンクチュアリ)警護の陣頭指揮を執っている。
牡羊座のムウ (ありえすのむう)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。ペガサス星矢たちには協力的な立場を取る。現代ではただひとりの聖衣の修復家で、弟子として貴鬼を育てている。師は教皇であったシオン。そのため教皇の身に異変が起きたことは早くから察知しており、あえて聖域(サンクチュアリ)から離れた秘境ジャミールにて聖衣の修復に専念しながらアテナたちの動向を見守っていた。 物静かな性格だが、他の黄金聖闘士からも一目置かれる実力を持ち、特にサイコキネシスやテレポーテーションなどの超能力を得意とする。また、いざ戦いとなった場合は容赦の無い攻撃を繰り出し、冥王ハーデスとの戦いにおいては多くの冥闘士を圧倒的な力で葬り去っている。 必殺技はクリスタルウォール、スターライトエクスティンクションなど。
牡牛座のアルデバラン (たうらすのあるでばらん)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。「黄金の野牛」の異名を持ち、大柄な体格を活かして戦うパワーファイター型の聖闘士。しかし黄金聖闘士の条件である光速に至るパンチの速度も兼ね備えており、必殺技は腕組みの状態から両腕を解放するとともに、一気に凝縮した小宇宙(コスモ)を相手にぶつけるグレートホーン。 性格も単純明快で、正々堂々としたことを好む。青銅聖闘士との実力差は歴然としていたが、教皇の正体などを巡って拳に迷いが生じ、ペガサス星矢に聖衣の左角を折られてしまう。そして戦いの前に「自分の聖衣に少しでも傷をつけられたら負けと認める」と交わしていた約束を守り、ペガサス星矢たちに金牛宮の通行を許可した。 その後双子座のサガが倒された後はアテナに忠誠を誓うが、冥王ハーデスとの戦いでは地暗星ディープのニオベと相討ちとなり死亡してしまう。
双子座のサガ (じぇみにのさが)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとりだが、教皇シオンを暗殺し、彼に成り代わっていた者の正体でもある。双子座のカノンとは双子の兄弟。かつては人々から慕われる柔和な心の持ち主であったが、教皇シオンが次期教皇に射手座のアイオロスを指名したことへの不満から悪魔の人格が目覚めてしまい、二重人格に苛まれることになる。 そして、前の人格のときに人信を集める一方で、悪の心のときの姿を見た者を次々と殺害していく。戦闘力は黄金聖闘士の中でもずば抜けて高く、必殺技として星をも砕くパワーの拳であるギャラクシアンエクスプロージョンを使うほか、相手を脱出不可能と言われる異次元へと飛ばすアナザーディメンションや、精神に作用する魔拳の幻朧魔皇拳などの強力な技を持つ。 しかしペガサス星矢やフェニックス一輝との死闘の末、アテナの楯からの光で悪の心が浄化され、最後は善の心を取り戻したことによって自ら命を絶つ。その後冥王ハーデスとの戦いでは、牡羊座のシオンらと共に復活し、アテナのために戦った。
双子座のカノン (じぇみにのかのん)
双子座のサガの双子の弟で容姿はほぼ同一。善と悪の心の二面性に苦しんだ兄とは違い、悪の心だけを持つと登場時は描写されている。その後海皇ポセイドンを覚醒させ、自らは海龍だと偽ったうえで海闘士たちを指揮。海と地上の支配を目論む。しかし、アテナの慈悲の心に触れたことから深く改心し、兄が亡きあとの双子座の聖闘士として戦った。 冥王ハーデスとの戦いではペガサス星矢たちを導く役割を果たす。そして、嘆きの壁の破壊に際し黄金聖闘士全員の力を集結させるため、双子座の聖闘士の聖衣を復活した兄に返還。自身は生身の状態で冥闘士の三巨頭のひとりである天猛星ワイバーンのラダマンティスに相対し、必殺技のギャラクシアンエクスプロージョンを放って相討ちとなって散った。
蟹座のデスマスク (きゃんさーのですますく)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。殺戮を喜びとする卑劣な聖闘士。自ら殺した者たちは成仏することができず、守護する巨蟹宮の内壁には無数の死に顔が浮かび上がっている。また正義とは時代とともに変わるという信念を持ち、教皇が双子座のサガにすり替わられたことでしてきた非道な行いを知ったうえで、教皇に仕えている。 相手の魂に直接攻撃を加え、冥界の入口である黄泉比良坂へと送る積尸気冥界波など、特殊な技の使い手。それによってドラゴン紫龍を死に際に追い詰めるが、これまでの悪行によってついに聖衣自体に見放されてしまい、廬山昇龍覇を受けて敗北を喫した。黄金聖闘士の中では、セブンセンシズに覚醒する前のペガサス星矢たちに唯一完全敗北したという立場から、冥王ハーデスによって復活させられた際もあっさり倒されるといった扱いを受ける。 しかし嘆きの壁の破壊時に魂が復活した際には、他の黄金聖闘士と共にペガサス星矢たちに力を与えている。
獅子座のアイオリア (れおのあいおりあ)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。射手座のアイオロスの実弟。第1話よりその姿は登場しており、ペガサス星矢たちの実力を修行時代から認めていた。その後、城戸沙織がアテナの化身であることや、教皇の正体が悪に染まった双子座のサガであることを知って教皇を討ち取ろうとするが、逆に幻朧魔皇拳を受けてしまい、マインドコントロールされた状態でペガサス星矢たちの前に強大な敵として立ちはだかる。 しかし、そのことを知るカシオスの命を懸けた行為がきっかけでようやく正気を取り戻し、以降はアテナのために戦い、ペガサス星矢を助ける。必殺技は、1秒間に1億発の光速拳を叩き込むライトニングボルト。 ただし、他の黄金聖闘士のような特殊攻撃は一切使用しない。
乙女座のシャカ (ばるごのしゃか)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。仏陀の転生と言われ、黄金聖闘士の中でも「最も神に近い男」と呼ばれる実力者。時空を超えて移動したり、神と対話するなど、ペガサス星矢たちとは次元の違う力を持つ。人の本質を見抜く力も突出しており、かつて暗黒聖闘士として復讐にとりつかれていたフェニックス一輝に良心が残っていることを見抜いてとどめを刺さなかった。 また教皇に成り代わった双子座のサガに仕えていたのも、彼の中にある善の心を見ていたためである。そして双子座のサガが倒れた後はアテナに忠誠を誓い、ペガサス星矢たちを導く。冥王ハーデスとの戦いにおいては、圧倒的な戦闘力で多数の冥闘士たちを一撃で粉砕。 復活した双子座のサガ、山羊座のシュラ、水瓶座のカミュの3人にもひとりで対抗したが、冥王ハーデス討伐のために冥界へ入るため、あえて技を受けて死を装った。そして嘆きの壁の破壊のために自らを犠牲にしようとしたペガサス星矢を止め、他の黄金聖闘士たちと共に嘆きの壁を破壊して消滅する。
天秤座の童虎 (らいぶらのどうこ)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとりで、ドラゴン紫龍の師匠。年齢は261歳。他の聖闘士からは「老師」と呼ばれ、教皇に扮した双子座のサガには高齢ながら「全聖闘士の中で最強」と目されている。そして彼が倒れた後は、聖闘士たちの最高指導者と言うべき立場で指揮を執っている。 非常に高齢でありながら生きているのは18歳のときに受けた仮死の法の効果によるもので、通常の人間の心臓が1日で10万回鼓動するところを、1年かけておこなう。そのため、その施術以降の243年も243日分しか肉体が老化しておらず、冥王ハーデスとの戦いではそれまでの小柄な老人の姿から18歳当時の姿に若返って戦闘。作中では初めて聖衣をまとった姿を見せた。
蠍座のミロ (すこーぴおんのみろ)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。水瓶座のカミュとは親友の仲。教皇に対する忠義心は厚いが、教皇の黒い噂が真実なのではないかという疑念も抱いている。必殺技のスカーレットニードルは、蠍座を構成する星をなぞらえた15発の攻撃によるもので、慈悲深い性格を反映して一撃ごとに敗北を認めるか死かの選択を迫る。 そして最後の15発目であるスカーレットニードル・アンタレスは心臓に撃ち込まれ、死に追い込む。十二宮の戦いにおいてはペガサス星矢とドラゴン紫龍を圧倒し、キグナス氷河に対してもスカーレットニードル・アンタレスを撃ちこむが、自身の急所にダイヤモンドダストを受けていたことから敗北を認め、彼の命を救って天蠍宮の通行を許可。 さらに彼らが命懸けで信じる城戸沙織こそがアテナの化身であり、教皇の異変を確信する。双子座のサガが倒れた後はアテナに忠誠を誓い、亡き親友の水瓶座のカミュに代わってキグナス氷河を見守った。
射手座のアイオロス (さじたりあすのあいおろす)
黄金聖闘士のひとりで、本来は人馬宮を守護する。獅子座のアイオリアの実兄。仁・智・勇に優れた聖闘士で、13年前にアテナが地上に降臨した頃に、当時の皇帝である牡羊座のシオンに時期皇帝に指名される。そして、彼を暗殺して皇帝に成り代わった双子座のサガに命を狙われたアテナを救出するが、聖域(サンクチュアリ)に対する反逆者という汚名を着せられ、追われることになる。 その果てに山羊座のシュラによって致命傷を受けるが、ギリシアに旅行で訪れていた城戸光政にアテナを孫娘の城戸沙織として育てるように託して絶命した。その高潔な魂は死後も射手座の聖衣に宿り、ペガサス星矢たちの絶体絶命の危機を、しばしば聖衣を装着させることで救っている。 そして物語の終盤である嘆きの壁の破壊の際には、魂が復活した黄金聖闘士たちの中心的な役割を果たしている。
山羊座のシュラ (かぷりこーんのしゅら)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。蟹座のデスマスクや魚座のアフロディーテと同じく「力こそ正義」という信念を持つ黄金聖闘士で、13年前に射手座のアイオロスに致命傷を与えるなど、教皇の闇の側面を知りながら忠義を尽くしていた。両手両足が鋼のように研ぎ澄まされており、特にいかなる物でも斬り裂く手刀は聖剣(エクスカリバー)と呼ばれる必殺技となっている。 十二宮の戦いではドラゴン紫龍と死闘を繰り広げ、ついには改心に至る。彼が命懸けで相討ちを狙った廬山亢龍覇を受けると、自らの聖衣をドラゴン紫龍に着せることで彼の命を救う。その際にエクスカリバーを彼の右手に受け継がせた。
水瓶座のカミュ (あくえりあすのかみゅ)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。氷の闘技の使い手で、キグナス氷河の師。後に海闘士となるアイザックの師でもある。また、蠍座のミロとは親友の仲。ときには非情とも思える言動を見せるが、すべては相手を思い遣る気持ちからのことで、十二宮での戦いではキグナス氷河を戦いに巻き込みたくないという思いから、天秤宮まで赴いて氷漬けにして足止めした。 しかし本来守護する宝瓶宮でキグナス氷河と対峙した際には、たとえ相手が誰であっても自分の立場を貫くのが男であると諭し、彼が力を極限まで高めたことで体得したオーロラエクスキューションを受けて絶命する。冥王ハーデスとの戦いで復活し、最後は他の黄金聖闘士たちと共に嘆きの壁を破壊するために力を解放して消滅した。
魚座のアフロディーテ (ぴすけすのあふろでぃーて)
黄金十二宮を守護する黄金聖闘士のひとり。蟹座のデスマスクや山羊座のシュラと同じく「力こそ正義」という信念を持ち、教皇の悪の所業を知りながら、それが正しいことと信じて忠義を尽くしていた。聖闘士の中でも随一と言われる美貌の持ち主で、毒バラを用いてロイヤルデモンローズやピラニアンローズなどの技を使う。 しかし十二宮の戦いの前に、教皇の命令でアンドロメダ瞬の師であるケフェウスのダイダロスを討ち取ったことが彼の闘志を引き出す結果となり、死闘の末に敗れて死亡する。死の間際にはアンドロメダ瞬に賛辞の言葉を送り、自身は「バラの葬列」と表現される死に様を見せた。その後、冥王ハーデスの力で冥闘士として復活した際には蟹座のデスマスクと並んで雑魚キャラのような扱いを受けているが、嘆きの壁の破壊のために魂が復活したときには、ペガサス星矢たちを助けるために力を尽くす。
一角獣星座の邪武 (ゆにこーんのじゃぶ)
ペガサス星矢たちと同じく、城戸光政を父に持つ青銅聖闘士。幼少時は他の子供たちが城戸沙織のわがままな振舞いを嫌っていた中、ひとり進んで「馬になれ」という命令に従うなど、彼女には絶対的な忠誠心を持つ。そのため、城戸沙織に反抗的な態度を見せるペガサス星矢と衝突することが多く、物語序盤ではライバル的な立場となっている。 冥王ハーデスとの戦いではアテナの意向で聖域(サンクチュアリ)に近付くことができなくなったペガサス星矢たちに代わり、聖域(サンクチュアリ)を防衛。終盤では鷲星座の魔鈴や蛇遣い星座のシャイナたちと共にペガサス星矢の姉である星華を守り、遠く離れた地で戦うペガサス星矢たちに力を与えた。
海ヘビ星座の市 (ひどらのいち)
ペガサス星矢たちと同じく、城戸光政を父に持つ青銅聖闘士。キグナス氷河と最初に対戦し、いくらでも再生する毒牙によるメロウポイズンで戦うが完敗。モヒカン頭に不気味な挙動という異形の姿にもかかわらずニヒルな態度を貫き、双子座のサガの反乱で駆けつけた際には、そのルックスで「勝敗は常に顔で決まる」という名言を残す。 いわゆる「愛される雑魚キャラ」ではあるが、最終盤では蛇遣い星座のシャイナたちと共に聖域(サンクチュアリ)と星華を守り、ペガサス星矢たちの不屈の闘志の原動力に付与している。
カシオス
ペガサス星矢と天馬星座の聖闘士の座を争った候補者のひとり。蛇遣い星座のシャイナの弟子。怪力の巨漢というキャラクターだが、次第にその繊細な内面が描写される。師の蛇遣い星座のシャイナを心から慕っており、彼女がペガサス星矢への想いから獅子座のアイオリアのもとへ駆けつけようとした際には、彼女の幸せを願って気絶させたのち、自らが代わって戦地に赴く。 そして双子座のサガの幻朧魔皇拳によって操られている獅子座のアイオリアを正気に戻すため、目の前で自決するという捨身の行動に出る。そしてそのままペガサス星矢に看取られながら、いつまでも星になって蛇遣い星座のシャイナのことを見守るように願われて息を引き取った。
教皇シオン (きょうこうしおん)
牡羊座のムウの師であり、彼の前の牡羊座の聖闘士。前の聖戦から天秤座の童虎と共に生き残った長老的な人物。しかし老齢となった自分に替わる新教皇として射手座のアイオロスを指名したことから、自分が次期教皇だと確信していた双子座のサガの中に眠っていた悪魔的な人格を呼び覚ましてしまう。 そしてついには彼に殺害され、教皇に成りすまされることとなる。冥王ハーデスとの戦いでは冥闘士として18歳の姿で復活。ペガサス星矢たちの前に敵として立ちはだかるが、その真意はアテナに冥王ハーデスの所在を知らせることにあった。そして目的の達成を見届けたのち、ペガサス星矢たちに使命を託して塵と化す。
海皇ポセイドン (かいおうぽせいどん)
神話の時代において、地上の神の座をアテナから奪うべく聖戦を繰り広げた。その戦いの末にアテナの壺に封印されていたが、双子座のカノンにその封印を解かれ、やがて彼の野望のために利用されることになる。しかし海底神殿での戦いで、仲間の献身的な助力を得て放たれたペガサス星矢の一撃によって一度は敗北するものの、「神」としての自我と力が完全に覚醒。 地上の人間をすべて滅ぼそうとする。だが、ペガサス星矢、ドラゴン紫龍、キグナス氷河の3人が捨身の行動で起こした奇蹟で、囚われていたアテナが救出され、再びアテナの壺に封印されることとなった。冥王ハーデスとの戦いでは封印された状態にありながらジュリアン・ソロの肉体を借りて、危機に陥ったペガサス星矢たちのもとに黄金聖衣を送り届けている。
冥王ハーデス (めいおうはーです)
冥界と死者を統べる神。父親のクロノスと母親のレアに与えられた美しい肉体を愛しており、その肉体を傷つける者は決して許さない。神話の時代よりアテナとは聖戦を繰り返しており、愚かしい人間たちを粛清するため、243年ぶりに現世に降臨する。一度は死んだ者の魂にかりそめの命と肉体を与える能力を持ち、それによってかつて死んだ聖闘士たちを配下としている。 自身の本当の肉体は冥界の最深部にあるエリシオンに安置されており、復活のたびにその時代で最も清らかな人間を依代としている。現世においては、アンドロメダ瞬がその対象に選ばれた。しかしペガサス星矢との死闘の末、支配したはずのアンドロメダ瞬の意識が覚醒しかけ、さらにアテナの血によって本来の肉体に戻ることを余儀なくされる。 エリシオンでの戦いでは神聖衣を得たペガサス星矢たちをも圧倒するが、人々の願いと愛の力は神をも圧倒し、最後はアテナが放ったニケの杖に体を貫かれて敗北を喫する。
城戸 光政 (きど みつまさ)
グラード財団の先代総帥。ペガサス星矢たち、百人の聖闘士候補生全員の父親でもある。かつてギリシア旅行中に瀕死となった射手座のアイオロスから、当時まだ赤子だったアテナと射手座の聖衣を託され、アテナを孫娘の城戸沙織として育てる。そしてアテナを守るために、自身の非嫡出子の男子百人を聖闘士候補生として過酷な修行の地に送り、その約1年後に死去。 いくら大義のためとはいえ、多くの者の人生を犠牲にしたことに最後まで苦悩していた。その事情を知らないペガサス星矢やフェニックス一輝からは強い憎悪の念を向けられていたが、やがて城戸沙織によって全ての真相が明かされることとなった。
聖闘士 (せいんと)
『聖闘士星矢』に登場する闘士たちの総称。女神アテナを守るために存在し、それぞれが守護星座を持つ。そのため、聖闘士の総数は88人となっている。聖闘士を志す者は、上級聖闘士などのもとで数年間の修行を経た後、実力を認められた者だけが聖衣(クロス)と呼ばれる鎧を与えられて聖闘士となる。また、聖闘士はその力に応じて黄金聖闘士(ゴールドセイント)、白銀聖闘士(シルバーセイント)、青銅聖闘士(ブロンズセイント)の3階級に分けられ。 特に高い能力を持つ黄金聖闘士には、黄道十二宮の星座が割り振られている。アテナが武器を嫌っていることから、聖闘士たちは肉体の持てる力を極限まで高めており、青銅聖闘士でも拳速はマッハ1前後、黄金聖闘士ともなると光速を超える。 本来は少年しか聖闘士の資格が無いとされているが、女性が聖闘士となる場合は女であることを捨てるという意味合いから、仮面の着用が義務となっている。
その他キーワード
聖衣 (くろす)
聖闘士たちが戦闘のためにまとう鎧の総称。88の星座の数だけ存在し、階級別に青銅聖衣(ブロンズクロス)、白銀聖衣(シルバークロス)、黄金聖衣(ゴールドクロス)の3種類が存在する。そして各々の守護星座の形を象ったオブジェ形態から展開して、聖闘士の身体を包む防具になる。聖衣は単なる防具ではなく魂が宿っており、小さな傷であれば自己修復されるほか、自らの意志で装着者を選んだり、あるいは逆に拒否することもある。 大きなダメージを受けた場合は修復の技術を持った者の技術が必要となり、長く放置した場合には聖衣が「死」の状態になってしまう。また、黄金聖闘士の血を浴びた聖衣は、装着者の精神力の高まりによって黄金色に輝きを放ち、著しく能力が上がる現象が見られる。 さらにアテナの血を浴びることで、神聖衣(ゴッドクロス)と呼ばれる最強の形態へと進化を遂げる。
続編
聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話 (せいんとせいや)
車田正美の『聖闘士星矢』の続編にあたる作品。『聖闘士星矢』のタイトルを冠する作品は多数あるが、車田正美自身が描いた正統な続編は本作のみ。「冥王神話」シリーズとして手代木史織の『聖闘士星矢 THE LO... 関連ページ:聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話
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聖闘士星矢セインティア翔 (せいんとせいやせいんてぃあしょう)
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アニメ
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蘇った前教皇、牡羊座のシオンからアテナの聖衣を授かった星矢たちは、生きたまま死者の世界に侵入するためにエイトセンシズに目覚め、ついに冥界に侵入する。そこは広大で深く、多数の地獄が存在する世界。 当然、... 関連ページ:聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編 前章
聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編 後章
ついに発覚した冥王ハーデスの恐るべき計画。それは、永遠の月食を引き起こして太陽光を遮断し、地球全体を死の世界に変える計画であった。その計画を阻止するため、アテナがハーデスと対峙、見事に勝利して瞬の身体... 関連ページ:聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編 後章
聖闘士星矢
この世に邪悪がはびこるとき、必ずや現れるという希望の闘士「聖闘士(セイント)」となった主人公の星矢は、ライバルや強敵と戦うたびに聖闘士の自覚に目覚めて成長していく。時には傷付き、時には苦悩しながらも、... 関連ページ:聖闘士星矢
聖闘士星矢 冥王ハーデスエリシオン編
神々が住む極楽浄土と言われるエリシオンに到達した星矢たちだったが、そこには冥王ハーデスの側近であるヒュプノスとタナトスが待ち構えていた。正真正銘の神々である2人を前に、星矢たちの攻撃は一切通用せず、ア... 関連ページ:聖闘士星矢 冥王ハーデスエリシオン編
書誌情報
聖闘士星矢 Final Edition 13巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス・エクストラ〉
第6巻
(2023-05-08発行、 978-4253295062)
第7巻
(2023-05-08発行、 978-4253295079)
第8巻
(2023-06-08発行、 978-4253295086)
第9巻
(2023-06-08発行、 978-4253295093)
第10巻
(2024-06-07発行、 978-4253295109)
第11巻
(2024-07-08発行、 978-4253295116)
第12巻
(2024-08-07発行、 978-4253295123)
第13巻
(2024-09-06発行、 978-4253295130)