聲の形

耳が聞こえない少女・西宮硝子と、かつて彼女をいじめていた少年・石田将也が、過去と向き合い周囲の人々との関係を見つめ直していく青春ストーリー。当初は聴覚障害者へのいじめの描写から雑誌掲載が懸念されたが、講談社の法務部や弁護士、全日本ろうあ連盟との協議を経て掲載に至った経緯を持つ。

正式名称
聲の形
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
講談社コミックスマガジン(講談社)
巻数
全7巻
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あらすじ

第1巻

小学生の石田将也は、毎日の退屈を紛らわすために危険な遊びを友達と続けていた。しかし、やがて危険な遊びを友達が避け始めた事から、将也は退屈な時間を持て余すようになってしまう。そんなある日、将也が通う小学校に転入生がやって来る。それは、耳の聞こえない少女・西宮硝子だった。将也は、筆談でしかコミュニケーションを取れない硝子に興味を持ち、その興味は嫌がらせへと変化していく。硝子のすぐ近くで大声を出してみたり、うまく喋れない硝子のものまねをしたり、嫌がらせは徐々にエスカレートしていった。将也はついには、硝子がつけていた補聴器まで壊してしまう。さらに、硝子との接し方に困り始めていたクラス全体の雰囲気も、将也に同調し始めていた。それは将也を中心としたいじめになり、硝子を追い詰める。そしてある日、補聴器を壊した事がばれてしまった将也は、一人だけいじめの犯人あつかいされた事に焦り、次々とクラスメイト達も共犯だと担任に暴露。それをきっかけに将也の立場は一変する。これまで硝子が対象だったいじめが、すべて将也に向けられたのである。散々な毎日を味わう将也を気にかけたのは、自分がいじめてきた硝子だった。

第2巻

高校生になった石田将也は、一人ぼっちの高校生活を送っていた。そんなある日、将也はいじめの過去を許してもらうために西宮硝子に会いに行こうと決意する。硝子と再会できた将也は、友達になりたいと覚えた手話で伝える。いきなり現れた将也に戸惑いつつも、硝子は好意的な反応を見せるのだった。将也はまた硝子に会いたいと願い、意を決して硝子が通う手話サークルを訪れるが、見知らぬ子供に邪魔されてしまう。硝子に会えずに落ち込んでいると、ふとしたきっかけで同じクラスの永束友宏と知り合う。永束は将也と同じくいつも一人ぼっちなので、将也に友達になろうと提案する。それは将也にとって、高校で初めて友達ができた瞬間だった。その後、再び硝子を訪ねた将也は、永束のおかげもあってようやく硝子に会う事ができた。また会えた事を喜ぶ将也だったが、以前硝子と会う事を邪魔してきた子供にちょっかいをかけられる。その子供は、自分の事を硝子の彼氏だと宣言。将也はショックを受けるが、実はその子供は硝子の妹・西宮結絃だった。結絃は将也と硝子の関係を引き裂こうと暗躍し始める。

第3巻

西宮結絃西宮硝子の妹だと知った石田将也は、勇気を出して硝子に連絡先を聞こうとする。しかし、将也の意図に気づかなかった硝子は、小学校時代のクラスメイト佐原みよこの連絡先を知りたいと返答。将也は佐原の連絡先を知らなかったため、硝子と二人で佐原が通う学校を訪ねる事にする。学校では佐原を見つけられなかった二人だったが、将也に気づいた佐原が追いかけて来てくれていた。佐原は小学校時代の硝子のいじめにはかかわっていなかった事もあり、佐原と硝子はすぐに打ち解ける。その光景が嬉しかった将也は、硝子にほかに再会したい人はいないか質問する。しかし硝子は、同じ質問を将也に投げかけた。将也はいじめられた小学校時代を思い出して戸惑う。そんな将也に追い打ちをかける事態が起きる。小学校時代のクラスメイト植野直花と街中で思いがけず出遭ったのである。その再会をきっかけに、植野は将也の前に度々現れるようになる。植野の干渉に将也は困惑。さらに植野は、硝子にまで接触を図るのだった。

第4巻

石田将也西宮結絃にせがまれ、西宮硝子を連れて遊びに行く事にする。急に現れた植野直花や、将也の高校のクラスメイト川井みき真柴智も成り行きで参加し、一行は遊園地へ出発。将也は気の知れないメンバーが増えた事に不安を抱きつつも、友達と過ごす時間を満喫する。ところが園内の売店に店員としていたのは、将也の小学校時代のクラスメイトであり元親友だったが、その後、将也を率先していじめてきた島田一旗だった。島田との再会をお膳立てしたのは植野であり、将也と島田がもう一度なかよくなる事を望んでいたのである。将也は植野のお節介に腹を立て、まずは植野が硝子となかよくするべきだと責める。植野はそれならばと硝子と二人で観覧車に乗るが、降りて来た二人は気まずそうな雰囲気となる。植野は帰ってしまい、一行は解散。翌日、結絃が密かに撮っていた観覧車内の映像を将也に見せる。そこで将也は、硝子が自分自身の事を嫌っており、植野がその態度に憤り硝子を叩いてしまった事を知る。将也は、硝子には硝子自身の事を好きでいてほしいと考える。

第5巻

永束友宏の提案で、石田将也達は映画作りを開始する。将也は真柴智と共に映画の撮影に使用するつもりの小学校へ撮影の許可を取りに行く。そこは将也が以前通っていた水門小学校だった。将也はそこで、いじめの責任をすべて自分に押しつけた担任・竹内と再会。明るく話し掛けてくる竹内だったが、やがて西宮硝子に関する悪言を吐きはじめる。その事に真柴は怒り、竹内に水をかけてしまう。結局それが原因で撮影許可を取れなくなった将也達は、そのまま夏休みを迎える事になった。将也は真柴がいじめを許せない性格である事を知り、それとなく川井みきに、真柴が自分がしてきたいじめの事を知らないかを確認。しかし、逆に川井によってクラス中にいじめの過去を暴露されてしまう。動揺した将也はその場から逃げ出し、いつも硝子と会う橋で身をひそめる。そこへ川井達が心配して駆けつけるが、将也は川井にだけでなく心配して来てくれた植野直花や永束達にもひどい事を言ってしまう。みんなが去っていき、落ち込む将也を気づかうのは、硝子と西宮結絃だけだった。

第6巻

花火大会の夜、石田将也西宮硝子が家のベランダから飛び降りようとするところを目撃。間一髪のところで硝子を引き上げるが、代わりに将也が下の川へと落ちてしまう。その後、将也は意識不明のまま入院。事情を知った植野直花は、硝子の事を咎める。硝子は自分のせいで将也を傷つけてしまったと落ち込みながらも、将也が意識を取り戻す事を信じて、途中で止まってしまっていた映画作りを再開したいと永束友宏に伝える。永束は硝子の提案に賛同し、硝子は、一度は離れてしまった佐原みよこ川井みき真柴智を再び説得して集め始める。そして、最後まで協力しないと言っていた植野も、硝子に映画の音楽担当者の連絡先を教えるのだった。硝子の行動により、こうして再び映画作りが動き始める。

第7巻

病室で意識を取り戻した石田将也は、病院を抜け出し真っ先に西宮硝子に会いに行く。将也はもう硝子が死のうとしないように、不器用な自分が生きる事を手伝ってほしいと願い、硝子はそれを聞き入れる。その後、退院した将也は、入院前に永束友宏ら映画作りのメンバーと喧嘩した事を思い出し、緊張しながらも硝子といっしょに高校へ向かう。高校は文化祭真っ最中で、永束達が将也が入院しているあいだに作った映画が公開されていた。映画を鑑賞していた将也は、みんなと再会。優しい言葉を掛けてくれる永束達のおかげもあって、将也はようやく心のわだかまりを解くのだった。そして将也達は、作った映画を新人コンクールに応募する。審査員には酷評されたものの、将也のはげましでみんなは気を取り直し、打ち上げを行う。そこではこれまでの作り笑顔ではなく、自然に笑う硝子の姿があった。そしてある日、硝子は将也に、理容師になるために東京へ行く事を打ち明ける。硝子がいなくなってしまう事に最初は焦る将也だったが、やがて硝子の夢を応援する事を決め、自分の進路についても考え始めるようになる。

登場人物・キャラクター

石田 将也

小学校時代はやんちゃな悪ガキタイプで、友人の島田一旗や広瀬啓祐といつもつるんでいた。聴覚障害を持つ転校生・西宮硝子に好奇心を抱いて彼女をからかい始めたところ、徐々にエスカレートしていじめに発展。度が過ぎて問題になったとき、一緒になっていじめていたはずの友人たちに裏切られ、今度は自身がいじめられる立場となってしまう。 孤立した中学時代を経て、高校3年生のときに贖罪のために硝子と再会。小学校時代のことを心から悔いて、今後は彼女のために行動していく覚悟を決める。

西宮 硝子

先天性聴覚障害により耳が聞こえない。度重なるいじめを受けて水門小学校に転校してきたが、周囲の人間とコミュニケーションをうまく取れず、クラスメイトの石田将也からのいじめが始まる。母親の希望で普通校に通ってきたが、その後は特別支援学校に移った。他人に自分の意見をぶつけるのが苦手で、愛想笑いを浮かべるのが癖。 高校生になり、誠意を持って自分に会いに来てくれた将也と交流するうち、好意を抱くようになる。

西宮 結絃

西宮硝子の中学生の妹。聴覚障害のある姉・西宮硝子のことをいつも気にかけている。黒髪のショートヘアで少年のような外見。さらに一人称も「オレ」のため、石田将也と初めて会ったとき男の子だと勘違いされた。写真撮影が趣味。いつも首からぶら下げている一眼レフでは、動物の死骸を撮ることが多い。

永束 友宏

石田将也が通う高校のクラスメイト。小柄で小太りの少年。クラスで孤立した存在だったが、盗まれた自転車をきっかけに将也と友人になる。映画を撮ることに憧れ、将也やクラスメイトを集めて自主制作映画を作り始める。

真柴 智

石田将也が通う高校のクラスメイト。将也を「面白い人」と評して関心を持ち、それがきっかけで永束友宏の映画製作に参加することになる。普段はにこやかな少年だが、いじめに関する出来事が絡むと冷酷な一面を顕わにする。自身も眉毛が太いことでいじめられた過去がある。

川井 みき

石田将也の小学校時代からのクラスメイト。お下げ頭に眼鏡をかけた学級長。真面目な性格だが、小学校時代に将也が西宮硝子をいじめていたときには、本気で止めることもなく笑って見ていた。真柴智に好意を抱いており、彼目当てで永束友宏の映画製作に参加する。

植野 直花

石田将也の小学校時代のクラスメイト。黒髪ロングヘアの美少女。リーダーシップを取る勝気な性格で、頭も良く運動もできる。小学生の頃から将也のことが好き。その一方、西宮硝子のことが嫌いだった。高校生になってその二人と再会したことをきっかけに、永束友宏が陣頭に立つ映画製作に参加することになる。

佐原 みよこ

石田将也の小学校時代のクラスメイト。黒髪のショートヘア。耳が聞こえない西宮硝子をサポートするため手話を勉強しようとするが、同級生から「偽善者」と陰口を叩かれるようになり不登校になった。高校生になってから将也の仲介により西宮硝子と再会し、交流が再び始まる。高校3年生までに背が一気に伸びてモデルのような体型になった。

島田 一旗

石田将也とは小学校時代のクラスメイトかつ幼馴染でもあり、仲が良かった。しかし、将也が西宮硝子へのいじめでクラスから糾弾されると態度を一変し、今度は将也をいじめるようになった。以降、中高と疎遠になっていたが、二人に和解して欲しいと願う植野直花の計らいによって、永束友宏率いる映画製作に音楽担当として参加。

広瀬 啓祐

石田将也の小学校時代のクラスメイト。将也と島田一旗と仲が良く、いつも一緒に遊んでいた。しかし、将也が西宮硝子へのいじめによってクラス中の非難を浴びると手のひらを反す。島田一旗と一緒になって将也をいじめるようになった。

将也の母

石田将也の母親。床屋を営む。水門小学校転入前の西宮硝子の髪を切った。その後、息子がいじめの一環として西宮硝子の補聴器を壊し、被害総額が170万円に達したときはすぐに支払って謝罪した。のちに将也からそのお金を返金されるが、すったもんだの末に誤って全額燃やしてしまう。

硝子の母

西宮硝子の母親。聴覚障害を持つ娘・硝子に強くなってほしいと願うあまり、男の子のような短髪にさせようとしたことがある。硝子が幼い頃、聴覚障害のことを夫の家族に非難され、離婚に至った過去がある。次女の西宮結絃とは折り合いが悪い。

竹内

水門小学校の教師。石田将也たちが小学校6年生の頃の担任。将也が耳の聞こえない転校生・西宮硝子をいじめるのを黙認していた。事が明るみに出たとき、将也一人に責任を押し付ける。のちに、障害者である硝子が転校してきたクラスは「ハズレくじ」だったと言い放った。

場所

水門小学校

石田将也たちが通っていた小学校。将也は6年生の頃、聴覚障害を持つ転校生・西宮硝子をいじめていた。担任の竹内も黙認していたが、のちに主犯の将也のみ吊し上げを食らうことになる。高校生になった将也が、永束友宏の映画撮影のロケハンのために母校を訪れると、竹内はまだこの学校に在籍していた。

書誌情報

聲の形 =The shape of voice 全7巻 講談社〈講談社コミックスマガジン〉 完結

第1巻

(2013年11月発行、 978-4063949735)

第2巻

(2014年1月発行、 978-4063950045)

第3巻

(2014年3月発行、 978-4063950366)

第4巻

(2014年6月発行、 978-4063951110)

第5巻

(2014年8月発行、 978-4063951653)

第6巻

(2014年10月発行、 978-4063952216)

第7巻

(2014年12月発行、 978-4063952681)

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