あらすじ
第1巻
優しくておしゃれな夫のりょうと結婚し、出産も控えたさやかは、理想の生活を手に入れたと思っていた。しかし、料理上手で自作料理をSNSにアップしている夫は、実は出来合いの料理を自分で作った風に見せていただけで、実際には料理がまったくできなかった。さらに子供が生まれてからは育児に忙殺され、部屋は散らかり放題で、一人寂しく冷凍食品を食べる日々が続いていた。そんなある日、りょうから自宅でホームパーティを開くと聞かされる。そのパーティでさやかは久しぶりに同僚たちと再会し、みんなは二人の暮らしを理想の生活だとうらやましがる。しかし、さやかはパーティ中も子供の世話や後片付けに追われ、みんなが帰ったあとに泣き出してしまう。りょうは家事に非協力的で、同僚たちはみんな仕事の話をしており、自分だけが取り残されたような寂しさを感じていたのだ。りょうは反省してさやかに謝罪し、余裕を持って生活を楽しめる夫婦になれるよう、努力することを誓う。(#1「理想の生活」。ほか、8エピソード収録)
登場人物・キャラクター
さやか
1「理想の生活」に登場する。結婚して理想の生活を手に入れたと思っていた主婦。おしゃれな夫のりょうと結婚して2年になり、娘も生まれた。最近は育児に追われて家事がおろそかになり、部屋も散らかり放題でイメージしていた理想の生活とのギャップに悩んでいる。自宅で開いたホームパーティをきっかけに孤独感をさらに強め、夫の前で涙する。
ジョーくんママ
2「ままならない」に登場する。モデルをしている女性で、エスニック料理が好きな夫がいる。幼い息子のジョーを保育所に預けて、モデルの仕事をしている。育児に追われて思うように仕事ができず、モデルをしていることで保育所のママには変な噂をされているために沈みがちだったが、ふとしたことをきっかけに前向きな気持ちを取り戻す。
フミ
3「いっしょの食卓」に登場する。妻のマヤと新婚生活を送る男性。マヤの仕事は終わるのが遅いことが多いため、平日はほとんど食事を作っている。献立をきっちり決めて食事の準備を進める几帳面な性格で、冷蔵庫の中身やスーパーの特売が献立とばっちり合ったときに喜びを感じている。職場でも、子供ができたらいいイクメンになりそうだと噂されている。しかし仕事が忙しくなり、冷蔵庫に残っていた食材を腐らせたことで、ついマヤを責める言葉を放ってしまう。
宮村 (みやむら)
4「家族のレシピ」に登場する。小学生の息子を持つ男性。家事を巡って妻と口論になり、つい家事を全部自分でやって見せると豪語してしまい、慣れない家事に苦戦することになる。プロジェクトリーダーとしての仕事をこなしながら、保育所に預けた息子を迎えに行き、掃除や炊事に奔走する。
リン
5「運命さえも」に登場する。付き合い始めて半年で遠距離恋愛をすることになった女性。彼氏のヤスがいる関西を離れて、東京の大学に通いながら、シェアハウスで暮らしている。それまで実家暮らしだったため、料理を作ったことはなく、苦手にしている。しかし、シェアハウスでは週末の調理当番があり、徐々に料理の喜びを知っていく。
岸田 ユリ (きしだ ゆり)
6「楽してる?」に登場する。出産後も仕事を続けている女性。育児休暇を取るつもりだったが、夫のケンイチが専業主夫になると言い出したため、出産後もキャリアウーマンとしてバリバリ働いている。マイペースに家事や育児をこなすケンイチについ厳しく当たってしまう。
マコ
7「広場みたいな」に登場する。ライターの仕事をしている女性。結婚してまだ1年ながら仕事が忙しく、社長を務める夫のタケと顔を合わせない日が続いている。育った家庭環境から、食卓に料理をいっぱい並べるのが好きで、二人だけでは食べきれないほどの料理をつい作ってしまう。夫とのすれ違いが多く、まるでお互いが一人暮らしをしているようだと、将来に不安を感じている。
沼田 ユリエ (ぬまた ゆりえ)
8「騒ぐ胸」に登場する。共働きをしている女性。夫のトオルが家事に非協力的で気がきかないことを不満に思っている。何をしたらいいのかわからないという夫のために、分担したい家事を細かくリスト化して渡すことにした。システム化したことで自分のストレスは減ったものの、なんともいえない気持ちが芽生えている。
カナコ
9「腹が減っては夫婦はできぬ」に登場する。料理家の女性。仕事の忙しい夫とはすれ違いの日々が続き、夫婦とはなんだろうと考え始めている。そんな中、知り合いの編集者から、夫婦の悩みを聞いて、その夫婦に寄り添った料理を考えて紹介する仕事を提案される。最終的にはそれをまとめてレシピブックとして出版するため、編集者と共にさまざまな夫婦のもとへ取材に向かう。
りょう
1「理想の生活」に登場する。さやかの夫で、おしゃれな男性。結婚前から自作料理をSNSにアップしており、フォロワーも多い。しかし、実は料理はまったくできず、出来合いのものを自分で作った風にして見せているだけ。優しい性格だが、さやかが育児や家事に追われて、寂しい思いをしていることに気づいていなかった。自分が家事に非協力的だったことを反省し、理想の夫婦に近づけるように努力を始める。
マヤ
3「いっしょの食卓」に登場する。夫のフミと新婚生活を送る女性。子供がいないため、仕事を続けている。平日は仕事で帰りが遅くなるため、フミが食事を作ることが多い。そのことでフミには感謝しているが、何よりいっしょに食事できることを嬉しく思っている。
ヤス
5「運命さえも」に登場する。付き合い始めて半年で遠距離恋愛をすることになった男性。料理が苦手な彼女のリンが東京のシェアハウスで暮らすことを心配している。決断力のあるリンを見習って、卒業したら結婚しようとプロポーズする。
ケンイチ
6「楽してる?」に登場する。妻の岸田ユリの妊娠を機に、専業主夫を始めた男性。のんびりとした性格で、家事や育児をマイペースにこなしている。ユリの仕事の愚痴も嫌な顔一つせずに聞いてあげる、おおらかな人物。
タケ
7「広場みたいな」に登場する。零細企業の社長をしている若い男性。結婚してまだ1年ながら仕事が忙しく、ライターの仕事をしている妻のマコとは顔を合わせない日が続いている。食べきれないほどの料理を作ってしまうマコに対し、忙しいマコをねぎらうつもりで、料理を作らなくてもいいと言ってしまう。
トオル
8「騒ぐ胸」に登場する。共働きをしている男性。家事に非協力的で、妻の沼田ユリエから言われればやるものの、一から十まで指示されないと行動できない。そのため、ユリエから分担してほしい家事を細かくリスト化されることになる。
クレジット
- その他
-
SHIORI