英雄失格

英雄失格

格闘技やスポーツの世界を舞台に、敗者の悲哀を題材にした連作ヒューマンドラマ。才能がありながらも、怪我や弱点のために英雄になり切れない男たちの生き様を、スポーツ新聞記者・宇井無策が取材するという形式で描く。

正式名称
英雄失格
ふりがな
えいゆうしっかく
作画
原作
ジャンル
格闘技・武道
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概要・あらすじ

スポーツ新聞「オール・スポーツ」の記者である宇井無策は、運動音痴ながらも、スポーツ全般の知識に長ける28歳。ひたすら英雄を追いかけるスポーツ新聞社の中にいながら、その陰で英雄失格となった敗者の生き様に強く惹かれていく。

登場人物・キャラクター

宇井 無策 (うい むさく)

スポーツ新聞「オール・スポーツ」の記者。28歳独身。低身長、太めで黒ぶちメガネをかけた冴えない風貌の持ち主。小さい頃からの運動音痴が原因で、スポーツ選手に憧れを抱く。スポーツ全般に詳しく、社内で「人間コンピュータ」と言われる。栄光の影で、敗者となった英雄失格のスポーツ選手たちにシンパシーを感じ、取材を続ける。

シャーク・南波 (しゃーく・なんば)

フェザー級のプロボクサー。KOキングと呼ばれるハードパンチャーで、将来を嘱望された新人。関東代表として全日本新人王決定戦に出場。試合を有利に進めるが、一発のアッパーで逆転KO負けとなり、生まれつきアゴが脆い「グラス・ジョー」であるとわかる。以来、弱点をカバーするため、24時間右手をアゴから離さない生活を送り、試合でも左手一本の奇妙なスタイルを貫く。

ミスター・ネッシー

怪力とテクニックを併せ持つ実力派覆面プロレスラー。弱小団体である東洋プロレスで、謎の大型新人としてデビューする。その正体は、戦後のアメリカ・マットで、反日感情を利用した、ピエロのような悪役を演じたゼネラル・トージョーの息子。悪役から真剣勝負のプロレスに転向し、ついに命を落としたトージョーの代わりに、プロレス界の英雄を目指す。

岩瀬 勇三 (いわせ ゆうぞう)

プロ野球チーム「ユアーズ」のブルペン捕手。甲子園大会3ホーマーの実績を引っさげ、「ユアーズ」に入団するも、ヒザ関節のケガで挫折した。19万円の給料で、「壁」と呼ばれるブルペン捕手を5年間務め、再起のチャンスをうかがう。

芦川 栄光 (あしかわ えいこう)

実戦空手「徹心会」の元指導員。天才的な才能を持つ暴れん坊。ケンカ好きが高じて、ついに「徹心会」を自ら破門。ケンカ十五段を名乗り、新格闘技「ザ・ケンカ」を立ち上げ、他の格闘技にケンカを売る。

大元 辰麿 (おおもと たつまろ)

九州高校柔道チャンピオンの巨漢。「ダルマ」の異名を持つ。すさまじい威力の一本背負いを必殺技とするが、投げ落とす際、相手の頭を足で庇う「仏」の心の持ち主。オリンピック柔道選手団の強化選手としてスカウトされ、柔道の鬼と呼ばれる監督のもとで指導を受けることになる。

本郷 光昭 (ほんごう みつあき)

日本空手道一閃館師範代。空手全日本大会で2年連続優勝した実力者。タイ式キックの王者チャイワットとのケンカで死んだ師匠の仇を取るために、キックボクサーに転向。またたくまに全日本ウエルター級のチャンピオンとなり、タイ国へ乗り込む。ウエルター級3位の選手を破り、チャイワットへの挑戦権を得る。

カール・シュミット

アドルフ・ヒットラーが台頭してきた1930年代のドイツで、浮浪児からプロボクサーになった人物。天性のハード・パンチで13連続KO勝利を果たし、一躍国民的英雄となった。何よりも自由を愛し、自分の人気を利用しようとしたヒットラーに反発する。

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