調理刑事の捜索ごはん

調理刑事の捜索ごはん

馬田イスケの『紺田照の合法レシピ』に次ぐ連載作品。警視庁大盛警察署を舞台に、卓越した料理の腕を持つ警部補の調理が、豊富な食の知識を駆使して凶悪事件を解決する姿を描いた新感覚のグルメコメディ。講談社「イブニング」2021年7号から2022年6号まで連載。

正式名称
調理刑事の捜索ごはん
ふりがな
ちょうりでかのそうさくごはん
作者
ジャンル
警察官・刑事・検察官
 
料理
レーベル
イブニングKC(講談社)
巻数
既刊3巻
関連商品
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料理の力で事件を解決

警察庁大盛警察署の刑事課強行犯係には、連日、凶悪犯罪の発生通報が寄せられ、捜査員たちは慌ただしく現場へと急行している。刑事の調もその一人だが、彼は事件現場に到着すると、決まって持参した調理器具と食材を使って料理を作り始め、周囲の人々に振る舞う。事件関係者たちは、その場の雰囲気に影響されて出された料理を口にするが、その尋常ではない美味しさに驚き、思わず大袈裟な反応を見せる。そして、その勢いに乗じて犯人が改心したり、事件解決の鍵となる重要な情報を提供したりと、図らずも事件を解決へと導いていく。

事件現場で生まれる多彩な料理

刑事の調は、和洋中を問わず多彩な料理に精通しており、事件現場での調理という特性から、持ち運びやすい食材を巧みに使ったメニューを披露する。彼が生み出す料理には、ナッツをまぶした鶏の唐揚げにオレンジソースを添えた一品や、ベーコン、モッツァレラチーズ、小松菜を油揚げに詰めたイタリア風の詰め焼き、さらにはみじん切りの生姜をたっぷり使ったアクアパッツァなど、バラエティに富んでいる。これらの料理は、卓越した味付けが施されており、食べる人々を魅了している。また、巻末のおまけページには、作中で調が作る料理のレシピも掲載されている。

奇妙な警察官と個性的な犯罪者たち

大盛警察署には、事件現場で突然料理を始める調や、彼の奇行を楽しんでいる署長の大根源助、デリカシーに欠ける女性刑事の名掘をはじめ、個性的な職員が多数在籍している。彼らが対峙する犯罪者たちもユニークで、調の料理の美味しさに思わず自らの計画を白状したり、調の腕前に張り合って犯罪現場で料理を始めたりと、彼らの行動は凶悪さと滑稽さを併せ持ち、本作のコメディ要素を一層引き立てている。そんな奇人変人ばかりの署内で、数少ない常識人である新舞ひかりは、調や大根の空気を読まない言動、さらには調の料理に奇妙な反応を示す犯罪者や関係者に対して、時には口頭で、時には心の中で鋭いツッコミを入れ続けている。また、登場人物は「濱栗海斗」や「伊村梓希」など、食べ物や素材の名前をもじったユニークなネーミングがされている。

登場人物・キャラクター

調 理 (しらべ おさむ)

警察庁大盛警察署の刑事課強行犯係に所属する男性警部補。類まれな料理の腕前を誇り、その料理は誰もが「美味しい」と感嘆するほど。風変わりながらも温厚で社交的な性格で、初対面の人や怪しげな相手にも物怖じせずに接するなど、コミュニケーション能力に優れている。しかし、つねに料理を最優先し、それ以外のことを後回しにする傾向があり、時には空気を読まない行動をとることもある。その最も極端な例が、事件現場で堂々と料理を始め、凶悪犯罪者に料理を振る舞うことだが、なぜかその型破りな行動が事件解決の手がかりになることも少なくない。この功績から、上層部からは「調理刑事」「クックコップ」と呼ばれている。なお、事件現場で料理を始める際の口癖は「捜索開始」。

新舞 ひかり (しんまい ひかり)

警察庁大盛警察署の刑事課強行犯係に所属する女性巡査。かつては恋人がいたが、仕事に対する考え方の違いや性格の不一致が原因で破局している。仕事熱心で、高い身体能力と柔道五段の技術を駆使して凶悪犯に果敢に立ち向かう。また、些細なヒントから事件を解決に導く推理力も非常に優れている。まじめな性格のため、上司である調警部補や大根署長の奇行に悩まされることも多い。しかし、調の料理の腕前は高く評価しており、彼が作った料理を心から満足して味わっている。また、人気ミュージシャンの麦津飯師の大ファンで、彼がかかわると性格が一変してしまう。

書誌情報

調理刑事の捜索ごはん 3巻 講談社〈イブニングKC〉

第1巻

(2021-08-23発行、978-4065244197)

第2巻

(2021-12-23発行、978-4065263464)

第3巻

(2022-05-23発行、978-4065275450)

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